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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
241/262

差をつけるのは

「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 アリカのターンが再び回ってくる。 この数ターンで分かったのは、アリカには本の少しだけ戸惑いが残っているということ。 敵という認識に割り切れていないのだ。


 そう思うのは無理もない。 たった数時間の出会いだったが、カンタの人柄を知っているだけに、対面するのは心苦しいだろう。 その辺りも狙ってカンタを操ったとも言えるが。


「私はコストを8支払い、「オーケスト・コントラバスティオン」を召喚するわ。」


『モンスター:オーケスト・コントラバスティオン レアリティ 紫 コスト 8

 種族 機械族

 このカードは戦闘を行った時、戦闘ダメージが発生しない代わりに相手のモンスターを破壊することが出来る。

 このカードの体力が3以下の時、この効果は使用できない。

 ATK 10 HP 7』


「更に私はコストを5つ支払って、魔法カード「チューニングドロー」発動。」


『魔法カード:チューニングドロー レアリティ 紫 コスト 5

 自分フィールドの全てのモンスターの体力を5減らすことで、減らしたモンスターの数だけドローする。』


「私はコントラバスティオン、サックスロット、バイオリーナの体力を支払って、カードをドローするわ。」

「それに合わせて僕はコストを3つ支払い、インタラプトカード「環境協調」を発動。 相手がカード効果でドローする時、同じ枚数カードをドローする。」


 これでお互いに3枚ドローしたことになる。 仕切り直しか新たな展開か。 どちらにしろ、まだこの戦いは終わらないと言うことだ。


「コンバットタイム! サックスロットでダンプエレファントを攻撃!」


 ダンプエレファントを倒さなければこの局面を変えられないと考えたのだろう。 サックスロットの攻撃が波となってダンプエレファントに襲い掛かる。


「僕はコストを4つ支払い、インタラプトカード「我慢」発動。 これによってダンプエレファントは戦闘では破壊されない。」

「でもサックスロットの攻撃はまだ残ってる! サックスロットでアンティークビーストに攻撃!」


 アンティークビーストはなにも出来ずに破壊されていく。 体力は同じなのでダメージには微々たるものだが、攻撃を行うモンスターが少なくなったのは功を奏しただろう。


「アンティークビーストの効果によって、僕はトルネードスタフィーをデッキから召喚する。」


『モンスター:トルネードスタフィー レアリティ 銅 コスト 10

 種族 魚族

 このカードが破壊された時、フィールドのモンスターの装備カードとなり、そのモンスターの攻撃力を3上げて、1ターンに一度、攻撃してきたモンスターの戦闘終了時に5のダメージを与える。

 ATK 0 HP 10』


「それならバイオリーナでダンプエレファントを攻撃!」


 ダンプエレファントを倒す一手にはならないが、少しでも倒しやすくするための布石だろう。 ダンプエレファントも傷つきながらも耐えていた。


「クールタイムに入り、私はエンディングを迎えるわ。」

「僕のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 ・・・この戦いももう終わりにしよう。」


 カンタがなにかを引いたようだ。 それがこの戦いを終わらせるカードなのだろうか。


「僕はコストを7つ支払い、魔法カード「呪縛解放」を発動。」


『魔法カード:呪縛解放 レアリティ 紫 コスト 7

 自分フィールドの装備カードを1枚破壊する。

 このターンのコンバットタイムを放棄する代わりに、相手に20のダメージを与える。』


「この効果で僕は「ナイトタイムブレード」を破壊。 そしてナイトタイムブレードに溜まっていた攻撃力とダンプエレファントの攻撃力を加えたダメージ、そして呪縛解放の効果を全部合わせたダメージを相手に与える。」

「全部って・・・合計80ダメージ!?」

「アリカ!」


 今まで溜め込んでいた力が、ナイトタイムブレードから解放される。 これが通ればアリカは負ける!


「っ! 負けられないよ! 私は自分のフィールドの「オーケスト・バイオリーナ」を捨て場に送る事で、魔法カード「波紋盾(リプルス・シールド)」を手札から発動するわ!」


『魔法カード:波紋盾(リプルス・シールド) レアリティ 銀 コスト 14

 このカードを使用したコンバットタイム時、相手は魔法、装備、領域、モンスターカードの効果を使用できない。

 また、相手からの効果ダメージが発生するとき、自分フィールドのコスト6以下のモンスターを1体捨て場に送ることで、手札からコストを支払わずに発動できる。

 この効果で捨て場に送ったモンスターの攻撃力の3倍分の効果ダメージを無効にする。』


 捨て場に送られたバイオリーナの攻撃力は8。 その3倍なので「24」の効果ダメージを軽減する。 しかしそれ以上は耐えられるわけもなく、容赦なくライフコアに直撃する。


「うっ・・・きゃあああ!」


 一気に半分以上のライフコアを削られて、アリカも立っているのがやっとなくらいに衝撃を受けてしまった。 アリカには強すぎる程に。 しかし何とか耐え忍んだ。 諦めきれていないアリカの執念からだろう。


「それでも倒しきれないか。 呪縛解放の効果によりコンバットタイムはスキップされる。 命拾いしたな。 だが次はない。 クールタイムに入り、僕はエンディングを迎える。」


 カンタの様子が色々とおかしくなったきた。 口調が強くなり、どうも見下したかのような言い方をしている。


「・・・」

「どうした? そっちのターンだ。 カードを引くなら引くんだ。」


 そして当たりまで強くなっている。 カンタの精神があの神によって蝕まれつつある。 下手をすれば今のカンタを打ち負かしたところで、洗脳が解けない可能性が大いにある。 今はそれがありありと見えているから。


 だが元々こういった事に慣れてない2人の争い。 特にアリカは女子であるし、ここまで敵意を向けられることもなかっただろう。 そんなアリカでも、戦う理由はあるはず。 そのなにかを掴めるのかどうかも、この戦いにはかかっているのかもしれない。


「・・・私の・・・オープニング・・・ドロー・・・プラポレーション・・・タイム。」


 喋るのもやっとなくらいにダメージを受けていると見える。 ライフも1/4を切っているので、ルール上はライフコアでのコスト補填が出来ない代わりに初期のコストコアが10増える仕様だ。 ここで手札のカードも兼ねて逆転の一手を引けたのだろうか。


「・・・私にとって、この戦いは、私にも人を救う力と、気持ちがあるのかを、確かめるのが、目的だった。」


 アリカはそう自分を説明した。 アリカはこの世界に来てからすぐに祀られて、守られる存在となっていた。 そしてそんな一面を払拭するために、俺達に見送られながら旅に出た。 それから一体なにを見てきたのかは分からない。 彼女の中のなにかはなにを訴えようとしているのだろう。


「それを今、証明する!」


 先程までボロボロになっていたとは思えない程に力強いその叫びで、彼女の中の勝利をもたらすカードが引けたことを意味していた。


「私はコストを18支払って、「オーケスト・オルガリア」を召喚!」


『モンスター:オーケスト・オルガリア レアリティ 金 コスト 18

 種族 機械族

 このカードの召喚成功時、自分フィールドのモンスターを全て破壊する。

 このカードの攻撃力は捨て場に存在する「オーケスト」モンスター×5とする。

 このモンスターはライフコアに直接攻撃できない。

 手札を1枚捨て場に送る事で、このカードの攻撃回数を増やす。

 このカードが戦闘を行う時、互いにインタラプトカードを使用できない。

 ATK ? HP 40』


 アリカのフィールドにいるモンスターの真下から現れたのは金属で覆われた立派なパイプオルガンだった。 まるでフィールドを埋め尽くさんとしているその大きさは図りしれない。


「そのモンスター1体でこの獣達に挑もうと言うのか。 少々気でも狂ったようだな。」

「そうでしょうか? このモンスターは複数回攻撃が出来るし、捨て場のモンスターが増えれば攻撃力が上がって、さらに自分で手札を捨て場に送れます。 この効果で終わらせて見せます。 この意味のない戦いに。 私はオルガリアの効果によって、手札を捨て場に送ります! これによってオルガリアは攻撃回数が増えました! コンバットタイム! 私の捨て場には「オーケスト」モンスターは5体。 よって攻撃力は25となります! 更に先程捨て場に送った魔法カード「エコールーム」の効果が発動します!」


『魔法カード:エコールーム レアリティ 銅 コスト 9

 次のターンまで自分フィールドのモンスターは効果では破壊されない。

 手札から捨て場に送られた時、戦闘ダメージが倍になる。』


「私はオルガリアでトルネードスタフィーを攻撃! そして互いに如何なるインタラプトカードも使用できません!」


 守るものがなければ倒されるだけ。 トルネードスタフィーは大音量のオルガンの音を肌で感じて、そのまま消滅していった。


「ぐっ! トルネードスタフィーの効果! 場にいるダンプエレファントの装備カードとなり、ダンプエレファントを守るのだ!」


 ダンプエレファントの周りを覆うようにトルネードスタフィーの竜巻が現れる。 だがたとえ攻撃を仕掛けてもトルネードスタフィーからのダメージは5。 オルガリアは崩れない。 そして手札を捨て場に送ったことで、オルガリアは再び攻撃が可能になる。


「私はオルガリアの効果を再度使用するわ! そしてダンプエレファントへ攻撃!」


 手札を再度捨ててダンプエレファントへ攻撃を開始したオルガリア。 前の攻撃でダメージとしてはかなり伸びているはずだ。


「っ! インタラプトカードが使えないのは厄介ですね! しかしこのダンプエレファントが倒されればオルガリア自身の効果でライフコアに直接攻撃が行かない。 これであなたのターンも終わりですよ。」

「ええ、確かにオルガリアの攻撃で終わるわ・・・あなたを倒して!」

「ははっ、なにを言って・・・」


「私は手札から捨て場に送った装備カード「椅子型譜面台」の効果を発動するわ!」


『装備カード:椅子型譜面台 レアリティ 銅 コスト 10

 このカードを装備したモンスターは、自分の体力を3削ることで、相手の全てのモンスターの体力を7減らすことが出来る。 この効果を使用した時、攻撃できない。

 このカードが手札から捨て場に送られたターンのコンバットタイム時、戦闘による破壊されるモンスターに装備され、そのモンスターは戦闘では破壊されない。』


「・・・なに!?」


 倒れかけていたダンプエレファントになにかが支えとなり、そのままダンプエレファントを倒さないようにしていた。 そしてこれがどういう事を意味するか。 オルガリアの効果で手札を捨て場に送ったので、攻撃回数が増えている。 しかもモンスターが残っているためオルガリアは攻撃が可能になる。


「私はオルガリアの効果を使って、手札を捨て場に送るわ。 これで本当に終わり・・・あなたを解放してあげる!」


 オルガリアの攻撃がダンプエレファントを通じてカンタのライフコアにぶつかる。


「うっ、うっ・・・うわぁぁぁぁぁ!」


 そしてその攻撃を受け続けて、ライフコアが「0」になった。


「クールタイムに入って、私はエンディングを迎えるわ。 ご静聴ありがとうございました。」

この話を一気に終わらせようと思ったら、何時もよりも文字数がオーバーしていました。


元々テンポ良く話を進ませる予定だったのですが、色々と考えている内に無理矢理な感じになってしまいました。

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