本当の「0」
『モンスター:異次元からの強者 レアリティ 銅 コスト 12
種族 戦士
このカードが捨て場に存在する時、自分フィールドのカードを1枚捨て場に送る事で、コストを半分にして召喚出来る。
手札が0の時、相手フィールドのモンスターに1度ずつ攻撃できる。 ただしこのカードでのライフコアへの直接攻撃は行えない。
ATK 15 HP 15』
「拙者は場に存在する「幻霧盾」を捨て場に送り、この兵を召喚するで御座る。」
代償は玉座の効果により払わなくて済んでいる。 そう言う意味合いでは感謝するで御座るが、いかんせんやり方が少々悪かった。
「なるほど、捨て場からの召喚ならば玉座の領域ではないので、召喚も憚れない。 ですがそのモンスターでは、場にモンスターのいない私の前では無意味ですね。 完全に木偶の坊ではありませんか。」
「この世界でも「木偶の坊」という言葉は存在するので御座るな。 しかしそのような欠点を補えない拙者ではないわ。 捨て場に存在する「怨霊思念」を発動するで御座る!」
『魔法カード:怨霊思念 レアリティ 水色 コスト 4
このカードの効果はどちらかしか使用できない。
手札から使用する時、相手のライフコアに6のダメージを与える。
捨て場に存在する時、相手のフィールドに「怨霊 ATK 2 HP 5」を1体召喚する。』
捨て場からの効果であるゆえ、敵陣地に怨霊が現れる。 本来ならば相手を優位にしてしまう一手で御座るが、この場合はそれを逆手に取っている。 相手に有利を敢えて作らせるのも戦略の内だと、セイジ殿から学んだことで御座る。
「これで木偶の坊では無くなったで御座るな。」
「・・・」
黙っているように見えて、軽く舌打ちしたのは分かったで御座る。
「戦闘開始! 異次元からの強者で怨霊を攻撃するで御座る!」
拙者の攻撃に対処をするで御座るか? いや、そのまま受け流れたで御座る。 向こうには体力はまだ残っているで御座るが、このまま受け続ければ、身が持たなくなるのは目に見えて明らか。 効果による損傷を与えるにしても、自分の身が持たなければそれも出来まい。 ・・・と、相手の心配は無用で御座るか。
「拙者は摩真奈で心臓核に直接攻撃で御座る!」
奴の心臓核は半分ほどにやった。 本当に手の打ち所がないか、それとも・・・
「私はコストを5つ支払い、インタラプトカード「傷清算」を発動。」
『魔法カード(インタラプト):傷清算 レアリティ 紫 コスト 5
自分フィールドにモンスターが存在せず、相手から15以上のダメージを受ける時、手札を1枚捨て場に送ることで、そのダメージを無効にする。』
止めに来るのは当然で御座るな。 しかしこれで互いの心臓核の数はほぼ同じ。 相手の慢心的な考えが、ここまでの損傷になったと言っても過言ではないで御座ろう。
「休息に入り、休戦するで御座る。 そして玉座の効果により、心臓核が回復するで御座る。」
「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」
「汝よ。 ここまでの損傷に対する思い入れは見事で御座る。 人はどんな状況に置いても、自分を犠牲にするにはそれ相応の決断と覚悟が必要で御座る。 だが勇気と無謀を履き違えるような輩も多く見てきた。 自分の命を省みない、そのようなやり方では、本当に滅んでしまうぞ。」
拙者の言葉には、悟り半分と煽り半分で喋っている。 戦い方に対し少々心がないと思ったからで御座る。 勝利のための作戦か、それともただの無謀か。 見極めるのには、十分な言葉で御座ろう。
「別に私は人ではないので、滅びようがすぐに復活するのは容易いこと。 それに人が我々神の者に説教など・・・やはり立場は弁えて貰わねばなりませんなぁ!?」
紳士のような振る舞いから言葉が歪み始める。 これは侮辱に対する怒りとも捉えられる。 本質を表せたのは、僥倖とも言えよう。
「私はコストを7つ支払い、「毒天使 ドクトル」を召喚します。」
『モンスター:毒天使 ドクトル レアリティ 紫 コスト 7
種族 天使族
プラポレーションタイムに一度だけ、手札を1枚捨て場に送り、コンバットタイムを行わないことで、相手のライフコアに自分の現在の攻撃力分のダメージを与える。
ATK 8 HP 10』
ようやく相手も兵を出してきた。 しかし出した兵としては少々物足りなく感じるが・・・拙者の兵を倒す算段ではないで御座ろう。 となれば
「私はコストを3つ支払い、装備カード「オーバーラップパワー」をドクトルに装備。 これによりこの装備カードが存在する限り、ドクトルの攻撃力はターン毎に倍になります。」
つまり手札を捨てれば、その攻撃力分の損傷が拙者の心臓核に当たるという事になる。 しかしそれは相手の手札があってこその話。 既に手札が乏しいこの状況では判断が難しいで御座ろう。 尚且つ奴は自分でこの状況を更に苦しくした。 玉座の効果で手札に残る確率は五分より低いと推測する。 そんな状況下で手札を犠牲にするとは思えぬ。
「私はコストを5つ支払い、魔法カード「休戦補給」を発動。 このターンコンバットタイムを放棄する代わりに、カードを2枚ドローする。」
手札は補充するで御座ろうが、それが手元に残るのかはある程度は運も関わってくるが、果たして?
「ふふ、2枚とも魔法カード。 よって手札には残ります。」
運のいいやつ、いや、そもそもがそのような山札とも考えるべきで御座ろう。 相手は戦わずして勝つつもりのようで御座る。
「私は手札を1枚捨て場に送り、あなたのライフコアにドクトルの攻撃力分のダメージを与えます。 今はまだ小さいですが、いつまで耐えられますかねぇ。 クールタイムに入り、私はエンディングを迎えます。 効果によってライフコアは回復しますが、それも段々と無意味になって来るでしょう。」
奴の言うように、このまま長期戦に持っていけば、拙者の方が先に心臓核が無くなるで御座る。 確かにこれ以上の長居は無意味で御座ろう。
「ならば早急に決着を着けるまで! 拙者の開戦そして山札を引く、戦闘準備。 拙者は先程引いたハイラースを召喚し、捨て場のカードを山札に戻すで御座る。」
拙者が戻したのは「怨霊思念」。 これにより次に引くことが出来れば相手に損傷を与えることが出来るで御座る。 もちろんそのようなものに頼らずとも、今の兵の数でなら十分に相手を倒せるで御座る。
「戦闘開始! 異次元からの強者でドクトルに攻撃で御座る!」
「そうはいきません。 コストを6つ支払い、インタラプトカード「神からの禁止命令」を発動。 これによりあなたの攻撃は無効となり、これ以上の戦闘も行えなくなります。」
「・・・くっ。 休息に入り、休戦を迎えるで御座る。 玉座の効果で心臓核が回復するで御座る。」
「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 オーバーラップパワーの効果によりドクトルの攻撃力は倍となりました。 しかしこちらが攻撃しないことをいいことに数で攻められても困りますね。 ではこうしましょう。 私はコストを15支払い、魔法カード「供物の選択」を発動しますよ。」
『魔法カード:供物の選択 レアリティ 銅 コスト 15
相手は以下の効果のどちらかを選ばなければならない。
・発動したプレイヤーよりもモンスターが多い場合、その数になるようにフィールドのモンスターを捨て場に送る。
・次のプラポレーションタイム時、魔法、装備カードを使用できない。
・山札を上から10枚捨て場に送る。』
「さぁ、どれかを選びなさい。 もっともどれを選んだところで結果は変わらないでしょうが。」
「・・・山札から捨て場に送るで御座る。」
まさしく苦渋の選択。 兵の数を減らされるのも、魔法が使えぬのも、今の拙者にとっては痛手にしかならない。 嫌なところを突かれるようで御座る。 捨て場に送られた札を後で確認しなければ。
「そして私はコンバットタイムを放棄することで、現在のドクトルの攻撃力分のダメージを受けて貰います! これであなたに次は無くなりました。 クールタイムに入り、私はエンディングを迎えます。」
「まだ拙者には攻撃することが出来るで御座るぞ! 拙者の開戦、そして山札を引く。 戦闘準備。」
拙者の引いた札は・・・この札で御座るか。 しかし今は考えてももうどうしようもない。 ここで使わずに終わるくらいならば。
「拙者は魔法札「眠りし遺志の目覚め」を発動するで御座る。」
『魔法カード:眠りし遺志の目覚め レアリティ 桃 コスト 10
山札を5枚捨て場に送る。 その後、捨て場に存在するカードを1枚手札に加える。 ただしこの効果を使用した後、すぐにコンバットタイムに入る。』
「ふふ。 ついに自らを犠牲にしましたか。」
「なんとでも言え。 拙者は山札を捨てるで御座る。 そして捨て場を確認するで御座るよ。」
落ちた札は20枚近く。 この状況を打破できる札は・・・・・・
「・・・拙者はこの札を選ぶで御座る。 そしてそのままコンバットタイム! 異次元からの強者よ! ドクトルを攻撃せよ!」
「何度やっても無駄なこと。 私はコストを3つ支払い、インタラプトカード「神の逆凪」を発動。 天使族がいる時、相手のコンバットタイムを飛ばし、更に相手に3ダメージを与える。 さあ、エンディングを宣言しなさい。」
「・・・休息に入り、休戦を迎えるで御座る。 心臓核は回復するで御座る。」
「私のオープニング、そしてドロー! プラポレーションタイム! そしてドクトルの攻撃力は更に倍! そして私はコンバットタイムを放棄する。 これであなたの命は尽きる。 撃ち放ちなさいドクトルよ! その矢尻を持って!」
そして拙者の心臓核にドクトルからの攻撃が入る。 その衝撃で拙者は吹き飛び、そして倒れた。 最後に持っていた手札を捨て場に送って
本当に零斗はやられてしまったのか?
最後に手にしたカードの意味とは?
次回、その理由が明らかに!




