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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
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勇者の末裔(仮)のデッキ

 ダイスロールがされて、俺が「82」、ダイトが「44」となり、俺が先攻になる。


「さあ、君はどんなデッキを俺に見せてくれるのかな? 是非とも・・・」

「あー、そういうの別にいいから、こっちとしてもこうして状況が出来てるだけでも十分だし。」


 自分を取り繕うのももう意味がないので俺は頭をかいて、ふてぶてしさを出す。 ダイトも俺のいきなりの変貌っぷりに驚いているようだ。


「さっきは気分が上がってるところ悪かったな。 こっちが素なんだわ。 あと俺もお前と同じで転生者だから。」

「・・・は? なんだよ同業者かよ。」


 俺が崩したからか向こうも紳士ぶった態度を崩してきた。 というか同業者じゃねぇから。


「あーあ、このにいるのが俺だけかと思ったのになぁ。 なんかガッカリだぜ。」

「別にこっちだって自分1人だけこの世界に来たってなった時は新たな始まりだなって思ったさ。 同じ人間に会うまではな。」

「白けちゃうなぁ・・・それは無いわぁ・・・」


 こいつ自分の世界だと思っているのか? まあいい、夢を見ているなら、現実に返してやる。


「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 俺はコストを3つ支払い、魔法カード「スタートダッシュ」を発動。 このカードは最初のドロー終了までに手札に存在した場合、コストを3にする。 更にこのカードを使ったターンは支払うコストは半減する。 俺はコストを5つ支払うことで「キッキングホークス」を召喚。 更にコストを4つ支払い「スリーピースブロック」を召喚する。 クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」

「やる気でないなぁ・・・でもやるしかないかぁ・・・俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 同じ世界から来た人間がいることがよっぽど堪えてるみたいだな。 やる気が先程とまるで違う。 ま、そういうことならこっちも容赦する気は無いがな。


「俺はコストを6つ支払い「遠距離魔童子」を召喚する。」


『モンスター:遠距離魔童子 レアリティ 水色 コスト 6

 種族 魔法使い

 このカードは他のモンスターが存在する時、攻撃対象に選択できない。

 ATK 7 HP 8』


 かなり雑に召喚をしてきたな。 こいつ一体どうやって今まで戦ってきたんだ? 俺の予想は相手があまりにも弱かったのかもしれない。 あるいは勝ってばかりいたからか傲慢さが生まれたのだろうか。 本当に同業者だと思うならもう少し考えるものなのだが・・・それすらも作戦か?


「どうするかなぁ・・・コストの事を考えるとまだ出したくはないし・・・」


 それなりには考えているみたいだが、どうも覇気がない。 異世界人ならまだ自分を知らないから出来ていたことなのかもしれない。 自分の世界にしか興味がないって感じか。


「んー。 とりあえずこいつも出すか。 コストを10支払って「中級僧侶」を召喚。」


『モンスター:中級僧侶 レアリティ 桃 コスト 10

 種族 魔法使い

 自分フィールドのモンスター(このカードも含む)モンスターがダメージを受けたエンディング時、そのモンスターの元々のHPの半分を回復させる。

 ATK 8 HP 20』


 回復役としては優秀。 だがそのモンスターはこんな序盤で出していいカードじゃない。 その思考力に対して、こっちが溜め息を出してしまいそうになる。


「じゃあコンバットタイム。 中級僧侶でキッキングホークスに攻撃。」


 攻撃命令に覇気がない。 気力をどこかに捨ててきた感じにやる気がない。 だが手は抜かない。


「キッキングホークスの効果。 次のターンこのモンスターは戦闘を行わない代わりに、相手の攻撃を止める効果を使う。」


 俺がそう宣言すると、キッキングホークスはそこまで強くはないけれど、追い返すには十分な風を送る。


「えー? それじゃあモンスター倒せないじゃん。 じゃあいいや。 クールタイムに入り、エンディングを迎える。」


 なんだろうか。 気力の無さに対して、イラつきを覚え始める。 作戦にしてはちゃちすぎるし、本気でやってるならこちらの怒りを買いかねない。 別に冷静さを失ってはいない。 ただ今までの相手に比べると、厄介さが上回っている。 向こうの事情なんか知らないが、向こうがこっちの事をそう思うらしい。


「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 俺はコストを7つ支払い、「サーカス団のピエロ」を召喚。」


 こちらのモンスターは3体。 だが半分以上は「中級僧侶」に攻撃が持っていかれるだろう。 キッキングホークスは前のターンで効果を使っているが攻め時ではある。 割り込みが来るのは想定済み。 今度はこっちから仕掛ける。


「コンバットタイム! サーカス団のピエロとスリーピースブロックで中級僧侶を攻撃!」


 2体のモンスターの攻撃が開始され、中級僧侶にダメージが入る。 倒しきることは出来なかったが、次のターンに相手がなにもしてこなければ、中級僧侶からダメージを入れられる。


「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」

「じゃあエンディング時、中級僧侶の効果でモンスターのHPの半分を回復する。」


 やる気の無さが露呈してしまっている。 ここまで来るとやってるこっち側が惨めに感じる。


「なぁ、こんなの止めにしない? 向こうの世界の人間だったら分かるでしょ? ちやほやされたいじゃん? 強いって言いふらしたいじゃん? 頑張らないで勝てるんだったら、それで良くね?」

「・・・いいか悪いかは後で決める。 今はこの戦いに集中しろや。」

「いやいや、ここで勇者が負けたら意味ないじゃない。 勇者は勝ってこその勇者でしょ? 頼むよ、悪いことは言わないから投了してくれね? こっちもなにもしないからさ。」


 ・・・どうやらこいつに手加減なんて言う言葉は必要は無いみたいだな。 だがこのまま勝ちに行くのも後味が悪すぎる。 ・・・本気、出させるか。


「・・・怖いのか?」

「は?」

「勇者の末裔として君臨している自分が、たかが同じ異世界人だからって理由で負けるのが怖いのかって聞いてるんだよ!」


 その一言にようやく耳を傾けたようで、眉間にシワが寄る。


「だってそうだろう? このターンでなにもしてこなかったくせに、相手に負けてくれって乞うことか? 自分が勇者になれるのは、自分よりも実力が劣ってる相手だからこそだろ?」


 俺は更に言葉を紡ぎ、ダイトはその言葉にどんどん顔をしかめていく。 所詮上辺だけの笑顔などメッキにもならない。 というよりもこいつは自分以上の実力の持ち主にあったことがないのだろう。 だから「自分は強い」と豪語も出来るってことだ。


「ちやほやされたい? はっ! 勇者の考えがそんなんじゃ、末裔って言っても全く信じられないね! つうかハッキリ言わせてもらうぞ。 この世界に勇者なんて者は元々存在してないんだよ。 たかが2、3回くらいのカードバトルで勝ったくらいでいい気になってんじゃねぇよ。 もう一度神様のところに行って出直してこいや!」

「てめぇ! さっきから聞いてりゃ調子こきやがって! 俺のデッキでぜってぇコテンパンにしてやる! さっき言ったことに対して許しを乞う時間も与えねぇ! 俺を侮辱したんだからそれなりの覚悟があるんだよな!? あぁ!?」


 完全にぶちギレたダイトがようやく俺という存在を見てくれた。 こいつは自分の事しか見ていなかったし、周りも自分の事を見てくれているという優越感しか与えなかった。 だからこそこう言った刺激には弱いし、受け流す力なんてものもない。


 それにメッキの取れた奴にはもう勇者なんて言う風貌は微塵も感じない。 あるのは怒りと闘争本能だけ。 こっちが本性だろうと俺はニヒルな笑いを見せる。 するとそれが更に触れたのか、ダイトの額に血管が浮かび上がった。


「何処までも馬鹿にしやがって・・・! その薄ら笑いを苦痛に変えてやるよ! 俺のオープニング、そしてドロー! プラポレーションタイム!」

現状

ダイト ライフコア 97

中級僧侶

遠距離魔童子


セイジ ライフコア 99

キッキングホークス

スリーピースブロック

サーカス団のピエロ

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