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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
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3つめのスキル

「あいつ、なんだか自信がついてきたんじゃないっすか? 師匠。」

「自分の思い通りに動けば、それだけ答えてくれるし、自分のやり方を証明できているからな。」


 ファルケンの思ったことに俺も賛同した。 今のカンタから滲み出る雰囲気は、戦う前とは明らかに変わっていた。 表情の変化は乏しいが、自分のやることに対して、迷いが少なくなっているように見えた。


「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 ふん。 少しは考えようだが、その程度で俺を倒せると思うなよ?」


 その言葉に対してはカンタにかなり叩き込んだ。 主にメンタル面で。 だからその程度の威嚇には怯まない。


「俺はコストを15支払い「インスピレーションバイブレーダー」を召喚。」


『モンスター:インスピレーションバイブレーダー レアリティ 銀 コスト 15

 種族 悪魔族

 このカードが存在する時、自分フィールドのモンスターの数が、相手フィールドのモンスター以上だった場合。 戦闘ダメージは2倍になる。

 このカードが戦闘を行う場合、自分フィールドのモンスター1体を捨て場に送らなければ攻撃できない。

 このカードと戦闘を行う場合、相手モンスターは戦闘では破壊されない。

 このカードが戦闘及び効果で破壊された場合、相手のフィールドのモンスター攻撃力を0にする。

 ATK 21 HP 15』


「はっ。 いくらモンスターが増えようが、効果で破壊されなかろうが、ライフコアが0になればそこまでよ。 烏合の衆が束になろうと、強大な力には勝てないと言う事だ。」


 言っている事は間違いではないし、力こそ正義と言えばそれまでだろう。 だがそんなことでは本当の意味での勝ちではないことをカンタは知っている。 いや、俺が知らしめたんだ。 あいつが表立って出れなかったのは、自分には強大な力が存在していないものだと思い込んでいたからだ。 だから俺は背中を押すことにした。 負けない自信がお前にはあるとカンタに刷り込ませたようなものだしな。


「コントラストトレーダーの効果発動! このカードの戦闘を放棄するかわりに、場のインスピレーションバイブレーダーの攻撃力を上げる! その後相手は1枚ドローすることになるが、インスピレーションバイブレーダーの効果を合わせればお釣が返ってくる。 引きな。」


 カンタはカードをドローする。 これでカンタの手元に手札が増えたわけだが、このターンを凌ぐことは出来るだろうか。


「いくぞ! コンバットタイム! ナンバードトレーダーでオルストログッピーを攻撃!」

「オルストログッピーの効果。 このカードが戦闘対象になった時、その対象を他のモンスター、ポイズンラマに変更する。」


 攻撃が逸れてポイズンラマに当たるが、ナンバードトレーダーの攻撃力ではポイズンラマを破壊できない。 だが狙いはそこではないだろう。


「ナンバードトレーダーの効果! ポイズンラマは再び頂く。 そしてそのラマを糧にして、インスピレーションバイブレーダーでクラウディア・ロンディーネに攻撃!」

「・・・っ! 僕はコストを8つ支払って、インタラプトカード「ゼロバリア」発動!」


魔法(インタラプト):ゼロバリア レアリティ 紫 コスト 8

 自分フィールドに攻撃力が0のモンスターが2体以上いる時、自分の受けるダメージを0にする。』


「はん! ダメージを無くしたって、お前のお仲間は消えるんだぜ? そらいけ!」


 インスピレーションバイブレーダーの攻撃がクラウディア・ロンディーネに襲い掛かる。 ダメージは無くなるが、モンスターがいなくなっていく。


「まだまだ行くぜ! カンージョーでスリープシープを攻撃!」


 勢い任せでスリープシープもやられてしまう。


「スリープシープの効果によって、次のコンバットタイム時までカンージョーは攻撃できない。」

「そんなの知らねぇなぁ。 クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。 フィールドのモンスターは圧倒的に俺の方が上になった! この状況でもまだ戦う勇気があるってのか? あぁん!?」


 奴の言う通り盤面としてはカンタが圧倒的に不利。 残っているのもオルストログッピーだが、あのモンスターは他に対象が居なければ発揮されない能力である。 しかし俺はこれもカンタに教えたことの一つの中にある。


『カンタ。 カードゲーム何て言うのは時の運もある。 前回引けていたカードが引けなくて負ける何て言うのは茶飯事だ。 だけど決定的でなければ巻き返すことは出来る。 それがカードゲームってものだ。』


「僕のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」

「はん! 立ち向かってくる根性だけは認めてやる。 だがこの状況はどう足掻いても覆せないぜ! ははははは!」


 煽られていてもカンタは冷静そのものだった。


『どんなものにでも勝ち負けがある。 そして勝ち誇っている奴ほど、相手を蔑む気持ちになりやすい。 精神論で言えば、そこが一番の油断になりやすい。』


 引いたカードを確認したカンタは密かに笑い、こう呟いているように見えた。


『相手が勝ち誇った時、そいつは既に敗北している。』と。


「僕はコストを18支払って「超獣の王 イオライオ」を召喚!」

『モンスター:超獣の王 イオライオ レアリティ 金 コスト 18

 種族 獣族

 このカードはコンバットタイム時、自分の捨て場に存在する攻撃力0のモンスターの数だけ攻撃力を15上昇させる。

 このカードが戦闘を行ったエンディング時、デッキの一番上のカードを確認する。 そのカードがモンスターだった場合、捨て場に送り、それ以外だった場合、デッキの一番下にカードを置く。

 このカードが相手モンスターの攻撃対象になった時、体力が半分になる。

 ATK 0 HP 60』


 現れたのは気高く吠えるライオンの姿。 百獣の王が降臨した瞬間だった。 攻撃力が0なのにはデッキのコンセプトに沿ったからであろう。 だが、今回ばかりは違うようだ。


「コンバットタイム! 僕は超獣の王 イオライオでインスピレーションバイブレーダーを攻撃! この瞬間、イオライオ自身の効果発動! 攻撃を行うとき、自分の捨て場の攻撃力0のモンスターの数だけ攻撃力を上昇させる! 僕の捨て場にいる攻撃力0のモンスターの数は4体! よって攻撃力は「60」となる!」


 インスピレーションバイブレーダーを倒すのは恐らく今後の驚異を無くすためだろう。 だが攻撃力と体力の差のダメージは十分だ。 戦局として長引こうとも次のターン、相手は簡単にはカードを運用出来ない。 これなら


「そうは行くか! 俺はコストを4つ支払い、インタラプトカード「生きるための損害」発動!」


『魔法カード(インタラプト):生きるための損害 レアリティ 水色 コスト 4

 自分フィールドのモンスター2体の効果を無効にして、攻撃力を0にすることですることで、モンスターの戦闘破壊を無効にする。』


「俺は代償として、カンージョーとナンバードトレーダーを捧げる!」


 インスピレーションバイブレーダーの前に2体のモンスターが立ちはだかり、イオライオの爪の餌食になるが、致命傷は避けていた。 だが立っていられ

 ない程のダメージを受けてその場に倒れこんだ。

「味方を盾に・・・でも、ライフコアへのダメージは受けて貰うよ!」


 ぶっ飛んできた血飛沫がライフコアに直撃する。 半分以上を一気に削った。 数の有利は無効にあるが、イオライオが守ってくれる。


「クールタイムに入って、僕はエンディングを迎えるよ。」

「俺のオープニング、そしてドロー。プラポレーションタイム。 よくも俺のライフコアに傷をつけたな。 誉めてやるよ。」


 誉めているのか貶しているのか分からないその言葉に、何かあるのかと疑う。 いや、試合はまだ終わっていない。 なにをしでかすか予測が出来ないぞ。


「くくくくくっ。 いいよなぁ。 死んでいった仲間のために立ち向かう王・・・くくくくくくくっ。」

「なにがおかしいのかな? それにイオライオは仲間の意思を受け取っているんだ。 勝手に殺さないでよ。」


 相手の挑発にも過剰な反応はしていない。 そうだ。 どんな状況でも心を乱せば付け入られる。 最後まで油断するなよ。 カンタ。


「ああそうさ。 別に死んでなんか無い。 けどなぁ。消えていった奴らの意思なんか、俺には知ったこっちゃねぇんだよ。」

「・・・そうだろうね。 あんたは命を道具としか思っていない。」

「そうさ! 亜人は利益をくれる道具さ・・・くくくくくっ。 それを証明してやるよ・・・」

「なにを・・・」

「俺はコストを6支払って「マリオネットヤーン」を発動! お前のそのライオン、俺の勝利の糧にしてやるよ!」

「なっ!?」


 やられた! ここで無条件のコントロール権の奪取か! どうやら対処カードが無いようで、イオライオは奪われてしまう。


「くくくくくっ。 おい、忘れた訳じゃねえよな? 俺にはコントラストテイマーがいる。 その効果で俺はライオンの攻撃力をあげる! そしてコストを3つ支払い、魔法カード「増強」! 攻撃力を2倍にする! そしてコンバットタイム! ライオンでその小魚を攻撃する! これが通ればお前は完全に終わりだ!」


 確かにこれが通ればインスピレーションバイブレーダーとの相乗効果で完全敗北が決定する。 だがコントラストテイマーの効果で引いたカードも、攻撃を止める手段は無いようだ。


「ははははは! これが力よ! この国は俺のものだ!」

「・・・なんで・・・こんなことを・・・僕は・・・みんなと平和に生きたかっただけなのに・・・」


 カンタの虚しい嘆きも聞こえなくなる程に、状況が絶望的なのは明らかだった。 俺も目を逸らさざるを得なかった。 すまない・・・カンタ。 お前の力を、もっと引き出せていれば、こんなことには・・・


「僕が負けたら、この国の亜人達は、居場所が無くなる・・・ 止めてよ、そんなこと。 そんなことをするために、生きている訳じゃないのに、こんなの・・・こんなのって・・・」


 そしてイオライオはグッピーに対して爪を立て


「こんなの、止めさせてよ!」


 攻撃が通るかと思った瞬間、光に包まれた。 しばらく光った後に現れた光景は・・・イオライオが相手のフィールドに戻っている場面だった。

なにが発動したのか、次回にご期待下さい


※現状を書かないのは次回で決着が着くからです。 面倒だからではありません

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