パワーバーンVSハンドレス 2
「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 私はコストを6つ支払い、魔法カード「竜よりの伝達」発動。」
『モンスター:竜よりの伝達 レアリティ 水色 コスト 6
自分はカードを1枚ドローする。 そのカードが「竜族」モンスターの場合、相手に見せることで、もう1枚ドロー出来る。』
「まずは1枚引く。」
ベルジアがカードを引く。
「引いたのは「竜族」モンスター 「槍竜 ドランス」。 なのでカードをさらにドローする。」
これでベルジアには手札が2枚増えた事になるが、そのうち2枚は「ボムドラ」と「ドランス」だと割れている。 流石にすぐに使わないと、戦略が変わってしまうだろう。
「私はコストを10支払い「槍竜 ドランス」を召喚する。」
『モンスター:槍竜 ドランス レアリティ 桃 コスト 10
種族 竜族
このカードは戦闘を2回行える。 このカードがする時、デッキ、手札、捨て場から、「竜族」を召喚する為のコストを半分にする。
ATK 10 HP 15』
ドランスの攻撃力は「孤高の新衛兵」より劣るが、攻撃回数を増やせば、ダメージは減るが倒すことは出来る。 少しでも盤面を返そうと必死になっている。
「レイトさんの手札は0枚です。 これならベルジアさんが有利なのではないでしょうか?」
「・・・そっか、ミルレだけは零斗さんのデッキについて知らなかったっけ。」
なにを言っているんだこの子はと思ったのだが、よくよく考えてみればミルレは俺達が個人的にカードゲームをしている姿を見たことがない。 ならば零斗さんの「ハンドレスコンボ」についてを知らなくても仕方がないことだ。
「ま、見せれば嫌でも分かるか。」
「なにか言いましたか? セイジ様。」
「この戦いの行く末はそんな簡単な終わり方はしないってことだよ。」
この戦いはベルジアの成長を見せるもの。 だがそれを領民に対して行うのではなく、敢えて同じ旅をしてきた俺達の仲間、零斗さんに勝負を仕掛けた。 そして零斗さんも手を抜く事は決してない。 それは相手の尊厳を奪うことになるからである。
「どうしたで御座る? 攻撃を仕掛けないので御座るか?」
「そちらが普通に攻撃を仕掛けて返り討ちにあっている。 ならば同じ様な結果になることは読めている。 それにレイトの手札が0枚だからといって、おいそれとそちらの戦いに入る私ではない。」
「確かにそうで御座ろうな。 だが攻撃を仕掛け無ければ倒せるものも倒せぬで御座るぞ。 それに拙者には「暗黙を知る者」がいる限り、汝の効果による心臓核の減少はないで御座る。」
「そうでしょうね。 だからこそこちらは方法を変えるのですよ! コンバットタイム! 槍竜 ドランスで「暗黙を知る者」に攻撃!」
お、そう来たか。
「セージ。 ベルジアはなんで新衛兵じゃなくって、暗黙を知る者の方に攻撃をしに行ったのさ? 厄介なのは新衛兵の方だろうし、暗黙を知る者は戦闘では破壊されないんじゃなかったでしたっけ?」
「戦闘では破壊されない。 効果を聞けば、厄介極まりないし、そもそも数が減らないからな。 だけど、それは今回は逆に好都合なんだ。 戦闘で破壊されないならその場に残る。 つまり、その分そっちでダメージを稼げばいい。」
「じゃあ方法を変えるって言うのは」
「元々ベルジアの戦法は「パワーデッキ」。 力だけのゴリ押しなら、俺よりもあいつの方が上だ。」
効果で勝てないのなら、力で押せばいい。 ベルジアの戦い方は臨機応変さもあるのだ。
「なるほど、確かにそれならば、拙者に傷を負わせることは出来よう。」
だが零斗さんも手札が0枚になったことで、戦略的には幅が広がったことになる。 ここからは知恵比べの時間である。
「拙者は代償を5つ支払い、捨て場に存在する「暗がりの霊媒師」の効果を使用するで御座る。」
『モンスター:暗がりの霊媒師 レアリティ 水色 コスト 5
種族 魔法使い
手札が0枚の時、このカードが捨て場に存在する時、このカードをデッキに戻すことで、相手モンスターの戦闘を、1度だけ無効にする。
ATK 2 HP 4』
無効にするのは当然の事だろう。 そして種族が「魔法使い」となっている。 今までは衛兵が多かったが、サヴィと出会ったことで、効果を発揮しやすい種族として迎え入れれたのだろう。
「ふっ。 手札が無くなった時点でそう来ることは予測できていましたよ。 しかし! 戦闘で無効に出来るのは1度のみ! そして槍竜 ドランスは戦闘を2度行える。 これは効果によるもの。 つまりコンバットタイムを終了しているわけではないので、ドランスの2度目の攻撃を仕掛けられるわけだ!」
そうベルジアは高らかに声をあげる。 しかしベルジアの言っていることはもっともだ。 だからこそベルジアはそう声をあげるのだろう。 そしてこればかりは零斗さんも対策しきれていなかったようで、攻撃を受けてしまった。 「暗黙を知る者」は戦闘では破壊されないが戦闘ダメージは発生する。 まだ状況は変化していない。 圧倒的大差はまだ見られない。
「クールタイムに入り、私はエンディングを迎える。 そして「活火山の火口」の効果により、ライフコアを削る。」
それを受け入れるかのようにベルジアは破片を食らっていく。 「肉を切らせて骨を断つ」とはまた意味合いが違うように感じるが、ベルジアのフィールドにある卵は、まだ孵化しないでいた。
「拙者の開戦、そして山札を引く。 戦闘準備。 どうやら汝はその卵をなんとしても守りたいようで御座るな。」
「その口ぶりだと、なにか対策が出来たという事でしょうか?」
「ふっ、それはこのカードが示してくれるで御座るよ。 先程引いた札は「剣王 ツルギノ」。 その効果を発動するで御座る。」
『モンスター:剣王 ツルギノ レアリティ 桃 コスト 11
種族 衛兵
手札が0枚で、このカードをドローフェイズにドローした時、このカードをデッキに戻すことで、デッキから「衛兵」カードを手札に加える。 ただしこの効果で手札に加えたカードは、このプラポレーションタイム時、召喚する事は出来ない。』
あれは「旧騎士王 ハイラース」と同じ効果条件を持つモンスターか。 レパートリーを零斗さんは増やしていたようだ。
「拙者は手札に引いた「ツルギノ」を山札に戻す。 そして山札の中から、1枚の札を手札として持つで御座る。」
手札に加えたカードまでは教えなくても良いようだ。 なにを手札に加えたのか、分かるのは零斗さんのみだ。 だが
「レイト。 先程のカード、些か自分の首を絞めたのではないだろうか?」
そう、今のカード、手札に加えるカードなので、これでは零斗さんのコンセプトが潰えてしまう。 自ら首を絞めたという表現は、あながち間違いではなさそうだが。
「ふむ。 確かに今までの拙者は、手札を減らすことはあっても、増やすことはしてこなんだ。 当然だ。 それでは拙者の戦略にならぬで御座るからな。 しかしベルジア殿。 拙者も汝と同様に様々な者に会い、感じてきた。 これが意味するところが、分かるで御座るか?」
「・・・今手に入れたカードは・・・」
「拙者の成長の証の1つと言えようぞ。 戦闘開始! 新衛兵で守られし卵を攻撃!」
新衛兵の攻撃が始まる。 確かに卵の耐久力はないし、守る術もあるか怪しい。 ここは零斗さんにとってもチャンスではある。
「確かに今の私には卵を守る術は存在しない。 破壊されればそのまま私のライフコアは削れていくだろう。」
ベルジアは悟ったかのように語り始める。 その事を明らかにしたということは、本当に術が無いのだろう。
「だがこの守られた子孫を自分のプラポレーションタイムまで、残すことはない、と言ったら?」
「・・・! まさか汝は・・・!」
「「守られた子孫」の効果を発動! このカードを捨て場に送ることで、自分のデッキから「竜族」モンスター1体を召喚する! そしてこの時のコストは、自分のプラポレーションタイムの数の2倍となる! 私が過ごしたプラポレーションタイムの数は「2」。 よって私はコストを4つ支払うことで、デッキから『溶岩竜 マーグラド』を召喚する!」
新衛兵が攻撃を仕掛けた卵は、一撃で粉々に砕け散る。 だが中身は一切無い。 液体すらもだ。 そして活火山から流れ出る溶岩流から、1つの伸びる影があった。 赤赤しく光るその竜の体からは、溶岩が流れ落ちている。 奴はこの過酷な環境下で育った、竜の姿だった。
現状
ベルジア ライフコア 75
溶岩竜 マーグラド
活火山の火口
零斗 ライフコア 83
孤高の新衛兵
暗黒を知る者




