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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
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勇者の末裔(仮)は本気を出す

 ここでようやく本気になってくれたダイトであるが、それとは裏腹にかなり頭に血が上っている。 冷静さ、平常心、感情を押し殺す事。 今の奴にはそれらが全て欠けている。 自分が勇者になった気で溺れていた奴だ。 正論にはとことん刺さることだろう。


「俺はコストを12支払い、「ダブルプロテクトウォーリア」を召喚!」


『モンスター:ダブルプロテクトウォーリア レアリティ 銅 コスト 12

 種族 岩石族

 このカードがフィールドに存在する時、他の自分フィールドのモンスターを戦闘及び効果の対象には選べない。

 このカードは効果による破壊は出来ない。

 ATK 12 HP 40』


 守りの布陣を固めてきたな。 となるとダブルプロテクトウォーリアを戦闘で破壊するしか道が無いわけだが、おそらく厄介なキッキングホークスを狙ってくるだろう。


「コンバットタイム! ダブルプロテクトウォーリアでキッキングホークスに攻撃!」


 鍵のような形になっていた両手の盾が噛み合い、大きな盾になる。 あれを食らったら元も子もないだろう。 しかし奴を倒すためにはキッキングホークス以上の犠牲は出したくない。 仕方ない。 使いたくはないが少しでも戦力は残しておきたい。


「キッキングホークスの効果により、ダブルプロテクトウォーリアの攻撃を無効にする。」

「はん! あんだけ偉そうに言った割にはお前だって戦わないじゃないか!」

「戦術的に攻撃を無効にしてなにが悪い。 戦いに勝つための手段だろ? 四の五の言ってる場合か。」

「けっ。 どのみちその鳥人間は終わりだ。 中級僧侶と遠距離魔童子でキッキングホークスを倒せ!」


 2体の魔法攻撃がキッキングホークスを襲い、そしてそのまま倒されてしまう。 ダメージとしては少ないものの、劣勢になってしまった。 元々キッキングホークスは効果により攻撃は出来なかったが、それでも残しておきたかったモンスターだ。 これからあの大盾を倒さなければならないと考えると、今の手札では心許ない。


「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える! さぁ、来いよ!」


 たかが1回攻撃を通したくらいで粋がってんなぁ。 もしかしてこいつ、この世界にしてからこんな感じなのか? 人には崇高されても人とは寄り添えない感じだな。 あれは。


「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」

「おら、さっさと来いよ! 威勢良くかかってこいよ!」


 タガを外したらこれか。 厄介っつぅかうるせぇな。 だけど奴の欠落してる部分は大体分かった。 とりあえずはあの盾をどうにかしないとな。


「俺はコストを8支払い、「強襲竜」を召喚。 更にコストを6支払い、「魂魄妖精」を召喚。 コンバットタイム。 強襲竜でダブルプロテクトウォーリアを攻撃。」


 強襲竜がダブルプロテクトウォーリアの盾に攻撃をする。 強力な攻撃を行った筈だが、盾に傷がついた程度でほとんどなんともない。


「残りの3体で攻撃だ!」


 この総攻撃が通ればギリギリでダブルプロテクトウォーリアは倒せる。 さぁ、これをどう凌いでくる?


「俺はコストを3つ支払い、魔法カード「薬草の雫」を発動。 これによってダブルプロテクトウォーリアを5回復させる。 ギリギリ倒せなくて残念だったなあ?」


 別にそんな程度で悔しがるような俺じゃない。 そんな場面は何度も見てきたし、この展開だって読めていた。 今の奴の要となるモンスターはあの盾モンスター。 簡単に破られては意味がない。


「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」

「エンディング時、中級僧侶の効果発動。 これでダブルプロテクトウォーリアはまだ生き長らえる。 俺のオープニング、そしてドロー!、プラポレーションタイム!」


 さて、守りを固めた奴の布陣は、中々に突破をするのが難しくなっている。 前衛を倒さなければ後ろに攻撃が行かない。 完全放置が不可能な盤面だ。


「俺はコストを7つ支払い、装備カード「ワイドシールド」をダブルプロテクトウォーリアに装備!」


『装備カード:ワイドシールド レアリティ 紫 コスト 7

 このカードを装備したモンスターは攻撃力を7下げる代わりに、相手モンスター全てに攻撃を行う。』


 今度は全体攻撃を選んできたか。 一体一体が面倒ならまとめてやってしまおうと言う算段だろう。


「コンバットタイム! ダブルプロテクトウォーリアはそれぞれ1回ずつ攻撃を行う! その大盾でなぎ払え!」


 ダブルプロテクトウォーリアが右から左へ盾をなぎ払う。 ダメージとしては安いが、全体に行き渡ったというところが痛手となり、体力の少ない魂魄妖精が倒されてしまった。


「魂魄妖精の効果により、もう一体の魂魄妖精を召喚する。」

「ちっ。 だったらそのモンスターを狩り取ってやる。 中級僧侶で魂魄妖精を攻撃!」


 今度の攻撃で魂魄妖精は倒れてしまうが、魂魄妖精の効果は一度ではない。


「再度魂魄妖精の効果により、俺はジェムケリーを召喚する。」

「また増えやがった。 なら遠距離魔童子でサーカス団のピエロを倒せ!」


 最初に比べて大分言葉が荒れてきたな。 今まで溜め込んできた言葉だろうな。 本性が割れた今隠しだてはいらないってね。


 そしてピエロは魔童子の魔法により撃墜されてしまう。 だがこちらもただやられるわけではない。


「サーカス団のピエロの効果。 このモンスターが戦闘で破壊された時、「ピエロボール」としてステータスを半分にして召喚し直す。」

「くそ! まだ倒れないのかよ!」


 どうやらこちらのモンスターが減らないことに憤りを感じているようだ。 だがこちらとしても簡単に倒れては意味がない。 なんとしても不利な状況を打開しなければ、奴に勝つことなどは不可能なのだ。


「ちっ! これ以上なにも出来ねぇ! クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える!」

「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 モンスターは減らなかったとは言え、状況は五分か向こうより。 目の前の大盾をどうにかしないと、こちらの攻撃は通らないと見てもいいだろう。 打開するためのカードは手元に無い。 引いたカードは・・・ん。 これに賭けるか。


「俺はコストを10支払い、魔法カード「歴史改変の代償」を発動。 カードを3枚ドローし、その後手札の1枚を捨て場に送り、このゲーム中、如何なる方法でも使用できないものとする。」


 そして俺は3枚ドローする。 そして引いた3枚の確認・・・


「・・・ふっ。」

「あ? なに笑ってんだ? なにも出来なくて自虐的になったか?」


 むしろなんでそんな風にしか考えられないんだ?こいつ。 じゃあ見せてやるか。 この笑いの理由を。


「俺は手札の「メープルシープ」を捨て場に送る。 そしてコストを8支払い、「雨降りにさ迷う少女」を召喚! 少女の召喚により、領域カード「雨降りの路地裏」を展開する。」


 その少女が現れるとすぐに俺達のフィールドに雨が降る。 雨、と言ってもエフェクト効果であり、AI領域内では天候はほとんど関係無いからな。


「なんだ? そのガキは?」


 こっちが正体を暴いてからやたら口が悪くなったなぁ。 今のあいつが「勇者」だと名乗っても、誰も信じちゃくれないだろ。 明らかに勇者の佇まいではない。 それは俺達が分かってるからいいか。


「更に俺はコストを7つ支払い、領域カード「染み渡った晴天」を発動! これにより領域が変更され、更に「雨降りにさ迷う少女」は「救われし少女」へと姿を変える!」


 雨模様だった空から天からの使いが降りてくるかのように光が差し込み、そしてフィールドを照らし出す。 そしてボロボロだった少女も、姿を変えた。


「なにっ!? そんなモンスターありか!?」


 ありなんだよなぁ。 これが恐らく俺とあいつとの一番の差だと思っている。 あいつは自分を棚に上げるのとでいっぱいになって、人との繋がりを深くはしてこなかったと思う。 異世界人だと言ってもデッキレシピは人それぞれだ。知らなくても仕方はなかろう。


 しかしこちらとしては自分を下に見られたんだ。 少し暴れたところで文句もないだろう。 この時点でかなり優位にはなっているが、こういった勘違い野郎には、徹底的な差を見せつけておかないと後々面倒になる。 一気に行かせてもらうとしよう。

現状

ダイト ライフコア 94

中級僧侶

遠距離魔童子

ダブルプロテクトウォーリア 装備 ワイドシールド


セイジ ライフコア 84

強襲竜

ジェムケリー

スリーピースブロック

救われし少女

ピエロボール

領域カード 染み渡った晴天

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