0は0なりに
「僕のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」
「セイジ殿。 汝はカンタ殿の山札の内容は知っているで御座るか?」
「ええ。 なんでしたら、俺がアドバイスもしてあげましたよ。 勝てるようにね。」
「師匠の教えがあれば、どんな敵でも対応できるッスね。」
「後は彼次第、というところか。」
ここから先は彼の頑張りに賭けるしかない。 自分で言っておいて何だが、初戦の相手にしては分が悪い可能性もある。
「僕はコストを4つ支払って、「ポイズンラマ」を召喚。」
最初の召喚は紫色をしたラマである。 ポイズンなだけあるな。
「装備カード「回収の手錠」の効果により、そのモンスターを貰う。」
これによってポイズンラマは向こうのフィールドに行くこととなった。 さぁここからどうする?
「僕はコストを6支払って、「カエシノオウム」を召喚するよ。」
『モンスター:カエシノオウム レアリティ 紫 コスト 6
種族 鳥獣族
このカードに対して、モンスター効果が発動した時、効果を発動したモンスターも同じ効果を受ける。
ATK 0 HP 8』
「攻撃力0・・・初めて見たかもしれないな。」
ベルジアがそう言うってことは、この世界では攻撃力0はまず無いことになるだろうな。 攻撃力が無ければモンスターを倒せない訳だし。
「更にコストを4つ支払って、装備カード「ゼロタグ」をカエシノオウムに装備するよ。」
『装備カード:ゼロタグ レアリティ 水色 コスト 4
このカードは元々の攻撃力が0のモンスターにしか装備できない。
装備されたモンスターが戦闘及び効果で破壊された場合、破壊されたモンスター以外の攻撃力0のモンスターを、コストを支払わずに捨て場から召喚する。』
「クールタイムに入り、僕はエンディングを迎える。」
「回収の手錠の効果によりお前のモンスターは元に戻る。 はん。 なんの役にも立たなかったわ。 ま、次に期待するか。 俺のオープニング、そしてドロー、プラポレーションタイム。」
さて、今までの奴隷商人関連なら、数を増やすのは鉄板だ。 モンスター然り手札然り。 これはある意味基礎とも言える。 今回はどうだろうか。
「俺はコストを9つ支払い、「コントラストテイマー」を召喚。」
『モンスター:コントラストテイマー レアリティ 桃 コスト 9
種族 悪魔族
自分のプラポレーションタイム時、このカード以外の自分フィールドのモンスター1体の攻撃力を、選択したモンスターの体力の半分だけ上げる。 その後相手は1枚ドローする。 この効果を使用したこのモンスターは、コンバットタイム時に攻撃できない。
ATK 12 HP 10』
モンスターによってはかなり強力なカードが出てきたな。 しかしコントラストテイマーがカンージョーの攻撃力を上げたところであまり意味はないだろうと考える。 となると
「俺は更にコストを7つ支払い「ナンバードトレーダー」を召喚。」
『モンスター:ナンバードトレーダー レアリティ 桃 コスト 7
種族 悪魔族
相手が攻撃をしてきた時、戦闘対象をこのモンスターに変更する。
このモンスターと戦闘を行ったモンスターは、エンディング時にそのモンスターを自分フィールドに配置し、自分のエンディング時に、所有者に戻す。
ATK 3 HP 20』
あくまでも奪うことは変わらないのか。 向こうはモンスターは3体。 たとえコントラストテイマーの効果を使ったとしてもかなり有利な上に、攻撃力を上回るのは容易だ。
「コントラストテイマーの効果を、ナンバードトレーダーに使用してからコンバットタイム。 俺はナンバードトレーダーでカエシノオウムを攻撃!」
「僕はコストを5つ支払うことでインタラプトカード「スケープガード」発動。」
『魔法カード(インタラプト):スケープガード レアリティ 水色 コスト 5
自分フィールドのモンスターを1枚捨て場に送ることで、このターン攻撃力が0のモンスターが戦闘破壊された後、ダメージを0にし、コンバットタイムを終了させる。』
「僕はコストとして、ポイズンラマを捨て場に送るよ。」
ポイズンラマが捨て場に送られて、その後にカエシノオウムも破壊される。 これによってコンバットタイムが強制的に終わる。
「カエシノオウムに装備されていた「ゼロタグ」の効果により、僕はポイズンラマを召喚するよ。」
そして捨て場に送られたポイズンラマが復活してきた。
「なかなかに策士で御座るな。 割込札との相性が良い。 いい札を引いたもので御座る。」
「それを操れるのも凄いっすよ。 師匠からは初心者に近いと言ってたのに・・・って師匠が教えてるなら不思議じゃなかったっすね。」
「・・・正直苦労したぜ。 カードに対して情が入るのは仕方ないことだったけどさ・・・」
まさかそうまでして戦闘を避けたいのかと言わんばかりに、カンタが引いたモンスターカードのほとんどが攻撃力「0」というものばかりだった。 確かにそう言う性格として生まれ持ったということで、反映されているものではあるが、だからって全部攻撃力「0」ってなかなか無いと思った。
そこで目を付けたのがモンスター以外の部分だ。 俺はカンタのデッキをどちらかと言えば魔法寄りの構築にしてある。 その方がカンタのデッキにあったからだ
「ちっ。 これ以上攻撃できねぇ。 クールタイムに入り、エンディングを迎える。」
「僕のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 僕は手札の魔法カードを捨て場に送ることで、ポイズンラマの効果を使用する。」
ポイズンラマは口を動かしたかと思えば、敵のライフコアに、紫色の唾を吐き捨てた。 そう言えばラマって何かの拍子に唾を吐くらしいっけ?
「そしてポイズンラマの効果で送った魔法カード「世話やりの恩返し」を発動するよ。」
『魔法カード:世話やりの恩返し。 レアリティ 桃 コスト 10
このターンのコンバットタイム時のみ、自分フィールドのモンスター1体に、フィールド全てのモンスターの攻撃力を上乗せする。
このカードが手札から捨て場に送られた時、カードを2枚ドローする。』
「僕はデッキからカードをドローする。 そしてコストを7つ支払い、魔法カード「群れる大自然」を発動。」
『魔法カード:群れる大自然 レアリティ 紫 コスト 7
自分フィールドのモンスターと同名カード、もしくは同じ種族のモンスターをコストを支払わずに手札、デッキから3体まで召喚できる。 ただしこの効果で召喚できるモンスターのコストは7以下とし、このターンのコンバットタイムでの戦闘は行えない。』
「来て! 「スリープシープ」、「オルストログッピー」、「クラウディア・ロンディーネ」!」
『モンスター:スリープシープ レアリティ 水色 コスト 4
種族 獣族
このカードと戦闘を行ったモンスターは次のターンのコンバットタイムに攻撃を行えない。
ATK 0 HP 4』
『モンスター:オルストログッピー レアリティ 水色 コスト 5
種族 魚族
このカードが攻撃対象となった時、他の自分フィールドのモンスターに対象を変更できる。
ATK 0 HP 2』
『モンスター:クラウディア・ロンディーネ レアリティ 紫 コスト 7
種族 鳥獣族
このカードがフィールドに存在する限り、鳥獣族は効果の対象にならない。
ATK 0 HP 6』
こうして新たなモンスターがフィールドに召喚される。 だが
「装備カード「回収の手錠」の効果で俺はスリープシープを選ぶ。 攻撃力0をいくら並べようがモンスターを倒せなきゃ意味ないよな!? そんな雑魚どもで一体何をしようってんだ? おめぇはよぉ?」
「うん。 僕もこのままじゃ、攻撃なんて通らないのは知ってるよ。」
そう、このままでは何にもならないのはカンタも承知の上。 だからこそ、このデッキの真の恐ろしさが滲み出る。
「僕はコストを8つ支払って、領域カード「非戦闘要員一斉保安所」を発動するよ!」
『領域カード:非戦闘要員一斉保安所 レアリティ 桃 コスト 8
このカードが存在する時、攻撃力0のモンスターの数に応じて、以下のカード効果を得る。
1体以上:自分フィールドのモンスターは効果によって破壊されない。
2体以上:ライフコアを5支払うことでカードをドローする。
3体以上:自分フィールドのモンスターの体力の合計分のダメージを相手のライフコアに与える。 この効果を使用したターン、コンバットタイムは行えない。』
現れたのは牧場のような場所で、守りがガッチリと固められていた。 これがカンタのプレイスタイル。 攻撃を行えないなら、行えないなりに相手にダメージを与えればいい。 とはいえこれはあくまでも1つのやり方に過ぎない。 まだ序の口とも言えよう。
「僕は領域カードの効果を使い、3体のモンスターの体力の合計のダメージを与える!」
エネルギーかなにかが発生し、相手のライフコアにぶつかる。 ダメージは18。 そこそこ大きい数字が相手に当たった。
「この効果を使用した事で、コンバットタイムは行われない。 クールタイムに入り、僕はエンディングを迎える。 さあ、僕の仲間を返してよ。」
そうしてスリープシープが返ってくる。 これに対してどう相手が動くのか、戦局が揺らいだ瞬間だった。
現状
マーチン ライフコア 73
仲介役商人 カンージョー
コントラストテイマー
ナンバードトレーダー
カンタ ライフコア 93
ポイズンラマ
スリープシープ
オルストログッピー
クラウディア・ロンディーネ




