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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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この世界に起き始めた異変

 ミカラ様が出ていってから数分後、ミカラ様は2人の青年を連れて戻ってきた。


 1人はミカラ様よりも更に明るい赤色の芝生頭。 もう1人は逆に暗めのヘアゴムで髪を纏めている。 そして気が付いたのは、2人ともミカラ様に雰囲気が似ていたのだ。


「もしかして、前に言っていた息子さん達ですか?」

「そうです。」


 そうして2人ともミカラ様の前に出るように俺達に歩んできた。 先に手を出してきたのは芝生頭の方だった。


「はじめまして。 僕はムサロ・マーキュリー。 第一王子になるかな。」

「俺はメスリ・マーキュリー。 第二王子だぜ。 若いのに俺達の国の為に旅に出てくれたそうじゃないか。 凄い奴だぜ。」


 同じ様に手を差し伸べられたので握手を交わす。


「はじめまして、第一王子に第二王子。 自分はセイジ・ノムラというものです。」

「ほぉ。 その名前の使い方。 もしかして出身はヒノマルか? 良く見れば後ろの彼は髪の感じがヒノマルのオボーロにそっくりだ。」


 そうメスリ王子が言った。 ヒノマル・・・日の丸? 日本みたいな国があるのだろうか? だとすると今後出身を聞かれた時にはそれが使えるかもしれないな。 その前にどんな国なのかを知りたいところではあるが。


「まあ、似たようなところから来た、ということにしておいてください。 話せない複雑な事情がございますので。」

「そうか。 妙な詮索をして悪かった。」


 うん。 ミカラ様の息子なだけあって、とてもいい人だ。 そんなことを思っていたら、ベルジアが前に歩みよった。 そして頭を垂れる


「お初にお目にかかります。 私はアルフィスト次期領主であります、ベルジア・アスランでございます。」

「アルフィスト・・・確か去年に創られた新しい領地だったね。 そして君はその次期領主か。」

「前に見た時は、もっと荒々しい雰囲気があったが。」

「ええ。 確かにあの時の私は、領地をより良くしたい。 その一新で考えていました。 しかしセイジに会い、そして考えを改めさせられました。 どれだけ領地を良くしようとも、民が付いてこなければ領地をただ広げただけに過ぎないと。 だからこそ彼に付いていくことで、更なる領地開拓の為の物種に出来ればと思ったのです。」

「民のために自らを変える・・・か。 君は善き領主になるだろうな。 是非ともその志を忘れぬようにな。」

「はい!」


 そんな風に挨拶が交わされたところで、俺は気になったことを聞いてみることにした。


「ミカラ様。 彼らを呼んだ理由はなんですか? 紹介したかった、だけではないはずですよね?」


 核心的な事を説明するのだろうと考えた俺はそう聞くことにした。 するとミカラ様は2人の息子の前に立つのだった。


「流石にお察しが良いですね。 まずは立ち話もなんですから、座れる場所を用意しましょうか。」

「我々が旅をしていることは、母から聞いたと思う。 その旅の道中からまずは話していこう。」


 みんなが席に座り終えたところで、ムサロさんが話を切り出してきた。 ちなみに他のみんなの件に関しては一旦保留となっている。 それほどまでに聞いてほしい案件なのだろう。


「僕達はこの国を担う者として、他の国の築き方について学ぼうと各地を旅していた。」

「俺と兄は別で旅をしたので、戻ってきた時には、互いに有意義な情報を入手できた。」

「その時にあったことだ。 ある国では曰く付きの場所に向かったもの達が一向に帰ってこない事件があったり、またある国では食糧に対して取り合いが行われていたりもしていた。 とてもじゃないが見ていられない程に悲惨な光景を見てきた。」


 俺達も何ヵ国か回っては見たものの、そのような光景には合わなかった。 幸運とも言えるだろう。


 どの世界においても(恐らくだが)多からず少なからずの割合で貧富差が生まれる。 それが世界の理だと言われても、俺は納得をしたくはない。 しかしもう一つの帰ってこないというのは、少し気がかりになっている。 理由もないまま帰ってこないのはおかしい。 その辺りは調べてもいいかもな。


「今度は俺からいいか? 俺も何ヵ国か回って、奇妙な光景を見かけた。 それはカードバトルに関することだ。 確かに制約カードバトルによって、条件によって、様々な事が言える。 だがその制約を悪用して自分が最強だと謳っている者がいたり、自分は勇者だとよく分からないことを言っている人物を確認している。」


 この世界にもそんな世迷い言を言う奴がいるもんだな。 俺もこの世界で何度も制約カードバトルはしてきたし、スキルも何度も使ってきたが、正直勝った時の優越感などほとんど無かった。 まあ俺のスキルの場合は怒りの感情から来るものだから、完全にスッキリした感じになるんだよな。


「しかしそのような事態になっているのならば、部外者は対処できないにしても、内部である程度は抑制できるのでは?」


 ベルジアの言う通り、内部で壊れているなら、内部で直せばいい。 そう思っていたのは確かだったが、次のメスリさんの言葉で、絶句することとなった。


「それがな。 「俺に文句があるならかかってこい! 俺は()()()()()きた人間だぞ!」と叫んでいたらしくてな。 制約カードバトルを2、3試合程見たのだが、今までに無いようなカードを使っていたのだ。 先程言った最強だと謳っている者も、勇者だと言っているものも。」

「・・・・・・・・・え?」


 そう、この世界には確かに俺や零斗さん。 最近ではアリカにも会ったが、転生転移でこの世界に来た人物はいるのだが、俺も零斗さんもましてやアリカでさえ、そんな「転生転移すればなにかしらの力が携わる」なんて事が一切無い。 正確に言えば、この世界に来た時点で、カードバトルに関しては、スキルがある。 それが恩恵とも言えるが、そんな言いふらすようなレベルのものではない。


「それで、その者達がなにか問題を起こしているので御座るか?」


 半分思考が停止かけていたところに、零斗さんが質問をした。 そうだ、そこで話を持ちかけるにはなにか理由があるはずだ。


「うむ。 先程から言ってるように、自分の実力を棚にあげる輩が、どうも点々としていると、何回かの商人の話であった。 このままでは国自体の統率が乱れかねないと、商人たちも嘆いていたよ。」


 そりゃまあ、なんとも言えないのだが。 同じ異世界人としては仲良くなりたい部分もある気がするが、問題を起こしているのならば話は別だ。


「ミカラ様。 もしかしなくても今回のこの件を・・・」

「貴方になら託せれると思ったので。」


 やっぱり。 しかし俺はミカラ様には異世界人と言うことを説明していなかった記憶がある。 信頼から来ているものとして受け止めておこう。


「分かりました。 報告等はどのように行えば良いでしょうか?」

「逐一で無くても構いません。 問題解決の報告だけを行っていただければ、それで良いです。 それと、これも期間を設けません。 随時という形でお願いします。」

「分かりました。 それと数日間はこのハーキュリーに滞在しようと思っています。 里帰りや町の変化も見てみたいので。」

「その辺りはご自由になさって。 今日は長旅でお疲れでしょうからゆっくりしていってくださいな。 そちらの新しいお仲間様の話も聞きたいですし。」


 そうして今日のところはハーキュリー宮殿で1日を過ごすこととなった。 零斗さんやミルレの事を話したり、アリフレアが宮殿を散策したいと言ったり、ベルジアは2人の王子と話をしたいと言ったりと、有意義に休息を取れたと思う。 ドーホース達もゆっくりと休みを取れているみたいだし、今までの疲れを払拭出来ればと思っていたが、寝る直前まではそうも言ってられないらしいと感じ、俺はある場所に向かうために、()()()()眠ることにしたのだった。

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