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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
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報告、帰還、次の場所へ

今回は短めです

「そうだったのですか。 では改めて我々が調査に向かい、危険性が低いのであれば、街の人に事情を説明してみましょう。」

「一応なんですけど、戻ってきた人達に対してあまり重くなるような刑罰は与えないで下さいね?」

「心配いりませんよ。 そもそもこれだけで十分に調査報告がなされているので、調査自体は引き継ぎのものとなります。 よって調査隊の人達は報酬の件で相談したのち、解散とさせていただきます。」


 そんなにあっさりでいいのかと思ったが、向こうには向こうなりの都合があるのだと解釈して後の事は任せることにした。


「それでは調査報告をしてもらいましたので報酬を・・・」

「ああ、別に俺達は必要ないですよ。 そもそも今回の調査だって成り行きみたいなものでしたし。」


 そう言って皆の顔をみると、特に異論は無いようで俺は受付の人に肩を竦めた。


「わ、分かりました。 それでは後の引き継ぎはお任せください。 本日はありがとうございました。」


 そして俺達は役所を後にするのだった。


「それで、この後はどうする? セイジ。」


 役所を出た後にベルジアに聞かれる。 確かに実質任務は終わったわけだし、このまま帰ってしまっても特に支障はない。 しかし何となくだがこのまま帰るのも後味がほんの少し悪い気がしている。


「なぁ、ちゃんと最後まで見届けてから帰らないか? 終わったらすぐに帰還してとは言われてないし。 どうなったかくらいの報告も必要だろ?」


 そう意見を出すと、皆も頷いているので、どうやら肯定したようだ。


 そして街を適当に巡回しつつ、役所の近くを確認していた。 そして大体2日くらいで、今まで行方不明だった人達や調査隊が全員帰ってくるのを確認できた。 というかそんなに調査隊を派遣しておきながら何故誰も疑問に思わなかったのかと突っ込みたかったが、あの大樹が無差別に夢に引きずり込んでいたのなら、報告できる人物がいなかったことになるから、どのみち無理だったのかと改めて考えた。


「それで、どのようにしてミカラ様にご報告をなされるおつもりですか?」

「そうだなぁ・・・」


 ミルレに問われて俺は、空を飛びながらあの街での出来事を考えていた。 今回の行方不明事件は1つの洞窟の中にある大樹が無差別に夢に引きずり込んでいた事。 それらの夢を見ていた人物達には五体満足で帰ってこれたこと。 夢を見ていた者達に大樹の精霊が語りかけてきて、害はないことを訴えていたこと。 これらをどう統括的に説明するか悩んでいた。


「普通に説明するだけじゃダメなんスか? 包み隠すよりは断然いいと思うっすけど?」

「セイジが悩んでいるのはそう言うのではない。 脈絡のところをどう説明するかを悩んでいるのだ。 ファルケンもそのような事実だけを並べられて納得が出来るか?」

「・・・言われてみると疑問ばかりっす。」

「結果が全てじゃないわ。 その過程をどう捉えるかも重要だったりするのよ。 魔法だってそうだもの。」


 馬車にのっているみんなも同じ意見のようで、脈絡を話さなければならないと考えると頭が痛くなってくる。 重要視するのはそこではないと分かっていても、疑問無く報告が終わるとも思えない。


「ミカラ様は、ご主人様に、そんなに厳しくは、しないと、思うのですが・・・」

「それでも関係性は複雑だからなぁ。 ま、疑問になった部分を答えるだけにするのが一番手っ取り早いだろうしな。」


 ここまで言ってて思ったのは、そんなに難しい事は言わないんだよな?という事だけだった。


 そしてハーキュリーの上空に来たところで俺達は高度を下げる。 前々から思っていることなのだが、そこまで上空を高く飛んでいるわけではない。 だからその気になれば俺達の存在は見えているのではないかという事だが、これに関しては言い替えれば何を言われようともいるのは上空なのでどうすることも出来ないはずだ、みたいな懸念だけである。


 そんなわけで城には直接向かわずに、一度近くの森に着地して、ドーホース達にそのまま走らせる。 ドーホース達もあまりにも走らせていなかったので足が鈍っているかもと思い、飛べるようになった今でもこうして走らせているのだ。


 そして城の近くにきて、門番の人に挨拶を済ませ、中にはいる。 その間ドーホース達はお留守番だったのだか、門番の人が中庭で走らせてくれるということで、馬車を繋ぐ鎖を外し、ドーホース達は門番の人に預けた。


「なるほど、そのようになられましたか。」

「ええ、これ以上の心配は今のところは不要ですが、何かしらの伝達はあってもおかしくはない、という現状です。」


 ミカラ様に報告をすると、ミカラ様も納得するように頷いた。 特に疑問に思うこともなく。


「分かりました。 わざわざありがとうございました。 大変な事があったようですので、どうぞごゆっくりなさってください。」

「ちょ、ちょっと待って下さいっす。」

「あらファルケンさん。 どうされましたか?」

「い、いや、他になにか無かったっすか? なんでそんなことになったとか、その後の事とか。」

「はっはっはっ。 確かに気になることばかりかも知れないけれど、それをいっぺんに教えることはないんだよ。 ま、食事の肴として話題に出させて貰うかな。」


 ファルケンの驚きに対してムサロ様が答える。 寛容というのか、面倒というのか、とにかく細かいことは後にするようだ。


「師匠、これでいいんすか?」

「ま、変なことを言わないようにするだけ、向こうの気遣いじゃないか?」


 それだけ労ってくれていると思っておこう。 積もる話しもあるだろうし。


「とはいえ帰ってきて早々だけど、すぐに行って貰いたい場所もあったりするんだよね。」


 ムサロ様がそう口にする。 俺達は空気を変えた。


「それはどこになりますか?」

「それはセイジ君とレイト君の生まれ故郷と同じ様な街造りをした場所、島国「ヒノマル」だよ。 最近なにかと不思議な動きがあるらしい。 我々の脅威にはならないだろうけれど、現状だけは知っておきたいと思っているんだ。」

短い理由としましてはこの話は前の場所と次の場所に行く為の繋ぎのような話だからです。

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