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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
179/262

目的はなにか

『魔法カード:気候変動 レアリティ 水色 コスト 3

 デッキにある、領域カードを手札に加える事が出来る。』


 単純明快なカードだが、俺には「染み渡った晴天」を任意に回収することが出来ない。 だからこそ「雨降りにさ迷う少女」とのコンボがなかなか出来ないのは、デッキの構築内では悩みなのだが、それを1枚として組み込んでしまうのも、重くなってしまうので、使っていなかったのだ。 今回は役に立ちそうなカードが来てくれて良かった。


「問題は、あの毒草に対して、どうやって攻撃をするかだな。」


 そう、直面しているのはファラストの撃退についてだ。 何てことはない毒草ではあるものの、果たして普通に攻撃を通してくれるのか怪しいところ。 そもそも単体でいる時点で何かしら仕掛けてくることは確実。 だが攻めの一手としては進めなければいけない。


「コンバットタイム! ハンドスティールでファラストを攻撃!」


 さぁ、なにかを仕掛けてくるならやってこい。 こっちにだって対処法はあるんだぜ。


「私はコストを5つ支払いインタラプトカード「ダークバニティ」発動!」


『魔法カード(インタラプト):ダークバニティ レアリティ 紫 コスト 5

 自分フィールドのモンスターが攻撃された時、手札を1枚捨て場に送ることで、相手の攻撃を無効にし、次の相手のコンバットタイム時、攻撃を行えない。』


 攻撃を2ターンも無効にしてくるカードか。 これはかなり厄介だな。 だが、対策が出来ない訳じゃない! 今の俺の手札にはそれがある!


「俺はコストを9支払い、インタラプトカード「怨霊の怨み言」発動! 手札のモンスター、「エンジェルビー」を捨て場に送ることで無効にし、破壊する!」


 闇に囲まれていたと思われた背景が晴れ、スティールがファラストに手を伸ばし、そのまま引きちぎり、草を消し去った。 これによりファラストが破壊され、マヤコンのライフも削れた。


「このまま一気に畳み掛ける! ウエスタンヒーローでライフコアに攻撃!」


 コイントスを行い、結果は裏だったので、HPの方で攻撃する。 本調子ではないようで、ライフコアは少ししか削れなかったが、確実に減っていった。


「続いてピエロで攻撃する!」


 ピエロの攻撃を終えて、大分有利を取れたような気がする。


「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」


 大分相手との差が出来たところで、俺は気になっていた事を聞くことにした。


「なぁ、あんたにとって王様が消えた時のメリットってなんだ? 大臣という立場があるなら、そこまで王様が死ぬことに固執する事はないだろ。 むしろいてくれた方がまだ安定しないか?」

「どうだろうかな。 確かにカシオ様から私は仕事を請け負ってはいる。 だがそれ以上にミルレ様の、いや、妖精族の力は偉大なのだ! 仕事など投げ捨ててしまいたくなる程ね!」

「王様だって妖精族だろう?」

「カシオ様ては意味がない。 私の息子に娶ってもらい、そして妖精族の力を次世代へと紡ぐのだ。 これはこの国にとっても、我々にとっても良い兆しになるとは思わんかね?」

「なるほど。 つまり半分は自分達の利益のためってことだよな? というか、それなら尚更王様を殺すのはおかしいじゃないか。 ミルレ様が選んできたにしても、最終的に決めるのは王様だろ?」

「私の息子は才色兼備だと言うのに、ミルレ様もカシオ様も振り向きすらしない。 それに殺すというのは表現が悪いではないか。 カシオ様は体調を崩されているのだ。 それにそんなことを言うと言うことは、やはりお前がカシオ様の命を狙った賊である証拠ではないのか?」


 色々と話が面倒になってきているが、結局は私利私欲のために、妖精族の血を引くミルレ様自身を欲している。 しかもそれに王様を介入させないために、病死と言う名の毒殺を考えたのだろう。 確かに時間はかかるかもしれないが、暗殺されるよりも猶予があるため、可能性を見いだせる、というわけだ。


「それにお前は国の存亡をかけている時に、横槍を入れた。 これによってこの国が破滅の道に進んでいたのかも知れないのだぞ。 彼女の力は誰しもが手を伸ばしたい力なのだ。 それを旅人が扱えるわけがないだろう? だが賊であるというのなら話は別だ。 ここで始末すれば、それで良いのだからな。」


 言葉は丁寧だが、言っていることは蛮行である。 さすがに息子と言えど、この親では迎え入れたくないだろうな。


「だから私は、この国の理想のためにも、お前を倒す! 私のオープニング、そしてドロー! プラポレーションタイム! ・・・ふはははは。 ファラストは確かにポイズンドリップの効果による変化で生まれたモンスター。 しかし元からこの毒沼に適合するモンスターを私は持っているのだよ! コストを16支払い「デスブラッドサーペント」を召喚!」


『モンスター:デスブラッドサーペント レアリティ 銀 コスト 16

 種族 爬虫類族

 このカードが攻撃を行う時、元々の体力よりも低いモンスターで無ければ攻撃できない。

 このカードは領域カードが存在する時、1ターンに一度、相手モンスターとの戦闘を無効にする事が出来る。

 このカードは領域カードが存在する時、1ターンに一度、相手のカード効果による破壊を無効にする。

 このカードが存在する時、エンディング時に相手モンスターに「毒」カウンターを1つ乗せる。 「毒」カウンターを取り除くことで、取り除いたターン、相手のモンスターの攻撃力を半分にする。

 ATK 27 HP 35』


 毒沼から出てきたのは紫色の大蛇。 俺達のモンスターが小さく見えるほどに大きく、その大口から見える牙にはタラリと毒が流れている。 あんな毒をくらってしまったら、ただでは済まなくなるだろう。


「コンバットタイム! デスブラッドサーペント、あのピエロを食い殺せ!」


 デスブラッドサーペントが大口を開いてピエロを一口で食べてしまう。 ライフコアも一気に減らされた。 だが今の領域カードは「毒々しい沼」になっている。 効果は使用出来るようになっている。


「サーカス団のピエロの効果。 このカードが戦闘により破壊された時、このモンスターはサーカスボールとしてステータスを半分にして召喚をする! 戻ってこい! サーカスボール!」


 食われたと思ったのは実は偽物で、と言ったサーカスならではの演技を繰り出すが、今の現状ではなにも変わらない。 まだモンスターが3対残っているのが救いかもしれない。 ライフコアは半分以上削れているが。


「ふはははは! この圧倒的なパワー! 完璧な環境下! これ以上に無い好条件で、お前に勝ち筋は無い! クールタイムに入りお前のモンスターに毒沼の毒が入り、エンディングにはデスブラッドサーペントの効果で「毒」カウンターが乗せられる! 私の計画を邪魔をしたお前には、じわじわとお前の命を削りきってくれるわ!」


 そんなマヤコンの言葉に、俺はため息をつくばかりだった。


「どうした? この状況に諦めでもついたか?」

「いや、あまりにも醜く見えてな。 さっきまでの紳士的な態度が嘘みたいだ。 本当に国のためを思っている人間の言動に見えなくてな。」


 その言葉にマヤコンは眉を動かした。 そもそもこれはなんのための戦いなのかを忘れているようでは、どのみちろくな人間でないのは確かだろう。


「ふん。 一見状況が有利に見ているかもしれないが、デスブラッドサーペントは決して負けない。 今は感じていなくとも、ターンを重ねれば重ねる程にお前のモンスターは侵食をされていくのだ。 そしてその術中にお前は堕ちていくのだ。 この領域のようにな。」

「忘れてるかもしれないけれど、このAI領域、ある程度の範囲に入ったら普通に観戦できるんだけど?」

「そのようなことは問題ではない。 私が勝てばお前が悪になるのだからな。 早く自分のカードを引きたまえよ。」


 最初にあった頃よりも顔は歪み、台詞もどちらかといえば悪役よりだ。 無我夢中なのか、味を占めているのか、これ以上の長居は無意味だろうと考えていた。


「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 ・・・! 来てくれたか。 待っていたぜ! 俺はコストを8支払い「雨降りにさ迷う少女」を召喚!」

現状

マヤコン ライフコア 71

デスブラットサーペント

毒々しい沼


セイジ ライフコア 51

怪盗ハンドスティール

ウエスタンヒーロー

サーカスボール

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