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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
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楽しむのは結構、勝つ気があればな

「我のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 ヨンマセのターンになった。 今度からは俺達のモンスターを倒しつつ、ライフコアにダメージを与えなければ勝つことは出来なくなった。


 しかしこの時点でヨンマセは明らかにダメージを食らいすぎている。 ライフコアでの代用が出来ない程ではないにしろ、かなりライフコアを削った。 こちらは魔法カードを使用する時は、コストを倍にしなければならないと言うハンデを背負っているがそれ以上にこの壁を相手は崩さなければならないと思えば、使わなくても大抵はなんとかなるだろうと考えている。


「我はコストを4つ支払い「盗人の民」を召喚する。」


『モンスター:盗人の民 レアリティ 水色 コスト 4

 種族 人族

 召喚成功時、相手の手札をランダムに1枚手札に加える。

 ATK 4 HP 6』


 また無意味な効果のモンスターを出してきた。 いや、こいつの場合は最序盤に使えば、俺か零斗さんの手札を自分の手札として使うことが出来た。 手札が互いに0枚の時にこいつを出したところで本当に意味がない。


「更にコストを5つ支払い、「災害都市の民達」を召喚する。」


『モンスター:災害都市の民達 レアリティ 紫 コスト 5

 種族 人族

 このカードは自分に領域カードが存在しない時にしか召喚できない。 領域カードが展開された時、このカードは破壊される。

 ATK 7 HP 10』


 効果としてはまたよく分からないカードが召喚される。 デメリットしか見受けられない。 こいつのデッキについて深くは考えてはいけないと思ってはいるのだが、カードゲーマーの性と言うものだろうか。


「コンバットタイム。 あの者に自分達と同じ苦痛を与えよ。」


 ヨンマセがそう言うと「災害都市の民達」が轡に対して攻撃を進行させる。 轡は民達に揉みくちゃにされて倒されてしまう。 そして零斗さんのライフコアにダメージが入る。


「済まない轡。 お主を守れずに、見守ることしか出来なかった。」

「描かれた人間に干渉など、声で笑ってしまうな。 さて盗人よ。 あの銃はお主にとってとてもとても価値のあるものだろう。 欲しければ奪ってしまえば良い、そうであろう?」


 そう笑うと今度は盗人に対して笑い、盗人はノーバレットスナイパーの銃を奪うために動く。 が、体力はこちらに分があるので簡単には負けない。 案の定返り討ちにするが、追い返すのが精一杯になっていた。


「ふん。 そんなものも奪えぬか。 クールタイムに入り、我はエンディングを迎える。」

「そんなに民を酷使して、いつか反乱を起こして国として成立しなくなるぞ?」

「知ったような口を。 事実我に国民は付いてきているのだ。 このように扱っても構わぬだろう?」

「それが上に立つものの台詞で御座ろうか。」


 こちらの会話は三月朗様には聞こえていない。 だがそんなことを知ったら首を絞めるのは自分だと言うことをヨンマセは気が付いていない。 いや、気が付いていたとしても発言自体は撤回できないからな。 馬鹿が1人で嘲笑っていると思えばかなり滑稽だ。


「それよりも早う引け。 お前達なんぞに時間などかけてはおれぬのでな。」

「良いで御座ろう。 その傲慢な態度、拙者が改め・・・いや、粛清するで御座る! 拙者の開戦、そして山札を引く! 戦闘準備。 拙者は代償を18支払い、魔法札「無風下の静寂」を発動するで御座る。」


『魔法カード:無風下の静寂 レアリティ 桃 コスト 9

 手札が0枚の時、自分フィールドのモンスター以外のモンスターはモンスター効果を使用出来ず、コンバットタイムで対象に取ることが出来ない。

 このカードを使用したコンバットタイム時、相手のライフコアに与えるダメージは半分になる。』


 零斗さんが使用したカードは向こうの「懲戒処分」の簡易版だ。 ただし向こうと違うのはこちらは一時的で、手札が0枚の時にしか使えないという点だろうか。 デメリットの方が大きいようにも感じるが、それはあくまでもタッグマッチだからというところにある。 本来ならばこの上ないくらいに強力なのだ。 向こうの下位互換とは言え。


「更に捨て場に「轡」がいるため、コストを4つ支払い、再度場に戻すで御座る。」


 轡が地面の召喚陣から現れる。 今回は捨て場からの効果なので「無風下の静寂」の効果は受け付けない。


「戦闘開始! 轡でヨンマセの心臓核に攻撃を行うで御座る!」


 ヨンマセは今は無防備状態。 手札は万全だがなにかをしてこようとする様子はない。 あれだけ手札があるのに使わない・・・ 手札事故で対処するカードが無いのか? それとも元々から入れてない? どちらにせよこのまま行けばヨンマセに直接ダメージが入る。 そして心臓核に轡の攻撃が入る。


「がっ!」

「ハイラース! 淵上! 精霊師! 無我も轡に続くで御座る!」


 零斗さんの場にいるモンスターのフルアタックがヨンマセのライフコアに直撃する。 ダメージが半分になっているとは言え、これだけ食らったらヨンマセのライフコアもただでは済まない。 事実ヨンマセのライフコアの数は風前の灯火ギリギリだ。


「休息に入り、拙者は休戦を迎えるで御座る。」

「私のオープニング、そしてドロー、プラポレーションタイム。」


 通訳がターンを回すと、ヨンマセはその通訳を睨んだ。


「おい! 我のライフコアがこのままでは無くなってしまうではないか! そのモンスターで我を守れば良かろう! 何故そうしなかった!?」


 うわ。 自分の対処の悪さを人のせいにし始めやがった。 そう思うのなら自分で出来るようにするのが普通だろ。


「申し訳ありませんヨンマセ様。 お守りしたかったのは確かでございます。 しかしこの場では守ることが出来なかったのです。 こちらのモンスターの効果ゆえに。 それに王が傷付くのはよろしくはないかと。」


 なるほど。 そのモンスターじゃなかったら守る方法があったわけか。 王を傷付けたくないという言い分もあながち間違いではないか。


「むっ、むぅ・・・」


 さすがのヨンマセもぐうの音も出ないみたいだ。 見てて本当に滑稽だ。


「しかし私とてこのまま引き下がる訳ではありません。 私はコストを6支払い、魔法カード「不要品の使い方」を発動。」


『魔法カード:不要品の使い方 レアリティ 紫 コスト6

 自分の捨て場に存在するモンスターを召喚する。 ただしこの効果で召喚したモンスターは攻撃が行えず、エンディング時に捨て場に送られる。』


「この効果で戻ってきなさい、「狡猾な狂言吐き」。」


 捨て場から召喚される狡猾な狂言吐き。 またあいつを生け贄に御三家と明王の4回攻撃をするつもりだな。


「コンバットタイム。 私は「狡猾な狂言吐き」を再度捨て場に送り、御三家の力を発揮します。 いくらモンスターが増えようと、この圧倒的な攻撃を耐え凌げますか? 御三家で轡、淵上、ハイラースにそれぞれ攻撃を行いなさい。」


 一気に3回の攻撃を零斗さんのモンスターに与える。 攻撃力も高いため3体が一気にいなくなってしまう。


「我が王よ、あの厄介な精霊師を、あなたのお力で退治して下さい。」


 そして明王は喋り出す。 そして精霊師も対抗はしているものの、なんだかんだでレアリティの差が出るのか、精霊師が圧されてしまい、そして倒されしまった。 あれだけいた零斗さんのモンスターが一気に半壊以上になってしまう。 零斗さんのライフコアも同様だ。


「クールタイムに入り、私はエンディングを迎えます。」

「ははははは! 素晴らしい! これぞ我が望んでいたものよ! 王は絶対にして圧倒的! 下級民など地に這いつくばり王の価値を上げるのみに使えればそれで良い! 王に逆らうものは皆反逆罪としてしまえ!」

「・・・良くそんな傲慢さで国を治めようと思ったな。 国民普通に泣いてんじゃね?」

「実際に我についているのだ。 なんの問題もなかろう?」

「それついてきてるんじゃなくて諦めてるんじゃないのか? お前のような奴が国を治めるせいで、貧富の差が出てる。 そんなことじゃ、いつか国が滅びるぞ。」


 こいつのやってる所業を考え始めたらなんだか苛立ってきた。 これは憶測でしか語れないがなんとなくそんな気がする。


「滅びる? あり得ぬな。 我が統治しているのだ。 民達がついてきている、我のために。 それのどこがおかしい。 我の土台なのだから苦労するのは当たり前だろう? 我のために動くのだ。 それだけでも価値はあるだろう?」

「・・・価値?」


 その言葉で俺の山札が光った。 どうやらスキルの条件になったようだ。


「なるほど、どうやら俺は勘違いしていたようだ。 お前のような奴に、この国の文化を渡すわけにはいかない。 それだけじゃない。 お前が統治しているって言ってる国も、今のままでは駄目だ。 俺がなにか出来る訳じゃない。 だが今は、お前には制裁を受けて貰う! 俺のオープニング、そして、「作られた引き(クリエイトドロー」)!」

このスキルを出すこと自体がもう久しぶりの感覚です。 最後に出したの何時でしたっけ?

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