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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
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パーティー総入れ替え

久しぶりのあの人です(元々こういう形で呼ぶ予定でした)

「なるほど。 話は理解できました。 それならば私も同行させてもらいます。」


 そう言う人物こそ俺が呼びたかった人物。 アリカであった。 彼女もこちらの世界に来た一人として、今回の旅に同伴させたかった。

 とはいえアリカが来たのはつい先程の事で、サヴィの感知魔法を使って彼女の所在を突き止め、俺が空を飛んで迎えにいっただけに過ぎないのだが。


「しかしセイジ。 我々が待機というのは少しばかり気になるぞ?」

「そうっすよ。 俺っち達の仲じゃないっすか。」

「別にお前達を連れていきたくない訳じゃない。 ただ今回の場合は相手があんまり良くないんだよ。」


 相手は俺達と同じ異世界の人物。 なにで相手の琴線に触れるか分からない。 大人数で行くことによって暴走するかもしれないし、ゼルダやファルケンを見て魔物と攻撃する可能性も否定できない。 だからこそこの3人で行くことにしたのだ。 顔立ちだけなら向こうと同じ境遇なのだから、俺達と簡単には相容れないと信じて。


「まずは1回目の様子見も兼ねて行くんだ。 それにちゃんと帰ってくるんだ。 今生の別れみたいな言い方するな。」


 そう、ちゃんと帰る場所があることを俺達にもあることを自分自身に再認識させなければいけない。 こんなことは考えたくはないが「地球に帰れるようにするから、こちら側に付け」といわれる可能性があることも示唆して置かなければ、いざ選択肢を求められた時に揺らいでしまうかも知れないのだ。 これは暗示ではない、自己への警告だ。


「これからは俺達が解決していく。 お前達には無関係とまでは言わないが、なるべくなら関わらせたくない。 だから俺達だけで行くんだ。 分かって・・・うわ。」


 最後まで言い終わる前にアリフレアが俺の胸元に飛び込んできたのでそれを受け止める。


「私は、元々居場所は、無い、です。 だから、ご主人様が、私の、今の、居場所、です。 離れたくない、です・・・」


 アリフレアが抱き締めている力が強くなる。 思えばアリフレアは最初からこんな感じだったのを改めて思い返していた。 そう考えがまとまると、確かに配慮が足りなかったと思った。


 そんな風に自分の中で反省をしていると、アリカが神妙な面持ちで俺を見ていた。


「セイジさん。 いくらここが私達が住んでいた場所とは違うとはいえ、そんな幼子を手に掛けるのはどうかと思いますよ。」


 どうやら彼女の中で盛大な勘違いと解釈違いが生まれてるみたいだ。


「違う違う。 そういうことじゃないから。」

「でもあの子は婚約者なんですよね?」


 そう言ってミルレを差す。 ここに連れてきた時点でミルレとは知り合ってはいなかったので、軽く説明は受けている。 だが強いて言えばミルレも見た目はアリフレアと変わらない。 理由はなんであれ結果としてはそうなるのかもしれない。


「まあ、私も助けてもらった身ですので、セイジさんの嗜好をどうこういうつもりはありません。」

「・・・そう思ってるならもうそれでいいよ。」

「セイジ殿。 もう少し抗ってもよいのでは御座らんか?」


 零斗さんに慰められるが、正直何を言ってもやぶ蛇にしかならないのはこちらが一番分かってるので、先に白旗をあげる方が無駄な争いは起きないのだ。


「こっちとしても最初は様子見だから、問題が少ないと判断したらその時は連れていくよ。 みんなじゃないけどな。」

「それまではボクたちはお留守番って訳だね。」


 ゼルダの言い分に俺は頷いて返す。 いままで散々パーティーとしてやってきた身としても、少々情がないようにも感じたが、こればかりは許して貰いたいものだ。


 そう思いつつ俺達は荷支度をすることにした。 とはいえみんなどうするのかと改めて聞いてみると、ベルジアとファルケンはカードゲームの武者修行をするとのこと。 なんでも「セイジ(師匠)の力に少しでもなりたいから」だそうだ。 カードゲームで力になるとはどういう事なのだろうかと思ったが、深く突っ込んだら負けだと知ったので、敢えて追及はしないことにした。


 そして女性陣はというとゆっくりとした生活をしてみたいということで、サヴィ経由で魔法の里に行くのだそうだ。 まあなんだかんだで危険な旅路もあったし、そろそろドーホース達も元の場所に返してあげないとホームシックになるだろう。 ドーホース達の事はゼルダに任そう。


 魔法の里は外との情報を遮断してしまうが、その辺りはどうするのかと聞いてみるとサヴィは「定期的にあたいが出るから心配ない」とのこと。 まあ、問題ないなら別にいいか。


 後は俺達についてだ。 一緒に付いてきてくれるアリフレアに全ての身を任せるのは少し酷な気がするので、その辺りはアリカと相談して貰うとして、基本的に武力介入は俺と零斗さんがやるとして、問題はカードゲームにおけるものだ。


 神様から力を授かっているのは俺だけだが、もし仮に俺じゃない人物、今回の場合では零斗さんが制約カードバトルをして勝った場合でも、同じ様に力を与えられるのか、はたまた俺が授けるのかは分からない。


 本音を言えば、この世界に来たもの同士、仲良しこよしでやっていきたいとも思っているが、神の気まぐれで落とされた以上、一筋縄ではいかないだろう。


「セイジ殿。 少しばかり拙者の山札調整に付き合ってほしいで御座る。」


 俺がまだ身支度をしている最中、一足先に終わらせていたであろう零斗さんに、そんな事をお願いされる。 俺や零斗さんは基本的に自分のデッキに他人の口を挟ませないようにしている。 していると言うよりもほぼ暗黙の了解だ。 自分の性格が左右されているカードで作るデッキに対して、他人が口を挟むのは良くないとも言えるからだろう。


 しかしなぜ零斗さんはそんな暗黙の了解を破るような事をしたのだろうか? 守破離にしても零斗さんのデッキに口出しは基本出来ないのだが。


『セイジ殿。 なにを悩んでいるで御座る?』


 俺達がAI領域に入った瞬間に零斗さんが()()()で話しかけてきた。 AI領域に入れば周りは見えない。 だがある程度の会話は聞かれるので、わざわざ日本語で話しかけてきたのだろう。 それよりも俺は零斗さんに、見抜かれた事に驚いていた。


『どのタイミングで分かりました?』

『汝が悩みを抱えている時は、目蓋が落ちて細目になりやすいで御座る。 無意識下の行動故、汝でも気が付いていないで御座る。』


 なんと、そんなことがあったのか。 無意識ということは治すには意識的にしなきゃいけなくなるけど、そんなの面倒だから治すのは止めるか。 ある意味自分なりのサインかもしれないし。


『・・・まあ零斗さんには話してもいいか。』

『なにか話があるので御座るか?』

『ええ、実は・・・』


 俺は零斗さんに悩んでることを打ち明けた。 他のみんなの事、これから会う転生者について、神様から貰った力。 こんな話は俺の中で全て抱えていくつもりだった。 だが自分の中に抱えるには限界があったと、意図せずに感じ取ってしまったのだろう。 だからこそ零斗さんに話すことが出来たのかもしれない。


『ふむ。 この話は汝1人でどうにか出来る話ではないで御座るな。』

『やっぱりそう思います?』


 俺は零斗さんに話をしつつも、自分のデッキも改めて確認している。 これから会う敵がどんなデッキであれ念入りにしていくのは忘れない。


『しかし、神の気まぐれというものも、本当に悪いことをするもので御座るな。』

『どの時代でもそれは変わらないですからね。 まあ、その時その時に対処しますよ。』

『セイジ殿。 これだけは言っておくで御座るよ。』


 零斗さんが放ったその眼差しは真剣そのもの。 俺よりもこの世界で、いくつもの修羅場を乗り越えてきた眼差しだった。


『例え相手がどのような者であろうと、決して自分の信念は曲げてはいけないで御座る。 その信念が一度でも曲がれば、立ち上がるのが困難になるからで御座る。 セイジ殿の瞳は正しく曇りなき眼。 己の正しさを貫き通さんとする瞳の鋭さで御座る。 それを忘れてはならぬ。』


 鋭い・・・か。 昔の世界では絶対に貰うことのなかった言葉だ。 自分の正しさを証明するのは、結局は遅れてからやってくる。 だからこそ俺もその信念の為に、頑張れるのではないかと思えてしまう。


『ありがとうございます。 零斗さん。 元気付けられてしまいましたね。』

『セイジ殿は問題ごとをあまり表に出そうとしないで御座るからな。 少々強引ながら、話を聞かせて貰ったで御座るよ。』


 その強引さが無ければ、俺もここまでの事はなっていないだろう。 俺はこの夜、新たな決意と共に、使命を全うすることを、胸に刻んだのだった。

最初はアリカの再開をハプニングでしようと思ったのですが、不穏な空気を作るのもあれだったので止めました。


しばらく他の仲間は出さない予定なので、その辺りは悪しからず。

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