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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
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多分そういうデッキ

「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 デッキトップは奪われたものの、悪循環になった訳ではない。 しかし敵のやり方がかなり面倒なのには変わっていない。


「私はコストを4つ支払い、「ブレドドラコ」を召喚。」


『モンスター:ブレドドラコ レアリティ 水色 コスト 4

 種族 竜族

 このカードを捨て場に送ることで、相手モンスター1体を破壊する。』


「ブレドドラコの効果を使用する。 自らの身をもって、私に勝利をもたらしてくれ。」


 ブレドドラコは自分の身体を剣のように細くし、そして敵のバリスタワイバーン、正確には竜壁に向かって突撃した。 自己犠牲のカードをこの場で使わざるを得ないともなれば、仕方の無いことなのかもしれない。


「これでモンスターの攻撃は通るようになった。 コンバットタイム。 ドックラゴンでバリスタワイバーンを攻撃。」


 ドックラゴンが猟犬以上のスピードで敵に突っ込んでいく。 バリスタワイバーンは動かない。 いや、動きたくないのだろうか。 主を裏切った罪として、その身を掲げる気持ちだったのかもしれない。 そしてバリスタワイバーンはドックラゴンの噛み付きによって砕かれた。


「私は見習い竜騎手で、貴殿のライフコアに攻撃。」


 守るものはない。 そのまま竜騎手の攻撃は通った。 しかし相手は慌てる様子は見られない。 初手から考えればかなりの痛手となっている筈なのだが。


「私はドックラゴンの効果により、自身を捨て場に送ることで、デッキから装備カードを手札に加える。 クールタイムに入り、私はエンディングを迎える。」


 なにを手札に加えたかは分からない。 だがあのカードが機転を効かせてくれる事を願う。


「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 ・・・ふーん。」


 ここに来て手札を見て考え始めた。 あいつにとって今は来て欲しくないカードでも来たのか、なにかをする為に構築を考えているのかそれは分からない。 分からないが、あまりいい予感はしてこない。


「俺はコストを14支払い、「バウンディシーフ」を召喚。」


『モンスター:バウンディシーフ レアリティ 銀 コスト 14

 種族 アンチマン

 このカードは自分のターンに、相手の手札を1枚ランダムで選び、そのカードの種類を宣言する。 そのカードが宣言通りのカードの場合、使用条件が可能であればそのカードを使用できる。

 この効果は自分のターンに2回行える。 ただし一度目で選択したカードと種類は選択できない。

 ATK 5 HP 35』


 シーフ・・・盗人か。 ここに来て運試しのようなモンスターを出してくるか。 攻撃力が低い代わりに体力に回してるところを考えると耐久型モンスターであり、相手のカードを奪えるかもしれないと言う尖った性能だ。


「セイジ殿。 奴の構築は・・・」

「おそらく相手依存型、もしくは戦略性を奪うデッキと考えていいと思います。 相手から奪うことが十八番の様ですし。」


 手札を奪われて何も出来なくなるのは、カードゲームにおいては戦略のひとつとも言える。 それはベルジアに限ったことではない。 だがあのモンスターは処理しておかなければ確実に不味いことになるぞ、ベルジア。


「俺はバウンディシーフの効果を発動。 選ぶのは・・・ 真ん中のカード。 種類は魔法カード。」

「・・・残念だがこれはモンスターカードだ。」


 そう言って手札のカードを見せるベルジア。 あのカードの最大の利点は、当たればそのまま貰えて、外れても相手の手の内がある程度分かるのだ。 相手の手札を知ることが、カードゲームにおいてどれだけ重要か。 ベルジアだって分かっている筈だ。 だがやらざるを得ないというのは、悲しい事実になってしまう。


「ではもう一度効果を使おう。 左のカード。 モンスターか?」

「いや、先程手札に加えた装備カードだ。」


 これで自分の手札の2/3が相手に知られた。 ここからは使わなければ相手に取られる可能性を考慮して立ち回らなければならない。 しかも枚数が少なければ少ないほど、相手モンスターは効果が輝く。 面倒なカードを出されたものだぞ。


「今のこいつで攻撃したところで対したダメージにはならないな。 俺はこのままクールタイムに入り、エンディングを迎えることにしよう。」

「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」

「どうするで御座るベルジア殿。 既に手札を使わなければ、奴に全てが暴かれてしまう。」


 ベルジア自身もそれは分かっているだろうし、奴のモンスターは厄介極まりないが、1回では除去するのは難しいだろう。


「私はコストを5つ支払い、魔法カード「アンドゥドロー」を発動。」

『魔法カード:アンドゥドロー レアリティ 紫 コスト 5

 手札のモンスターカードを捨て場に送ることで、デッキからカードを2枚ドローする。』


 捨てて引いてしまえば、確かにその後はまた分からなくはなる。 だがそれは一時凌ぎにしかならない。 効果は高くないだろう。


「さらに私はコストを8つ支払い、装備カード「呼び戻しの首輪」を発動させる。 対象はバリスタワイバーンだ。」


『装備カード:呼び戻しの首輪 レアリティ 桃 コスト 8

 自分の捨て場に存在するこのカードと同じコストのモンスターをフィールドに召喚する。 ただしこのカードが使用されたターンはコンバットタイムを行えない。』


「コンバットタイムは行えないがダメージは与えられる。 バリスタワイバーンの効果により、コンバットタイムを放棄する代わりに相手のライフコアに攻撃力の半分のダメージを与える。」


 先程と同じことが繰り返される。 ダメージ自体は与えられるが、不毛な戦いになっている。


「クールタイムに入り、エンディングを迎える。」

「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 バウンディシーフの効果。 右のカード、モンスターカード。」

「これは魔法カードだ。」

「ふん。 もう一度効果を使う。 左のカード、魔法カード。」

「こちらがモンスターカードだ。」

「なんという地味な攻防で御座ろうか。 互いが互いを、雁字搦めのように相手を動けなくしているだけに過ぎぬ。」

「でもそう言った時に、一手で全てが覆る。 そう言うものなのですよ。 こう言ったゲームはね。」


 だけどその一手を掴むのは・・・


「俺はコストを9つ支払い、魔法カード「パワートゥアブソーブ」を発動。」


『魔法カード:パワートゥアブソーブ レアリティ 桃 コスト 9

 相手のフィールドのモンスターの攻撃力の半分を自分フィールドのモンスター1体に上乗せする。 ただしこの効果を使用したターン、選択したモンスターはコンバットタイムを行えない。』


「それは私のデッキのカード!」

「そう。 このカードは中々に使えるんでな。 利用させて貰うぞ。」


 パワートゥアブソーブの効果により、ベルジアのモンスター、バリスタワイバーンと竜騎手の攻撃力が下がり、その代わりに相手のバウンディシーフの攻撃力が上がる。 コンバットタイムは行えないものの、次の攻撃までにバウンディシーフをどうにかしなければ、モンスターを破壊されてしまう。


「攻撃できないのは非常に残念だが、簡単にやられなくなっただけでもまあ良しとするか。 中々にいいカードをくれてありがとうよ。 クールタイムに入り、エンディングを迎える。」

「好きで貴殿にやったわけではない。 貴殿が勝手に持っていっただけだろう。」

「勝手に・・・か・・・」


 相手はその言葉に対して染々としていると次に飛び出したのはとんでもない言葉だった。


「その事に対して謝罪は一切無いな。」

「なっ・・・!?」


 ベルジアは驚いているが、俺と零斗さんは特に驚きはしない。 そして本当に向こうの世界から来た人間だということを改めて確認できた。


「この世界じゃ、ルールに乗っ取れば勝った方に報酬がある。 そしてその報酬には双方が同意すれば負けた奴は文句は言えない。 そして俺はここまで負け無しだし、欲しいものは制約カードバトルで勝ち取ってきた。」

「・・・だがそれはあくまでも制約上の話だ。 だがこの街の疲弊具合はなんだ!? 聞けば貴殿が来てからこのようになったと話していたぞ! この事についてはどう説明をつける!?」

「勝てないと分かってて逆らうのが悪いんだ。 負けたものは負けたものなりの報いは必要だろ?」


 なるほど。 こっちの世界で力を振るった結果がこうなるわけか。


「それにな。 俺は欲しいものは自分の物にしたがりたい性格でな。 前の世界じゃそんなことは叶わなかったが、今ではそれも合法的に出きる。 これ程までに生きやすい世界は無いだろう?」


 今の言葉でこいつの特性が分かった。 七つの大罪の1つの「強欲」だ。 自分の欲しいもののためなら、他人のものだろうと奪い取る。 それが奴の性格であり、遊び半分で送った神が目を付けた部分でもある。


「くっ・・・! 民に目を向けなければ、このような事態に陥っていたと考えれば、今の私なら昔の私を遠慮無く殴れるだろう。 だからこそ私は、今の自分を誇りに思えるよう、貴殿に立ち向かう! 私のオープニング、そしてドロー! プラポレーションタイム!」

現状

敵 ライフコア 72

バウンディシーフ


ベルジア ライフコア 79

見習い竜騎手

バリスタワイバーン


意外と動いたかと思っていた盤面は地味な感じにしかなってませんでした。

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