パワーバーンVSハンドレス 4
「私はコストを12支払い、「暁竜 サンセッドラゴン」を召喚!」
『モンスター:暁竜 サンセッドラゴン レアリティ 銅 コスト 12
種族 竜族
1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのモンスター1体を捨て場に送る事で、相手のライフコアに捨て場に送ったモンスターのコスト分、ダメージを与える。 この効果を使用した場合、このカードはコンバットタイムを行えない。
ATK 10 HP 30』
バーンモンスターとはまた典型的なものが来たな。 しかもしっかりと使用不可の対策までされてら。 抜かりない・・・
「サンセッドラゴンの効果により、ボムドラを破壊する事で、相手のライフコアにダメージを与える! 更にボムドラの効果とマーグラドの効果も相乗する!」
ボムドラはサンセッドラゴンの後光が当たる。 それに通じてダメージが零斗さんのライフコアに大きく削っていく。 零斗さんはこの時点で20ものライフコアが減った。 マーグラドの本領発揮となったことだろう。
「ベルジア殿の本気で御座るな。」
「そちらが本気を出すのだから、私もそれに答えなければ、むしろ失礼だと、セイジから学んだからな。」
「ふっ。 どうやら、どうするかも、決めたようて御座るな。」
なにかを決意したかのように話し合う二人。 その姿に、俺はため息をついた。
「セージ。 あの二人が言ってることってどういうこと?」
「この試合が終わったら聞いてみればいいさ。」
「クールタイムに入り、私はエンディングを迎える。 そして「活火山の火口」の効果を発動。」
「こればかりは、流石に耐えられないで御座るな。」
試合もいよいよ佳境と言った所だろう。 零斗さんのターンになる。
「拙者の開戦、そして山札を引く。 戦闘準備。 攻撃をしなかったのには、少々訳がありそうで御座るな。」
あの場で攻撃を止めたベルジア。 だが戦略上のミスではないと感じたのだろう。 零斗さんは手札を見て考える。
「なにを迷っているのだ? 使えばいいじゃないか。 あなたの主な戦術は手札が0枚になった時に発生させるものが多いのだろう? こう言ってはなんだが、手札を保持するのは、あなたにとっては戦術的に辛いのではないか?」
ベルジアは相手を挑発するかのように言っているが、零斗さんもそれに反論は返さない。 的を射ているから反論は出来ないし、ベルジアもそれを分かって言っている。 そのまま使えばいいのだから普通の答えである。 だが零斗さんは一度考えた。 つまり彼にとって、使いどころを見定めるカードなのだろうか。それともそう思わせる作戦か。 カードゲームは時に心理戦にも発展するのだ。 でもどうだろうか?
「戦闘開始! 武蔵野でサンセッドラゴンに攻撃!」
仕掛けた! しかも手札を残したままで!
「わざわざ自分の手札を残してまで攻撃を仕掛けて来た。 その手札になにか意味を感じる。 だがサンセッドラゴンを破壊されるわけにはいかない! 私は捨て場にある「地から聞こえる唸り」を、コストを7つ支払い発動する!」
『魔法カード:地から聞こえる唸り レアリティ 紫 コスト 7
自分フィールドの「竜族」を捨て場に送る事で、相手モンスターを1体の体力を半分にする。
このカードが捨て場にある時、自分フィールドのモンスターの戦闘破壊を無効にする。 ただし試合中に一度しか使用できない。』
捨て場からの効果発動。 これは零斗さんから学んだことだろう。 バトルしているフィールドはなにも見えている場所ではない。 それは零斗さんの戦いが一番良く見える。 それだけ二人は戦いあってきたのだ。
「破壊は出来ぬか。 攻撃力と体力が一緒で御座ったな。 だが次は確実に破壊させて貰う! 休息に入り、拙者は休戦に入るで御座る。 そして「活火山の火口」の効果を受けるで御座る。」
火口での戦いが完全に二人の闘争本能を掻き出すかのように吹き出し始める。 なんて白熱した戦いだ。 俺もまたああ言った戦いをしたいと思うな。
「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 私はコストを8つ支払い、「トランスドラゴン」を召喚する。」
『モンスター:トランスドラゴン レアリティ 紫 コスト 8
種族 竜族
このカードは自分以外の「竜族」モンスターに、自分フィールドのモンスターの攻撃力を上乗せする。 ただしこの効果を使った場合、選択したモンスター以外のモンスターは、このコンバットタイム時に戦闘を行えない。
ATK 12 HP 6』
あのモンスターの効果はあいつのエースモンスター「クルセージュ」の小型版か。 なるほどな。 ベルジアの戦法が分かったぜ。 それならばもしかしたら零斗さんを倒せるかもしれない。
「そして私は自分のスキルを発動させて貰う! 『我が命を力に』!」
ベルジアのライフコアが半分の「22」になる。 しかしその分、フィールドのモンスターには攻撃力が上昇していた。 そう考えるとこの「我が命を力に」は俺がベルジアと再開した時に、自分の新たな可能性だと言って見せてくれたスキルだ。 自分の命を他者に渡すこと。 それが領主としての運命だと自らが証明するためのスキルだ。
「そしてトランスドラゴンの効果により、すべてのモンスターの攻撃力を「マーグラド」に明け渡す!」
トランスドラゴンとサンセッドラゴンの口から炎が吐かれ、マーグラドはそれを全身で受け止めている。 マグマのような身体をしているので、熱には強い。 更に火力をあげるには十分過ぎる効果だ。 これでマーグラドの攻撃力は「100」。 零斗さんの武蔵野の体力を軽く越えた。
「悪いがレイト。 これだけであなたを倒せるとは思っていない。 だから念には念を入れさせてもらう! サンセッドラゴンの効果を発動! トランスドラゴンを捨て場に送り、そのコストのダメージに「マーグラド」の効果を上乗せしたダメージを受けて貰う!」
サンセッドラゴンがトランスドラゴンに後光を当て、その流れで零斗さんのライフコアを削っていく。
「レイト、この戦いに付き合ってくれた事を感謝する。 コンバットタイム! マーグラドで武蔵野に攻撃!」
マーグラドが武蔵野に向かって飛んでいく。 これが通ればベルジアの勝利となる。 だが零斗さんには自分のデッキコンセプトを崩してでも残した手札が1枚ある。 あれが果たしてなにを意味しているのか。
その間は1秒。 マーグラドの突進が武蔵野にぶつかる。
「入った!」
誰もが決着だと思ったその時、零斗さんは声を発した。
「ベルジア殿。 確かに汝の成長は、この場にいる者達全員に届いたで御座ろう。 汝は強くなった。 そう感じていることで御座ろう。 しかし」
そう言って零斗さんは自分の手札のカードを使った。
「拙者にも負けられぬ意地があるというもの。 スキルを使えずとも、勝利へと導けずとも、この命、ただでは朽ち果てぬぞ! 拙者は代償を10支払い、妨害カード「喧嘩両成敗」を発動するで御座る!」
『魔法カード(インタラプト):喧嘩両成敗 レアリティ 桃 コスト 10
自分フィールドのモンスターが戦闘で破壊された場合、相手に自分が受けるダメージと同じ数値分のダメージを与える。』
「なに!? 同じダメージだと!?」
「死ぬ時は一緒で御座る。」
そうして破壊される武蔵野は全身が光だし、鎧が弾けとんだ。 その破片は零斗さんのライフコアにも、ベルジアのライフコアにも当たっていく。 そして互いのライフコアが「0」の表示を示していた。 しかしまだ決着という訳ではない。 ベルジアがエンディングに入ったその瞬間でライフコアが「0」だったプレイヤーは敗北になる。 この運命に抗えるか? ベルジア。
「・・・ク、クールタイムに、入り、私は・・・・・・エンディングを迎えよう。」
その宣言の元で決着が付いた。 結果は引き分け。 最後の運命には逆らえなかったようだ。
「ふぅ。 まだ私の力が及ばなかった、か。」
「そうでもないで御座る。 あの「喧嘩両成敗」が引けたのは奇跡と偶然が重なったもので御座ろう。」
「しかしスキルを使っても、互角にされてしまっては、返す言葉もない。」
「それは言えているかも知れぬで御座るな。」
俺はそんな2人の元に行く前に、1つ拍手を送る。 するとアリフレア、ゼルダ、ミルレと続き、そして回りで見ていた人達も拍手を重ねていった。
「これは・・・」
「しっかり見させて貰ったぜ。 2人の戦いをな。」
その盛大になっていく拍手のなか、2人は互いを見合っていた。 そして2人は友情の証とも言える握手をしたのだった。
これにてベルジアと零斗の戦いを終えます
YU☆JOUというのは素晴らしいものですね。




