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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
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幼き者達への試練

『勝者 アリカ ミヤモト これにより通行を可能とします。』


 AI領域が解かれ、弾き出されていたみんなと合流が出来た。 そしてアリカとカンタを見ている。


「アリカ殿が勝鬨を上げたのは良いが・・・カンタ殿は無事で御座ろうか。」


 アリカ達の試合を見れていたのか分からないが少なくても今の現状を見れば、勝敗は明らかだろう。


「とりあえず回復だけはさせるわ。 「キュアット」。」


 サヴィが小さく唱えると、カンタの周りに淡い光が現れる。 そしてしばらくすると


「うう・・・ん。」


 カンタが意識を取り戻したようだ。 一足先に俺がカンタの前に居座る。 もしあの神の威光が解かれていないのならば、再度襲いかねないからだ。


「大丈夫かカンタ。 俺が認識出来るか?」

「・・・セイジさん?」

「よし、認識は出来ているな。 今までの事は覚えているか?」

「今までの・・・」


 そうカンタは思い出す様に上を見上げて、そしてまた俯く。


「皆さんには・・・特にアリカさんには多大なる迷惑を・・・」

「謝るな。 お前の意思に反してやったことは理解してる。 そしてお前を送った神とやらも、ろくでもない奴だとな。」


 自分の都合が悪くなったわけでもないのに、いきなりカンタを利用した。 つまり奴の信仰が高くなれば、それだけ人を操る力になるということだ。 あんなものを放っておいたら、この世界自体が危うくなる。 一刻も早く奴の行おうとしているなにかを止めなければ。


「先に進めるのなら進むまでだ。 行くぞ。」


 そういうとみんなが俺の後に続く・・・かと思ったが・・・


「・・・あれ? 足に力が・・・」


 そう言ったのは先ほどまで操られていたカンタだった。


「・・・どうやら「キュアット」でも疲労までは回復できなかったみたい。」

「それなら私が残ります。 私は皆さんのお役に立てる程、あなたたちと一緒にいなかったので。」


 カンタの看病をアリカが請け負うそうだ。 敵地の真ん中で休憩も言うのもかなり危険ではあるが四の五のは言えない。 ここは任せるしか無いだろう。


「分かった。 ただ2人とも身の危険を感じたら這いずってでも逃げてくれ。 サヴィの魔法でも距離が取られると厳しいだろうし。」

「ごめんよ・・・ここに来て足手纏いだなんて。」

「気にしてねぇよ。」


 軽口を叩いて次なる場所へと向かう。 この先は二個三個程部屋があったはずだが、奴は屋上だろう。 階段まで突っ走る。


「おぉぉぉぉ・・・ん。」

「なんすか? 今の声?」

「この部屋から聞こえたようだけど?」


 ファルケンとゼルダが俺に聞いてくる。 寄り道している場合ではないのだろうが、部屋は近いので覗くだけ覗くことにしよう。


 ドアの隙間からまずは覗く。 暗さからか特になにかめぼしいものは見当たらない。 ファルケンはゼルダは亜人のため、俺達よりも敏感になったのかとも考えられる。 ドアを閉めようとしたその瞬間


「ぐあっ!?」


 後ろから強烈な勢いで押し倒される。 振り向くとその場に居た全員が俺の上に乗っかるように倒れ込んでいた。


『あっははははは。 君達は本当に仲がいいみたいだねぇ。』


 そんなことになっていると、あの神がまた映像として現れた。 ドアはいつの間にか閉められているのを考えると、おそらくこいつかその側近が俺達ごと押し込んだのだろう。


「この部屋に閉じ込めて時間稼ぎのつもりか?」

『まさか。 でもカンタがやられてしまったのはちょっと残念かな。 この世界での契約なら死ぬことはないけれど、もう少し頑張れたんじゃないかな。』

「随分とカンタを買ってるみたいじゃないか。 捨て駒扱いはしないんだな。」

『最初に送った人材をそんな簡単に手放せないでしょ。』


 それだけ神のように寛容な奴がなんでこんなことをしているのか、正直理解できない。 理解したくもない、とも言えるが。


『でも計画の邪魔はされたくないから・・・悪いけどここで倒れて貰おうかな。 君の存在は厄介極まりない。 人の身でありながら神の領域に踏み入ろうとしている君がね。』


 言葉が途切れた瞬間になにやら目の前に黒い靄が襲いかかってくるように見えた。


「ご主人様!」

「セイジ様!」


 俺を守るかのようにその靄の前に立ち塞がるアリフレアとミルレの行動力に俺が反応できずにいた。 そして靄が2人に覆い被さった後に、俺達にも覆い被さる。


「アリフレア! ミルレ!」


 数秒間靄の中に入っていて、靄が晴れると、すぐに2人に駆け寄る。


『ふーん。 幼い子供に守られるって、君も大概酷くないかい?』

「やかましい。 好きで守られた訳じゃないわ。」

『でも2人同時ならそれはそれで好都合かも。』

「どういう・・・」


 意味だ。 と繋ぐ前に、先程の靄が2つの渦を巻いていた。 そしてあるものに象られていく。 その形とは・・・


「アリフレアに、ミルレ・・・」


 今両隣にいるはずの2人の影のような存在が目の前から現れた。


『良く言うじゃない。 どんなに優しい人にも必ず心の闇はあるって。 この靄はそれを具現化出来るものさ。 もっとも戦いには優れないけど、靄だから簡単には消えない。 本当は君の心の闇を移したかったんだけど、こうなったら仕方ないよね。』


 そう言ってその2つの靄からなにかが飛び出す。 俺に向かってきた、かと思いきや、後ろにいたアリフレアとミルレにその飛び出したものが繋がった。


『さっきも言ったけど、この靄には戦闘力がない。 だけど戦えない訳じゃない。 その意味は・・・君が一番分かってるだろ?』


 そう言うと靄はディスクを構える体勢になった。


「・・・なるほど。 次の相手になってくれるって訳か。」

『一応言っておくと、その2つの靄を倒すまではここから出られない仕組みにしておいたから。 それにその様子だと一対一はお望みじゃないようだし。 それじゃあその子達と楽しんでいなよ。』


 そうして神はまたしても消えていった。 どうやら一気に相手をするらしい。 アリフレアもミルレもカードゲームに関してはカンタやアリカよりも経験が少ない。 そんな2人が自分自身と戦うことになるのは、酷かもしれない。 しかし俺は2人の肩を優しく叩く。


「ご主人様?」

「セイジ様?」

「大丈夫だ2人とも。 仮に負けたとしても死ぬことはない。 いつもは少し線を引いている感じもあるからな。 相手が自分自身なら怖くはないだろ? 俺達が見守ってるんだ。 心配しないでやっておいで。」


 そう優しく言って、俺は半歩下がる。 2人は顔を見合わせた後に、互いに頷きあって、もう一人の自分と面を向かう。


「本当に良かったのか? あの2人に戦わせてしまって。」

「あの靄から発生したなにかで2人は繋がれている。 ここで俺達が下手に介入して、2人に危害が加わったら目も当てられないからな。 奴にとっての時間稼ぎと言えなくないが、死ぬこともないなら、あの2人が戦ってるのを見守っててもさして問題は無いだろうよ。」


 それで何かあった時は本気で奴を叩き潰そう。 そもそも仕掛けてきたのは向こうだ。 俺達はそれを止めに来たのだから、奴にはそこも覚悟して貰いたいものだな。


「しかしセイジ殿。 彼女達の戦いについては、拙者は分からぬで御座るが・・・勝てる見込みはあるので御座るか?」


 零斗さんの疑問も最もだ。 なのだが・・・


「・・・そこに関しては正直俺も分からない。」

「分からない・・・か。 彼女達のデッキの構築はセイジが一番近くで見てきたのだろう? 分からないなんて事があるのか?」

「そうは言っても分からないものは分からないってベルジア。 アリフレアもミルレも、積極的にこのゲームをしたがらないから、なかなか把握できなかったんだよ。」

「となれば、彼女達にとっては、大きな試練になりうるで御座るな。 我々といる以上はこのような場面に出くわすことは確定事項とも言える。 彼女達も戦えなければ、という思いで御座ろう。」

「・・・そんなことまで奴は考えないと思うんですけど。」


 だが心配するなと言った以上、こちらからの干渉は出来ない。 自分達の影と立ち向かうことが出来るのか。 2人とも、己の闇に飲み込まれるなよ。


「「さぁ、劇場を始めましょう。」」

なかなか表立って戦わない2人ですが、今回は触れていきます。


なるべく短めに決着はつけるつもりです。


「つもり」なので何時ものごとくどこまで延びるか分かりません

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