導いた答え
『モンスター:サネルクテイマー レアリティ 金 コスト 20
種族 爬虫類族
このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した時、相手フィールドに「サネルクエッグ」をフィールドに空いている分だけ召喚する。
相手フィールドに「サネルク」が存在する時、自分フィールドのこのカード以外のモンスターを全て捨て場に送り、相手の場の「サネルク」を可能な限り自分フィールドに移し変える
ATK 16 HP 15』
「サネルクエッグ このカードは戦闘で破壊されない。 このカードが存在する時、コンバットタイム前にデッキトップを1枚捨て場に送り、「サネルク」を召喚する。
ATK 2 HP 4」
「サネルク:このカードが破壊された時、相手のライフコアに4のダメージを与える。
ATK 5 HP 9」
ミルレの知らないカード。 それが影の中にある。 これはいったいどういうことだ? 今さらながら本当に彼女達の影なのか? 俺達がそう思っているだけ?
「コンバットタイム。 サネルクテイマーでイルルアルタに攻撃。」
「そうは、させません! 私はコストを、7つ支払って、インタラプトカードの、「庇いあい」を、発動します!」
『魔法カード(インタラプト):庇いあい レアリティ 紫 コスト 7
相手の攻撃宣言時、対象を自身のライフコアへと変更し、ダメージを半分にする。 その後、相手のライフコアに受けた半分のダメージを与える。』
効果としてはかなり無謀だが、下手に相手の優位を作るよりはマシと言う事か。 そう言う意味ではアリフレアらしい選択だ。 そしてアリフレアのライフコアに攻撃が当たる。
「・・・っ!」
「アリフレアさん!」
「私は・・・大丈夫・・・。 庇いあいの、もう1つの効果、今受けた、ダメージの、半分のダメージを、影のミルレに、返す。」
そしてそのアリフレアのライフコアから、影のミルレのライフコアにぶち当たる。 そしてあの黒い雫が飛んできた。
『・・・分かっているのです。 本当は・・・あの方は、私の身を案じていることは。 だけど、それでも。 どんなに迷惑をかけてでもいいから、お側にいたかった。 あの方の慈悲を受けたのは自分なのに、それを無下にしようとしている自分が本当に妬ましい。』
「・・・そう言うことだったのか。」
ミルレはただ寂しかったんじゃない。 彼女なりの葛藤の末、それで受け入れたのだろう。 おそらくそれはアリフレアも同じこと。 それ故にこの戦いの不毛さを俺は感じてしまった。 だって目の前の2人の幼き少女達の気持ちを、誰よりも受け入れていなかったのは自分だったのだから。
「師匠?」
「どうしたのセージさん?」
ファルケンやゼルダの声は聞こえている。 だがそれ以上に俺にはやるべき事があった。
「アリフレア、ミルレ。」
俺は2人の少女に声をかけて、そして2人を両側で優しく抱き締めた。
「ご主人様?」
「セイジ様?」
「済まなかったな。 2人とも。 俺は2人を守らなければいけないとばかり考えていた。 2人が想像する以上に、俺達の世界が過酷で、残虐で、醜いからだ。 2人にはそんな世界は見せるべきじゃないと思っていた。 でも違った。 俺が思っている以上に2人は強い。 そしてそれを俺は過保護に抑制してしまっていた。 2人の本当の想いを、俺は見てやれていなかったんだ。」
「駄目ですよ・・・セイジ様・・・あなた様は・・・私達の事を考えて・・・行った行動を否定しないで・・・下さい。」
「ご主人様の、優しさは、誰よりも、知っています。 謝れる資格など、私達には、ありません。」
分かっている。 分かっているさ。 そんなことは。 俺だって悪いとは思っていないし、2人も悪くない。 涙ぐみそうな2人の体を優しく、そして力強く抱き締める。
「今度からは一緒に行こう。 そして、俺が必ず守ってみせる。 2人のことは、誰にも傷付けやしない。」
「守る仕事は、拙者の方が慣れているで御座るよ。」
そんなやり取りをしていると、後ろにみんなが集まっていた。
「そうだ。 子供1人守れないようでは、私も次期領主として情けない。」
「あたいはミルレの面倒を見てたけど、妖精族の血が流れてるだけあって、魔法適性はかなり高かったわよ。」
「俺っちだって、あいつらの面倒を長いこと見てきたッスから、分からないことがあれば聞いて欲しいッス。」
「みんなで守ってあげようよ。 セージさん。 ボク達だって、もう守られるだけじゃないんだから。」
みんな思い思いに言葉を紡いでくれる。 どうやら俺は、知らず知らずの内に抱え込んでいたらしい。
「っと。 こんなことをしてる場合じゃないな。 今はカードバトル中だ。 次はアリフレアの・・・」
「その必要はもう無いようだぞ、セイジ。」
ベルジアが唐突にそう告げた。 どういうことだと顔を上げると、そこに立っていたのはミルレとアリフレアの影。 だが彼女達の表情はそれはそれは穏やかだった。 そしてまるで役割を果たしたかのようにその2つの影は淡い光と共に、粒子となり消えていった。
「あの影はもしかしたら、この子達の本心を偶像化したものだったのかもね。 でもあたい達だったら、本当に巣食う闇を具現化されていたかも。」
それは俺達にとっても都合のいい話かもしれない。 考えたくは無かったがな。
「セージ。 どうやら開いたみたいだよ。」
ゼルダが俺達を閉じ込めた扉に触れると、驚くほど簡単に開けられていて、すぐに俺達は部屋を出て、上へと続く階段へと足を走らせた。
階段を上った先には、また例の神が佇んでいた。 とはいえまだ立体映像のままだが。
『あの靄をあんな風に解決するなんて・・・』
どうやら一部始終は見てたみたいだな。 ま、今さら覗かれようとなにされようと関係はない。 奴に近付くためだ。 そんなことまで気にしていられるか。
「はん。 概ね自分の闇に苛まれて共倒れ、みたいな結末をお望みだったみたいだな。 んでもって、その反応を見ると、あの解決法は流石に予想外だったようだしな。」
立体映像だろうと会話が出来るのであれば聞こえている筈だ。 そういうと神はこちらを睨み付けながら口を開いた。
『ふぅ・・・やはり君は危険な存在だよ。 僕の理想郷の中に入れては行けないんだ。 君のような人物が全てを破壊するんだ。』
「今現状でこの世界の均衡を崩しかけている奴の台詞とは思えないな。 神様だって「人類皆平等」なんて考え方は古いんだろ?」
少々あの破壊神的な考え方にはなるのだが、あの神だって平等のために破壊を行う。 つまりは均衡を保つために、不要な要素は破壊するのだ。 それが非人道的であろうが関係はない。 神だし。
『まあ、いずれは来ると思っていたからいいけどね。 ちょっと早すぎたせいでこっちの準備が整ってないんだよ。』
「整わせると思うのか? ここまで乗り込ませておいて?」
『別に君達が来なければ問題ない。 だからこそ、今度は彼らを前に立たせようか。 彼らも戦いがしたくてウズウズしてたみたいだし。 それじゃ、頼んだよ。 四天王さん達。』
そうして立体映像が消えると、奥から4つの影が現れる。 四天王と言うくらいだ。 さぞ強いんだろうな。
「我が神の道を愚公するものがいると聞いて参上致した! 私は「暴食」の力を持つ「渡部 徹」!」
早速と言わんばかりに自己紹介を始めたポッチャリ男子。 暴食ってことはこいつら全員大罪の加護持ちか。 というか見た目で判断されてる部分もあるくね?
「そんな登場の仕方が羨ましい・・・あたしなんて「嫉妬」よ嫉妬。 どうやって使うのよ、こんなの。 ・・・はぁ、名前まで言ってるからあたしも言わないといけないのね。 夏戸 志枝蘭。 なんでこんな名前にしたんだろ。」
今度はやたらと自虐気味の女子がきた。 本当に四天王に任命した人材か?
「んー。 浅見 音留・・・私は「怠惰」・・・ふあぁ。」
いかにも眠たそうな感じの女子も現れる。 というかあまりにも眠たいからかナイトキャップにパジャマというスタイルだ。 寝起きスタイルもいいところだな。
「だー! やる気ねぇなぁてめぇら! もっとシャキッとしやがれ! 最後は俺だ! 「憤怒」の藤堂 猪狩だ! おらぁ! さっさとかかってこいや!」
最後の最後でまさしくって奴が出てくるか。 全員個性は強いが、実力は見た目だけでは計れない・・・と信じたい。 あの神の事だろうから、ここにいきなり飛ばして「自分を守る四天王になってくれ」みたいな感じで投げっぱなしなんじゃなかろうか。
「四連続勝利が条件か。 持つかな、俺の体力。」
そう思いながらディスクとバイザーを構えると、後ろから肩を叩かれる。 振り返るとそこにはベルジアがいた。 更にゼルダ、ファルケン、サヴィがディスクを既に構えていた。
「セイジ。 ここからは私達が相手をしておこう。」
「え? 俺は別に・・・」
「セージさんは最後に向けて体力を温存させておかないとね。 ボク達に任せてよ。」
「そうッスよ。 俺っち達だって成長してるッス。 師匠のお荷物になるために来たんじゃないッスから。」
「ま、あたい達にかかれば負けることはないでしょ。 あの子達と共にゆっくり見学してなさいな。 超年者からの約束よ。」
そう言うことなら・・・俺は零斗さん、アリフレア、ミルレと共に、4人の行く末を見守ることにしたのだった。
「心配は無用で御座ろう。 実力は汝がよく知っているで御座ろうて。」
零斗さんに言われて、俺も「まあ」と言わんばかりに手を振った。 そして四天王との戦いが始まろうとしていた。
『さぁ、劇場の始まりだ!』
元々ミルレ・アリフレアタッグのお話はここまで長くする予定は無かったのですが、想いとかを書いている内に何だかんだで話数が増えていました。
決着の着け方に納得のいかない人もいるかもしれませんが、2人はあまり戦わせない設定でしたので、その辺りはご了承下さい。




