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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
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海を渡って

 ハーキュリーから出た馬車に揺られながら、島国「ヒノマル」についての情報が少しでもないか文献史料などで調べてはいたものの、なかなか情報が手に入らなかった。 外に出している情報が少ないのか、はたまた何かを隠しているのか。 どのみち事前情報が無い今は、向こうの習わしに従う他無いのだろうと思った。


「セイジ。 メスリ様からもらった新たなデッキケースの使用感を確認しなくても良いのか?」


 隣に座っていたベルジアがデッキケースを見ながら言ってくる。 確かに誤作動されるよりは、一度自分でも見ておくのがいいか。 だが馬車の中よりは船の方が揺れも少ないだろうと考え、少しばかり待つことにした。


「立派な客船で御座るなぁ。」


 港について零斗さんが発した言葉がそれだった。 だが確かに旅行用という事もあってか大きさは十分あった。


「それでは我々はこれで。」

「はい。 ミカラ様やゼルダ達によろしく伝えておいて下さい。」


 ここまで運んできてもらったお礼を言った後に、俺達は船の入り口階段の列に並んでいく。 そして自分達の番になり事前に渡されたチケットを渡して中に入る。 そしてチケットと引き換えに貰った2つの鍵を持って客室へと向かう。 そして1つをサヴィに渡して俺達は荷物を置いた後にラウンジへと向かい、他の乗客と同じ様に出発を待った。


『皆様お待たせいたしました。 この船は島国ヒノマルへと向かう船となっております。 約1日のクルージングをどうぞお楽しみ下さい。 それでは出港を致します。』


 アナウンスと共に船は動き出した。 こうして考えると船事態に乗るのは2.回目になるのか。 帰ってくる時は飛んで帰ってきたしな。 思いつつも遠くなっていく港を眺めながら、海の風に当たっていた。


「それじゃあちょっとAI領域に入るから、何かあったら教えてくれ。」

「分かった。 私達はロビーにいるから、終わったらそちらに来てくれ。」


 そうして俺は部屋に残り、ゴーグルを装着してAI領域に入る。 朝に何度も入っているこの領域ではあるものの、普段はパックを適当に開けてすぐに外してしまう事が多いため、カード効果を実質読んでいない事にも繋がっている。 そう考えれば確かに惜しい。 そんな感覚で俺は自分のデッキケースを確認した後に、端でチラチラ見えているもの、今回メスリ様がくれた空のデッキケースを触れることにする。


「触っている感覚はあるけれど、実物は存在していない。 改めて考えてみりゃ、かなり異質な状態だよな。 これって。」


 この世界の理に今更ながら突っ込みを入れると、俺はまず中身の無いデッキケースを確認し、次に自分の所持しているカード一覧をズラリと並べる。 ある程度縮小して見ているとはいえかなりの量のカード(情報)を所持している。 しかも枚数まで書かれているとなると、質量にしたらとんでもないことになっていただろう。


「そう言った辺りでは、AI様々かな。 こんなにカードを持っていても使い道が無いだろうしな。」


 ぶっちゃけこれだけのカードの種類があっても、使うカードを持ち歩く程度で、ほとんどはどこかに保管している事になるだろう。 そうなってくると状態によっては捨てざるを得ない状態にもなっていた。 それだけでも計り知れないだろう。


「んー、とりあえずカードを入れる事と、相互が出来るか確認するか。」


 そう決めた俺はカードを確認して、ある程度コンセプトを決めたら、デッキを組んでみることにする。


「俺の元々のデッキは捨て場からの利用も含めたリユースデッキみたいなものだ。 だったら敢えてそこから外してみるのも悪くはないな。 使いきりって言い方をするのは良くないだろうが、その分強力なカードを入れておこう。」


 そんなことを思いながら新たなデッキの為にあれやこれやとカードを選別していく。 AIということもあってソート機能も付いていたので、ある程度カードを選別したら、それと似たり寄ったりなカードを選別して、使えるか使えないかの判別をする。


「・・・うーむ、こうして改めて見てみると、最初に取ったものも悪くないが、後から取ったのならデメリットや条件の難しさを考えなければ強力なんだよな。 この辺りはコストとかと相談になるか?」


 カードをソートしていて分かったことだが、このカードの一覧は俺が入手した順番になっていて、下に行けば行くほど古くなっていく。 だが同名カードは同じ場所にあるだけ分かりやすくて助かる。


「テーマデッキに出来れば良かったんだが・・・名前が似たようなのがほとんど無かったな。 探せても半分くらいしかないぞ。」


 そしてネームソートをしてみても類似名は言う程見受けられなかった。 正確に言えば何枚かはあったが、それこそデッキに出来る程のカード枚数は存在していない。 全部をそのテーマにすることはないが、やはりテーマデッキならばある程度は沿っておきたいのが俺の考えだ。


「ま、出来ないものは出来ないってことで。 今回確認したからもしかしたら次に引くカードにはあるかもな。」


 微妙な期待をしつつ、俺はなんとかしてデッキを作る。


 色々と思案しつつ考えたデッキに費やした時間はかなりのものだったと自分でもなんとなく感じていた。


「さてと、これで作ってみたから、後は試運転と行きたいところだが・・・」


 試しに自分のいつものデッキと試合をしようと思ったのだが


『デッキの使用者が同じなので、試合を行うことが出来ません。』


 そう弾かれた。 まあ、そりゃそうだろうなと思った。 この方法は一人二役やるわけだが、どっちのデッキも知っているのでは有利不利が全く意味なくなってしまうからだ。 しかもこの領域にAIが存在しないので、自分のデッキ同士での試合が実質不可能になっているのだ。


「戻ったらメスリ様に戦闘AIを搭載できないか聞いてみるか。」


 そんな終わってからの事を考えながら、俺はAI領域から出る。 結構な時間をいたので、頭が痛くなってくる。


「あっちに変化が無かったか確認しに行くか。」


 俺は客室を出て、廊下を歩き、ロビーへと着く。 そろそろ夕方になる事もあってか、食事の準備がなされていた。 ビュッフェ式らしいので、適当に取りに行けばいいだろう。


 辺りを見渡すが、ベルジアや零斗さんらしい人物は見当たらない。 どこにいるのかと探っていると、なにやらボーイと話していたので、そこに駆け寄る。


「どうしたんです? 二人して。」

「む? おお、セイジ殿。 丁度良いところに来たで御座るな。」


 どういう意味だろうと思っていると、ベルジアとボーイとの間になにかが見えた。 それを見るとどうやらお札のようだ。


「零斗さん、もしかして」

「うむ。 ここで換金をしておくようだ。 船の中の物は特に料金は取られることはないらしいのだが、船が港に着いてからはすぐに入れ換えが入るとの事なので、今のうちに換金をしておくのが、吉らしいで御座る。」


 なるほど、やっぱり換金システムはあるみたいだな。 というよりも今までが同じ通貨だと思っていたので、ちょっと新鮮だった。 逆に言えば空を飛んで帰ることはしない方がいいとも取れた。 換金が出来ないのならば意味がないからな。


「それで、デッキの方は完成したので御座るか?」

「ええ、一応は。 ただデッキは特にこれといった縛りを設けないように考えました。」

「何故だ? デッキは決めておいた方が良いのではないのか?」


 換金が終わったベルジアからそんな質問がとんできた。


「臨機応変にって奴だよ。 今の俺の最初のデッキは大体完成形だ。 だから無理に崩したくないんだ。 それにどんな状況でも対応出来るようなデッキにしておいた方が、色々と都合が良かったりするんだよ。」

「そう言うものか。 まあセイジのデッキなので、どうこう言うつもりはないがな。」


 そうしてくれるとありがたいよ。 俺も所持金を換金してもらい、ロビーに入る。 入港が明日の朝とのことなので、それまで船旅を楽しむこととしよう。


『皆様大変お待たせいたしました。 この客船はまもなく「ヒノマル」の港へと入港致します。 お忘れものの御座いませんよう、ご注意下さい。 客船でお楽しみ頂けたことを心より感謝致します。』


 そんなアナウンスと共に、客船のラウンジから外を見る。 確かに大陸が見えてきた。


 島国 ヒノマル その地で俺達はなにを見るのだろうか。 果たしてどこまで日本と同じなのだろうか。 今から少しずつ楽しみになってきていたのだった。

今回のサブデッキに関しては詳しいデッキ内容は明記しません。


理由は後々説明していこうと思います。

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