暴君の理由
バトル開始
始まってしまったベルジアと転生者との戦い。 この場合本来なら俺が戦うのが筋だった筈なのだが、今回はベルジアがその役割を担ってしまう事になってしまうとは。
「不安で御座るか?」
心を読み取ったかのように零斗さんは俺に声をかけてきた。
「どうでしょうか。 今の自分の感情が分からないんです。 元々は俺個人の話だった筈なんです。 アリフレアやベルジアを巻き込みたくは無かったんですがね。」
「しかし自然と共に戦う流れになった。 お主には、相手を動かす不思議な力を持っているので御座るよ。」
そんな力神様から貰ってないんだけどなぁ。 実感なんてものは勿論無い。 だが事実そうなってしまった以上は間違ってはいないのかもしれない。
ダイスロールが終わり、ベルジアの先攻で始まるようだ。
「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 私はコストを8つ支払い、「バリスタワイバーン」を召喚!」
『モンスター:バリスタワイバーン コスト 8 レアリティ 紫
種族 竜族
デッキの一番上のカードを捨て場に送ることで、このカードの現在の攻撃力の半分のダメージを相手のライフコアに与える。 この効果を使用した場合、このモンスターはコンバットタイム時に攻撃が出来ない。
ATK 14 HP 9』
「私はデッキの上を捨て場に送り、バリスタワイバーンの攻撃力の半分、7ダメージを受けて貰う。」
デッキの上を捨て場に送って、バリスタの形をした頭から角のようなものを相手のライフコアに射出された。 ダメージは7。 最初のターンだから攻撃は出来ないから、初手としてはかなり強いムーブだ。
「私は捨て場に送られた魔法カード「竜爪の雨」の効果が発動する。」
『魔法カード:竜爪の雨 コスト4 レアリティ 水色
自分フィールドに竜族が存在する時にデッキから捨て場に送られた時、このカードを手札に加える。
自分フィールドに竜族が存在する時、相手フィールドのモンスター全てに3ダメージを与える。
捨て場から加わったこのカードを使用した時、このカードは捨て場に行かず、デッキに戻しシャッフルする。』
捨て場に送られたカードを手札に加えるカードか。 しかもデッキに戻るから、上手いこといけばループさせることも可能だ。 そういえばあいつのデッキって、基本的には使い捨てだったな。 手札に戻すのは基本的には俺だけだったから、確かに成長はしているな。
「クールタイムに入り、私はエンディングを迎える。」
「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」
相手のターンになる。 一体どんな戦術を取ってくる?
「・・・お前のそのモンスター、なかなかに面白い効果を持ってるなぁ。 初手から痛いダメージを貰ったぜ。」
なんだ? 相手のモンスターを誉めるだけ誉めてはいるが、なにかを仕掛ける様子が見えない。
「そのモンスター、俺のものにしてやるよ。 俺はコストを6支払い、魔法カード「マリオネットヤーン」を発動。 そのバリスタワイバーンは頂くぜ。」
バリスタワイバーンはなす術無く、相手フィールドに移されてしまう。
「更に俺はコストを7つ支払い、魔法カード「ゴーストハンド」を発動する。」
『魔法カード:ゴーストハンド レアリティ 紫 コスト 7
相手の手札をランダムに1枚選び、選択したカードによって以下の効果を得る。
モンスターカード:自分フィールドにそのモンスターと同じステータスを持つトークンを出す。
魔法カード:相手の手札をランダムに1枚、自分の手札に加える。』
「さあ、見せてみろ。 その真ん中のカードを。」
「・・・魔法カードだ。」
そう言ってベルジアは見せることになった。 効果によってベルジアの手札が1枚相手の手札になる。
「ならばこのカードにするか。 ちゃんとシャッフルしたんだよな?」
「・・・」
ベルジアにとってかなり屈辱的なものであろう。 相手に手の内を晒されずとも、自分の使いたいカードを奪われるのは癪に障るというものだ。
「これは今は使えないな。 コンバットタイム。 バリスタワイバーンでライフコアに攻撃。 先程の痛みを倍にして返させて貰う。」
バリスタワイバーンは元主人であるベルジアのライフコアを攻撃する。 奪われたのはベルジアだが、自分のモンスターに傷付けられるのはさぞ痛かろう。
「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」
「キャー! 素敵ー!」
「倍返しよ倍返し!」
このAI領域に入った取り巻きが入ってきていたのか、黄色い声援が聞こえてきた。
「セイジ殿、あの者達をどう見るで御座る?」
「多分普通に強いから付いてきているって感じでしょうか?」
向こうの声援などどうでもいい。 しかしモンスターを奪われて、手札も奪われたベルジアのターンになる。 どう動く?
「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」
自分のモンスターが奪われた今のベルジアは、相手の物となったとは言え、自分の手で倒さなければならないと考えると、少々苦に思ってしまうのは、心象に浸ってしまうせいだろうか?
「私はコストを9つ支払い、「見習い竜騎手」を召喚。」
『モンスター:見習い竜騎手 レアリティ 桃 コスト 9
種族 騎士
このカードの召喚に成功した時、自分の手札又は捨て場からこのカードのコスト以下の「竜族」モンスターを、コストを支払わずに召喚できる。 ただし、この効果が発動した時、このモンスターはコンバットタイムに攻撃できない。
ATK 8 HP 14』
「私は手札の、コスト5の「ドックラゴン」を召喚する。」
『モンスター:ドックラゴン レアリティ 水色 コスト 5
種族 竜族
このモンスターは自分フィールドに竜族が存在しない時、このカードをフィールドから捨て場に送り、デッキから「竜族」と表記された装備カードを手札に加える事が出来る。
ATK 6 HP 8』
名前に似せられたのか、そのドックラゴンは顔が柴犬のような顔をしていた。
「そして竜族が存在する為、手札からコストを4支払い、魔法カード「竜爪の雨」を発動させ、バリスタワイバーンに3ダメージを与える。 そしてこの魔法カードはデッキに戻る。」
「うむ。 これならドックラゴンの攻撃でもバリスタワイバーンを倒せるで御座る。」
それはそうなのだが、先程相手が手札に加えたベルジアから取ったカード。 今は使えないと言っていたが、その意味がどう言うことを指すのか、まだ分かっていない。 これだけで終わればいいのだが・・・
「コンバットタイム。 ドックラゴンでバリスタワイバーンに攻撃。」
さあ、攻撃は宣言された。 後はどうする?
「俺はコストを6つ支払い、お前から貰ったインタラプトカード「竜壁」を使う。」
『魔法カード(インタラプト):竜壁 レアリティ 水色 コスト 6
自分フィールドの「竜族」が攻撃を受ける時、一度だけ攻撃を無効にする。 更にこのカードは場の竜族の装備カードとなり、装備されているこのカードを捨て場に送ることで、一度だけモンスターの破壊を無効にする。』
なんてことだ。 先程奪われたカードでコンボが出来ていたのか。 これではワイバーン倒すだけでも一筋縄じゃいかなくなったじゃないか。
「・・・クールタイムに入り、私はエンディングを迎える。」
「ベルジア殿、かなり苦しそうで御座るな。」
「それもそうですよ。 本来ならバリスタワイバーンを倒した後にドックラゴンの効果でデッキから装備カードを持ってくる算段だった筈です。 使うかどうかはベルジア次第と言う所でしょうが。」
ベルジアも自分のコンボを打ち砕かれた上に相手に使われると言う苦渋にも等しい事をされている。 気持ちは穏やかではない筈だ。
「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 俺はバリスタワイバーンの効果を使用する。 攻撃力の半分のダメージを与える。」
かなりの安全策を取ってきたな。 手札にインタラプトカードがあるかもしれない以上は攻撃を簡単には仕掛けに行かないか。
「そして俺はこのままクールタイムに入る。」
「なぬ? モンスターを召喚せぬというのか?」
「そしてクールタイム時に、コストを4つ支払い、魔法カード「油断盗み」発動。」
『魔法カード:油断盗み レアリティ 水色 コスト 4
攻撃宣言を行わなかったクールタイム時、相手のデッキの上か下のカードを自分の手札に加える。』
「なんと! そのようなカードを入れていたので御座るか!」
なんて奴だ。 手札や捨て場から拾ってくるカードはいくつか見てきたが、まさか相手のデッキに干渉してくるとは。 しかも条件の都合の事もあるから、余計にそう見えてしまうのかもしれない。
「ではデッキの上のカードを貰うぞ。 お前は俺に与え続けるのが使命なんだ。 そういう人間なんだよ、お前達は。」
そう高らかに笑う相手。 やはりこいつで間違いなさそうだ。 とんでもない略奪力のある奴だとは思っていたが、ここまでなのは想定外だったかもしれない。 七つの大罪で例えるならば「強欲」といったところだろう。
前の世界でも「強欲」と名の付いたカードはとにかく強力だった。 それが体現したとなると、ベルジアは簡単には勝てないだろう。
「そしてエンディングを迎えることにしよう。」
ベルジア。 お前ならこの相手にどう立ち向かう?
現状
敵(今回名前は考えていないので、これでいいかなと)
ライフコア 87
バリスタワイバーン
ベルジア ライフコア 79
見習い竜騎手
ドッグラゴン




