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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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彼女からの真相

「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 セイジさん。 この様な機会を与えてくださり、本当に感謝しています。 本当に、言葉だけでは返せないほどに。 ですが、勝負というのは、やはり勝ちたいと思うのが、性だと思います。」


 そうアリカは淡々と告げる。 それは生物に置いては当然の心理だろう。 そしてそう口にすると言う事は


「だからこそ、このカードを使いたいと思います! 私はコストを22支払い「最高指揮者 ザ・コンチェルトレディ」!」


『モンスター:最高指揮者 ザ・コンチェルトレディ レアリティ 金 コスト22

 種族 魔法使い族

 このカードが存在する限り、自分フィールドの「オーケスト」モンスターの体力は10上昇する。

 このカードは自分フィールドに「オーケスト」モンスターが存在する時、戦闘、及び効果の対象に選択できない。

 自分フィールドの「オーケスト」が戦闘及び効果で破壊された時、相手のクールタイム時、破壊された「オーケスト」モンスターを効果を無効にして召喚する。

 ATK 15 HP 40』


 あれがアリカのエースモンスター。 演奏をするにも調和をする人間は必ずいる。 そして指揮者は全体を纏めるのに絶対にいなければならない存在。 自分の進むべき道は、決まっているようだな。


「コンバットタイム! ザ・コンチェルトレディで、ツーピースブロックを攻撃。」


 この攻撃は止める意味はないな。 受け止めよう。


「ツーピースブロックの効果! カードを裏返し、ワンピースブロックとして、竜の生まれ代わりに装備する。」


 そうして次の攻撃を行ってくる・・・と思った瞬間、アリカは手札のカードを下ろした。


「どうした? アリカ?」

「いえ、これは私がこれからこの先でやっていくための、意思表示のカード。 このカードで勝てるとは思っていません。 ましてやあなたに勝てるなんて微塵にも思ってもみません。 それは前回の戦いで分かったことです。」


 そう言いながらデッキに手を置いた。 投了の証だ。 彼女にこれ以上の闘争の意志がないことが分かった。


「そもそもこんなことをする必要なんて、一切なかったんですよね。 本当ならば。 動けなかった事を恥じるつもりはないですが、周りに圧しきられたままは、私の可能性を潰すことなのだなと、あなたを通じて感じとりました。」


『勝者 セイジ ノムラ アリカの証明提示を行います。』


 AI領域が解除され、他のみんながこちらに寄ってくる。 もちろん町の住民も寄ってくるが、襲い掛かってくる様子はない。 みんなが寸止めをしてくれたんだろう。


「後はあんた自身に任せるぜ。 俺達はもうなにも言わないからよ。」


 そう言って俺はその場を離れ、みんなの所に合流する。


「本当にあれでよかったのか? 私達が介入した方が良いのでは?」

「真実を伝えるのに、他の奴がいるか? せめて見守っていこうぜ。」


 そうしてアリカは祭壇の上に立つ。 あそこで演説をするようだ。


「皆様。 私アリカは、あなた達の言う救世主と呼べる程の者ではありません。 私はなんの特別な力も持ち合わせておりません。」


 その言葉に町の住民は当然ざわめきを隠せていない。 とてもじゃないが俺達が「アリカは救世主じゃない」と言うよりも効果は抜群なのは目に見えていた。 しかしそうなってくると一番は彼らのこれからだ。 救世主として見ていた人物が全く普通の人間だった。 ならば今後の事はどうすればいいのか。 その辺りが鍵になる。


「しかしこの町で皆様から貰った恩恵は、この世界に始めてきた私にとってはとても嬉しい事でした。 それ故に皆様に勘違いをさせてしまったことを私は謝りたいと思っていました。」


 そう一度アリカは言葉を区切った。


「あなた達は私がいなくても町を築ける強さがあります。 言い伝えに捕らわれず皆の力で頑張ってください。」

「アリカ様は、どうなさるのですか!?」

「私の居所はここになります。 ですから必ずしも今生の別れではありません。 私は世界を知りたい。 だから私の帰る場所を皆さんで残していただけるだけで、私は嬉しいです。」


 その演説で全てを語ったようで、祭壇を降りていった。


「俺達も行くぞ。」

「いいのかい? 声をかけなくて?」

「そんなことをしてもやぶ蛇になるだけだ。 とりあえず町を出るぞ。」


 そう言いながら俺達は外に出るために移動するのだった。



「あら。」


 アリカが町の外に出た時に俺達の姿があったのに気がついて、俺達に向かって歩いてきた。


「よぉ、許可は貰えたようだな。」

「そうね。 まあ、町の人達はとても悲しんでいたけれどね。」


 アリカははにかむような表情をしていた。


「これから、どうするの、ですか?」

「そうね。 あなた達の方向とは逆に行ってみようと思うの。 あなた達はどっち側に行くのかしら?」

「俺達はあっち側に行く予定だ。」

「なら私はこっちね。」

「ああ、そっちはソルベタの街の方に行く道だな。 今は大丈夫だが、昔は少し物騒だったから気を付けろよな。」


 そう言った時に、アリカになにかの魔法が付与されたようで、アリカの周りに薄膜のようなものご見えた。


「あなたはまだ力が弱いから、加護を付けておいたわ。 これで猛獣はよっぽど襲ってこないし、空腹も少しは軽減できるわ。」

「あ、ありがとうございます。」

「資金の方は大丈夫で御座るか? 持っている分で足りるで御座る?」

「町の人もなにか募ってたみたいで、とりあえずは大丈夫です。」


 そうアリカはみんなの話を聞きつつ、ファルケンの方を見ている。 おそらく町の住民に「悪の使い」の扱いを受けたファルケンの事が気になっているのだろう。 そんなファルケンはというと居心地悪そうにしていた。


「言っていたのはあの町の住民ッス。 あんたが言ってないのは知ってるッス。」

「ええ、私の方から謝らせてもらうわ。」

「・・・なんか調子狂うッス。」


 そう言ってやるなファルケン。 アリカだって色々と思う節があったんだよ。


「それじゃあ、健闘を祈るぜ。 あ、そうそう。 もし辛くなったら、ハーキュリーって島国に来ればいい。 元々俺達も居た場所だし、住みやすいと思うぜ。」

「ありがとう。 またどこかで。」


 そう言ってアリカは俺達と別れるように歩いていった。


「俺達も行くか。 次の国、エンシフェアへ。」

今回かなり短めに書きました。 というのも、元々アリカの話をここまで引っ張るつもりはなかったのですが、なんか負けさせるのも悪いなと感じて、投了の形を取りました。


アリカについてはもう一度出そうかと考えていたりします。

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