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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
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転生者VS転生者

 始まってしまった2つの戦い。個人的に言えば先に進むためにアリカに勝って貰いたいのだが、どちらもカードゲームに関して言えば初級者だ。 片や守られてきた転生者。 片や亜人と触れあってきた転生者。 戦い慣れしていない2人に俺はどうすることも出来ないのだろう。 目も当てられないような試合にならないことだけを祈るしかない。


 ダイスロールも終わり、先攻はカンタになったようだ。


「僕のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 先程まで一緒にいた人物とは思えない程の無気力具合。 魂でも抜かれたのではと心配になるくらいだ。


「僕はコストを4つ支払い、「ポイズンラマ」を召喚。 そしてフィールド上に獣族がいることにより、コストを5つにして、「ゼブレード」を召喚する。」


『モンスター:ゼブレード コスト 10 レアリティ 銅

 種族 獣族

 このカードは自分フィールドに獣族が存在するとき、コストを半分にして召喚できる。

 コンバットタイム時、このカードの攻撃力は自分フィールドの獣族モンスター×10上昇する。 ただしこのカードでのみの攻撃しか出来ない。

 他の自分フィールドのモンスターが攻撃を行った場合は、このカードは攻撃できない。

 ATK 0 HP 15』


 召喚されたのはたてがみがカッターナイフのように尖ったシマウマだった。カンタにしてはかなり攻撃的なモンスターである。


「クールタイムに入り、僕はエンディングを迎える。」

「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 アリカは俺達と別れてからしばらくは1人で旅をしていた。 その辺りで色々と見てきたものもあるだろう。 果たしてどうなるか。


「私はコストを7つ支払い「オーケスト・トランペリタ」を召喚。 更にコストを6つ支払い、「メタロフォント」を召喚。」


『モンスター:メタロフォント レアリティ 紫 コスト 6

 種族 機械族

 このカードは攻撃を行う時、コイントスを行う。 表裏を当てれば攻撃力が5上がり、外れれば5下がる。

 ATK 10 HP 10』


 アリカの新たなモンスターは前に見たものとは違う鉄琴だった。 元々音楽関連をやっていた彼女らしいチョイスだ。 それにギャンブル精神なのも、新たな彼女の成長であるだろう。


「コンバットタイム。 私はトランペリタでポイズンラマを攻撃。」


 最初に鉄琴で攻撃しないのは様子見を兼ねての事だろう。 それにトランペリタは2回攻撃が出来る。 牽制には最適だ。

 まずは攻撃が通る。 ポイズンラマの方が体力は上なので倒れることはないが、次の攻撃も残っている。


「もう一度トランペリタでポイズンラマに攻撃。」


 これでなにもなければポイズンラマは破壊されてしまうが、

「僕はコストを4つ支払って、インタラプトカード「ゼロ・ウォール」発動。」


『魔法カード(インタラプト):ゼロ・ウォール レアリティ 水色 コスト 4

 自分フィールドのモンスターはこのコンバットタイム時、戦闘では破壊されない。 攻撃した相手モンスターは戦闘終了後、攻撃力を0にする。』


 そう簡単にはやらせないと、カンタも反応をしてくる。


 トランペリタの波状攻撃はポイズンラマの前に出た壁を通過することはなかった。 そして攻撃が終わったトランペリタの攻撃力は0となる。


「この時私の手札にある「オーケスト・バイオリーナ」の効果が発動して、このカードを召喚するわ!」


『モンスター:オーケスト・バイオリーナ レアリティ 水色 コスト5

 種族 機械族

 自分フィールドの「オーケスト」モンスターが、相手モンスターを破壊出来なかった時、手札からコストを支払わず召喚出来る。

 ATK 8 HP 6』


 そうして魔方陣からバイオリンが現れた。 なるほど。 トランペリタは2回攻撃できるものの、その威力は微々たるもの。 ならば破壊できないことも当然ある。 それを補うためのバイオリーナって訳だ。


「クールタイムに入り、私はエンディングを迎えるわ。」


 そして追撃は行わない。 「ゼロ・ウォール」が発動しているので、攻撃をすればその後の攻撃が出来なくなる。 アリカは賢い選択をした。


「僕のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 僕はコストを4つ支払って、「リトルエレファント」を召喚。」


『モンスター:リトルエレファント レアリティ 水色 コスト 4

 種族 獣族

 ATK 0 HP 3』


 カンタが召喚したのは小型の象。 しかし効果は書かれていない珍しいモンスターだ。


「あのモンスターは・・・」


 しかし俺は知っている。 あのカードはただの低コストモンスターで無いことを。


「僕は手札の魔法カードを捨て場に送って、「ポイズンラマ」の効果を発動。 相手のライフコアにダメージを与える。」


 淡々と効果などを発動しているカンタの言葉には感情が籠っていない。 恐らくはあの神に操られているかのようだからか、まるで機械人形(オートマタ)である。


「そしてリトルエレファントがフィールドに存在する状態で、手札を捨て場に送ったことにより、僕はデッキから「ダンプエレファント」を召喚する。」


『モンスター:ダンプエレファント レアリティ 桃 コスト 10

 種族 獣族

 自分の手札を捨て場に送る効果を発動した時、デッキから召喚できる。

 自分フィールドに「リトルエレファント」が存在する時、コストを支払わず召喚出来る。

 この効果で召喚されたこのモンスターの攻撃力は0となる。

 ATK 12 HP 15』


 リトルエレファントはただの布石。 こっちの大型モンスターを出すためにいるようなものだ。 しかしこのカードを見た時は、カンタのデッキには合わないのではと思っていたが、効果を考えれば納得は出来た。

 カンタのフィールドには攻撃力0の獣族モンスターが4体。 形勢は向こう側が上だ。


「コンバットタイム。 ゼブレードの効果発動。 このカード以外のモンスターの攻撃を放棄する代わりにゼブレードの攻撃力を自分フィールドの獣族の数×10にする。 獣族モンスターは4体。 よって攻撃力は40となる。 ゼブレードでメタロフォントに攻撃。」


 その宣言と共にゼブレードは一気にたてがみを前にしてメタロフォントに向かって駆け出していく。 本来シマウマはそこまで攻撃的ではないのだが、これはカードゲームでの話なので関係はない。 しかしこの攻撃が通ればアリカは大ダメージを受けてしまう。

「私はコストを4つ支払い、インタラプトカード「四分休符」を発動するわ!」


『魔法カード(インタラプト):四分休符 レアリティ 水色 コスト 4

 戦闘を行っているモンスターの攻撃力を1/4にする。』


 ふむ。 単純だけど効果はてきめんだろう。 これでメタロフォントは破壊されるが、ダメージまでは受けない。 そしてゼブレードの効果でこれ以上カンタは攻撃できない。 互いに能力を引き出し合っている。


「クールタイムに入り、僕はエンディングを迎える。」

「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 アリカのフィールドにはモンスターが2体。 だがトランペリタは前の攻撃で攻撃力を失い、バイオリーナは火力が足りない。 相手の4体のモンスターにどう立ち向かう?


「私はコストを8つ支払い、「オーケスト・サックスロット」を召喚するわ。」


『モンスター:オーケスト・サックスロット レアリティ 桃 コスト 8

 種族 機械族

 このカードの召喚に成功した時、自分フィールドに存在する「オーケスト」モンスターを1体、捨て場に送る事で、そのモンスターの効果を得る。 このカードが効果により破壊された時、このカードの効果で捨て場に送ったモンスターを、自分フィールドに召喚する。

 ATK 15 HP 8』


「サックスロットの効果で、私はトランペリタを捨て場に送る。 そしてトランペリタの効果を受け継ぐ。」


 これならトランペリタをただ残しておくこと無く処理できて、更にパワーアップも出来るという訳だ。


「コンバットタイム! 私はサックスロットでダンプエレファントに攻撃!」


 サックスロットから吹かれる音楽がダンプエレファントの耳に届く。 そしてサックスロットの音色で眠りについたのだろう。 足元からゆっくりと体を縮めていき、最後には小さく丸くなり消滅をしていった。 なんか幻想的な倒され方だな。


「まだよ! サックスロット! 今度はゼブレードに!」


 サックスロットは先程と同じことを繰り返し、ゼブレードも消滅する。 互いに攻撃力と体力が同じなのでダメージは無いものの、体力が高い2体を倒せたのは戦局的には大きく動いたことだろう。


「バイオリーナでリトルエレファントに攻撃!」


 そして最後のバイオリーナもリトルエレファントを消滅させる。 そしてそのダメージをカンタは受けた。


「クールタイムに入り、私はエンディングを迎えるわ。」


 この勝負、どちらに転んでもおかしくない現状。 カンタの意志が戻る可能性が低いことを考えれば、アリカには心苦しいが頑張ってもらうしかない。 なんとかこの場を勝利で飾ってくれ。

現状

カンタ ライフコア 91

ポイズンラマ


アリカ ライフコア 93

オーケスト・サックスロット

オーケスト・バイオリーナ

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