奪われる前にやるだけ
ベルジアの闘争本能に本格的に火が着いた。 有利か不利かと言われればおそらくは不利よりだろう。 だが一度着火した炎は、早々には消えやしない。
「私はコストを5つ支払い、魔法カード「竜血の宝札」を発動する。」
『魔法カード:竜血の宝札 レアリティ 水色 コスト 5
自分フィールドの竜族モンスターの攻撃を放棄する代わりに、自分はカードを2枚ドローし、その後手札を1枚捨て場に送る。』
「私が攻撃を放棄するのはバリスタワイバーン。 私はカードを二枚引き、そして手札の1枚を捨て場に送る。」
手札は3枚。 そして送ったのは手札公開されていた魔法カード。 引いたカード以外にはまだもう一枚ある。
「私はコストを12支払い、「龍神の使い魔」を召喚する。」
『モンスター:龍神の使い魔 レアリティ 銅 コスト 12
種族 アンチマン
このカードの召喚に成功した時、このカード以外の自分フィールド上のモンスター全てに6のダメージを与える。 その後に攻撃力を10上げる。
このカードのコンバットタイム時、自分は手札を1枚捨て場に送らなければ攻撃できない。
このカードがフィールドを離れた時、自分フィールドのモンスター全てはHPが6回復する。
ATK 18 HP 8』
龍神の使い魔が召喚された瞬間に、バリスタワイバーンと竜騎手に雷が落ちる。 体力は減ってはいるものの、その分の攻撃力の見返りはでかいだろう。 具体的に言えば攻撃力を奪われた上でも、元々の攻撃力よりも上がっていたりする。 元々は攻撃力を下げられないまま使いたかったのだろうが、そればかりは文句は言えないだろう。
「バリスタワイバーンの効果発動。 攻撃できない代わりに相手のライフコアに攻撃力の半分のダメージを与える。 今の攻撃力は17。 なので8ダメージを受けて貰うぞ。」
小数点切り捨てでダメージは落ちているが、それでもダメージには変わりない。 ベルジア自身もかなり変化があったと俺も感じる。 会ったばかりのベルジアでは、火力には長けるが、そればかりに執着していたからか守りが薄かった。 バーンカード混じりになったのは1つの成長点ではあると思う。
「コンバットタイム! 私は竜騎手と使い魔でバウンディシーフに攻撃!」
竜騎手は使い魔と共に攻撃を仕掛ける。 本来ならばあり得ないであろう光景でもこの場では仕方のないこと。 しかし体力的に考えればバウンディシーフの方が上。 2体の攻撃でボロボロになりつつもまだ立ち上がっている。
「っ。 仕留めきれない・・・手札にもこれ以上出来ることもない・・・クールタイムに入り、エンディングを迎える。」
「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 さて、バウンディシーフの効果を発動しようか。 一回目は左で魔法カード。 二回目はモンスターカードとしよう。」
「・・・一回目は当たりだ。 二回目は装備カードだ。」
流石に何度も繰り返していれば手元に何が残るか大体の想像が付いてくるのだろう。 そして奪ったカードを見ている。
「・・・ちっ。 使えないカードを貰ってきたか。 まあ仕方ない。 俺はコストを6つ支払い、「ワンタップディーラー」を召喚。」
『モンスター:ワンタップディーラー レアリティ 紫 コスト 6
種族 悪魔族
このカードはコンバットタイムを行えない。
このカードがフィールドに存在する限り、自分はドロータイムに2枚ドローする。
ATK 1 HP 9』
ディーラーの効果によって、奴は次のターンからドロータイムに2枚カードを引く。 それはディーラーがフィールドから離れるまで行われる。 アドバンテージは向こうが上になった。 しかも相手のカードを使用したりするのでそこそこ達が悪い。
「更に手札からコストを4つ支払い、装備カード「クラッシュドロー」をワンタップディーラーに装備させる」
『装備カード:クラッシュドロー レアリティ 水色 コスト 4
ドロータイム以外でドローが発生する時、相手は手札を1枚捨て場に送る。 この効果は相手のターンでも発生する。』
手札破壊までしてくるのか。 これは敵も簡単にはやらせてはくれないようだ。
「コンバットタイム。 バウンディシーフでバリスタワイバーンに攻撃。 そいつは役に立ったが、残すと面倒なんでな。」
攻撃力は越えているし、なんだったら龍神の使い魔で体力はかなり落ちている。 この攻撃は食らうしか無いだろう。
「くっ・・・私はこの時に、捨て場に存在する「挫けぬ誇り」を発動させる。」
『魔法カード:挫けぬ誇り レアリティ 紫 コスト 6
自分フィールドのモンスターを選択して、そのモンスターはこのターン、効果では破壊されない。
捨て場に存在する時、戦闘破壊を無効にする。 この効果はカードバトル中1度しか発動出来ない。
最初の効果を使用したターンでは使用できない。』
先程手札公開された後に捨て場に送ったカードだ。 使うタイミングが難しく、手札でバレていたのでそのまま奪われるだけかと思ったが、しっかりとその後の対策も出来ていたみたいだ。 例え捨て場に送られても、送られた先で効果を使用できるのであれば手元には干渉しない。 これも俺達と共に旅をした経験からだろうか。
「だがダメージは入るぞ。」
バウンディシーフの攻撃はそのままバリスタワイバーンを貫いたかと思えば、ギリギリの所でバリスタワイバーンは耐えていた。 が、その衝撃がベルジアのライフコアに直撃した。 だがバリスタワイバーンがやられたわけではない。 優位は変わっていない。
「クールタイムに入り、エンディングを迎える。」
ライフコアがあるからか、それともまだ策があるからか、相手が慌てる様子はない。 向こうの取り巻きも、何かをする度に出していた黄色い声援を止めて見ていた。
「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 私はコストを9つ支払い、装備カード「竜の涙の耳飾り」を竜騎手に装備する。」
『装備カード:竜の涙の耳飾り レアリティ 桃 コスト 9
このカードを装備したモンスターがいる状態で自分が「竜族」モンスターを召喚した時、このカードと装備モンスターを捨て場に送ることで、召喚したモンスターに「戦闘及び効果で破壊されない」を付与する。
このカードが捨て場に送られた時、自分のライフコアを10回復する。』
「私はコストを15支払い、「スプレットレックス」を召喚する。 そして竜の涙の耳飾りの効果を発動! このカードと装備モンスターである見習い竜騎手を捨て場に送り、スプレットレックスに効果を付与する。」
これでベルジアのフィールドにはかなり強固な攻撃力と防御力を持ったモンスターが誕生した。 俺もあいつには滅茶苦茶痛い思いをさせられたな。 いい思い出だぜ。
「コンバットタイム! バリスタワイバーンでバウンディシーフに攻撃!」
バウンディシーフの体力は風前の灯火。 その一撃だけでも十分に倒せることだろう。 そしてそのままバウンディシーフが破壊されると共に、ライフコアにダメージが入るのだが、
「俺は手札の魔法カード「痛みの分散」を発動する。」
『魔法カード(インタラプト):痛みの分散 レアリティ 桃 コスト 9
手札を1枚捨てることで、次の相手のコンバットタイムまで戦闘及び効果ダメージを半分にする。
現体力が3以下のモンスターが戦闘で破壊された時、このカードはコストを支払わずに使用できる。』
なるほど。 攻撃力が高いモンスターと体力の差が大きい時に使用すればダメージが抑えられる算段か。 だが半分にしても痛手には変わりない。 それにバウンディシーフがやられたことによって、今後手札を確認されることもなくなった。
「まだ行くぞ! スプレットレックスでワンタップディーラーに攻撃!」
これまた勢い良く突進していくスプレットレックス。 このモンスターが通れば優位性は大きく傾くが。
「俺はコストを6つ支払い、インタラプトカード「衝撃緩和」を発動。 これにより現在のHPを半分にする事で、選択したモンスターはこのコンバットタイム時、戦闘では破壊されなくなる。」
「だがダメージは受けて貰うぞ。 「痛みの分散」により、半分にはなるがな。」
相手のライフコアにダメージが入り、ライフコアもかなり減ったことだろう。
「クールタイムに入り、エンディングを迎える。 手札がまだ残っていれば、使い魔でも攻撃が出来たのだがな。」
ここにきてバウンディシーフの効果が出てきた。 ダメージは伸ばしきれなかったものの、優位なことには変化はない。
「俺のオープニング、そしてワンタップディーラーの効果によって2枚ドロー。 プラポレーションタイム。」
しかし相手もここまで来れば手段は選ばない。 今のベルジアの手札は0。 零斗さんのようにハンドレスではないため、相手の反撃を簡単には止められない。 しかし相手は攻撃できないモンスターが1体。 モンスターを召喚するにしてもコストはかかる。 相手も相手で手札が十分でもベルジアの布陣を突破するのは容易ではない。 さあ、どうするのか。
「お前達のモンスター。 本当に強いよ。 あれだけ奪われながらもそこまで展開できるのは、称賛すら挙げたくなる。」
「ふん。 そんなことを誉められても、あまり嬉しくはないな。」
それはそうなのだが、なぜこのタイミングで発してきたのか。 理由は分からないが、なにやら策があるのかと思ってしまい・・・ある1つの結論に至った。 それは・・・
「俺はそんな奴の、自分が少しでも優位に立った瞬間を根こそぎ奪っていくのが好きなんだよ! スキル「強欲な強奪」発動!」
現状
敵 ライフコア25
バウンディシーフ
ワンタップディーラー
ベルジア ライフコア57
スプレットレックス
バリスタワイバーン
龍神の使い魔
この小説は結構な確率で書き留める事が多いので、いざその回の話になった時、バトルの現状を完全に思い出せない事があります。
これもどこまで正しいかもう分かりません




