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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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とても強力な後ろ楯

「希少価値の採掘」 俺が最初に死水霊の効果を知った後に現れた金レアカード。 この世界において言えば復活カードは存在するものの、その条件が著しく厳しい、あるいは一定の条件下でなければ発動が出来ないものばかり。 このカードは前者ではあるが、それをほとんど感じない程のリターンは俺にはある。


「俺はコストとして手札のモンスター、フィールドの「スリーピースブロック」、捨て場の「歴戦の狩人」をデッキに戻し、捨て場に送った「死水霊」をフィールドに召喚する!」


 全てのカードがデッキに戻った後、捨て場から液状化している「死水霊」が現れる。 これで準備は整った。


「死水霊の効果! このカードが捨て場から復活した時、自分の手札のカードを1枚相手に見せた後に捨て場に送ることで、そのモンスターのステータスを受け継ぐことが出きる。 俺が捨て場に送るのは「タイラントウォーリア」! タイラントウォーリアの攻撃力を引き継いで、死水霊の攻撃力は「46」! 「ベットアルフ達の団結」の効果で上がった体力でも、この攻撃力なら一撃だ! コンバットタイム! 死水霊でベットアルフ達に攻撃!」


 体力が統合されていると言うのならば単体攻撃は意味がないだろう。 どういう判定になるかは分からないが、これではっきりとするはずだ。


「私はコストを3支払い、インタラプトカード「輸血交換」。 この効果により私のライフコアのうちの15をベットアルフ達に分け与える。 これで一撃で倒されることはなくなった。」

「ええ、一撃では倒せませんね。 ()()()()、ね。」

「次のモンスターの攻撃でも対したダメージにはならないだろう。」

「それはどうかな?」

「なんだと?」


「誰も()()()()で倒すなんて言ってないですよ?」

「・・・まさか先程送ったモンスターの効果が・・・」

「あなたがHPを増やしてくれたお陰で、やりやすくなったんですよ。 死水霊の効果として捨て場に送った「タイラントウォーリア」の効果! このカードが戦闘によって破壊出来なかった時、相手モンスターの体力を「1」にして、もう一度攻撃を行える! さあ、薬物依存者は排除されてもらいますよ!」


 死水霊がもう一度攻撃を行うと、団結するかのように固まっていたベットアルフ達が、文字通りバラバラになっていった。 そしてボラッタ様のライフコアにもダメージが入る。 まだこちらには「強襲竜」が残っているが、あいにくこいつは攻撃力が高いが故にライフコアに直接叩くことが出来ないデメリットがある。 本来ならばこれも立派なミスになるが、とりあえず向こうのモンスターは破壊できたので、良しとする。


「クールタイムに入り、「希少価値の採掘」で復活した「死水霊」は姿を消す。 俺はエンディングを迎える。 さあ、そちらの・・・」

「いや、私はこれで終わりだ。 これ以上私に勝ち目はない。」


 次のターンを回そうと思った矢先の発言。 それが意味することがすぐに分かった。


「戦意喪失・・・ですか?」

「あれだけ徹底してもなお、その更に先を行った。 あれが私の全力ではないものの、その全力を出すまでに、私のライフコアが残っている保証は恐らく無い。 ならば私自らの手で幕を降ろす他無いだろう。」


 潔いと言えばそれでいいのだろう。 やはりこの人自体は悪いことをしている訳じゃなさそうだ。


『ボラッタ・トズーナの投了により、勝者がセイジ・ノムラとなりました。 同盟の受理を行ってください。』


 AI領域が徐徐に解けていく。 そしてみんなが後ろからやってくる。


「やったのだな。 セイジ。」

「あぁ。 二人のお陰だ。」

「俺っち達はなにもしてないっす。 でも、師匠の役に立てたなら光栄っす。」


 みんなと勝利を分かち合ったところで、俺はボラッタ様に向き直る。 そしてボラッタ様は僕らをみて、なにかを思ったのだろう。 改めて口を開いた。


「君ならどんな苦難も乗り越える力と勇気、そして仲間がいるという訳だね。 君達は私が出会ってきた中で、誰よりも信頼が出来る。 ここまでの感情は王位継承をして以来だよ。 私も、人を疑いすぎていたのかもしれないな。」

「疑うことと信じることって、表裏一体らしいですよ? 信じたいから疑う。 疑って初めて信じられる。 あなたのやっていたことは決して間違いではないですよ。 現に変な輩が蔓延っていない、平和な国ではないですか。」

「・・・そう言ってくれるのも君だけだよ。 しかし私も真に理解しなければならない場面だろうか。 自分を見直す、相手を信じる。 それが出来て、初めて立派な王になれるというものだろう。 私は、もっとよりよくしていきたい。 この国を。」


 その言葉を言った瞬間に、ボラッタ様のディスクが光始めた。 触れてもいない、ただただ下ろしているだけのディスクが、だ。


「こ、これは一体・・・」

「あの光は・・・「スキルの上書き」の光!」

「スキルの上書き? ベルジアが俺達の所に来た時に言っていたやつか?」

「そうだ。 ボラッタ様は相手を信じるという点に対し、精神的な成長を遂げた。 そしてそれこそが新たなるスキルの誕生を意味する!」


 そして映し出されたボラッタ様のスキル名と効果は


『使用制限

 このバトル中、スキルの使用を3回まで止めることが出来る。 ただし使用回数が一度きりのスキルや、使用条件が限定的なものには、再度スキル使用を可能にする。』


「これは・・・」


 今までは「常時」スキルの使用を封じていたスキルが、今度は「回数制」となった。 つまり最初からスキルが発動できないという状態にならなくなったのだ。


「私のスキルが・・・変わった?」

「あなたの成長を、どうやら神様は見てくれたみたいですね。」


 ちゃんと見てくれているのならば、それ相応にやってくれることだろう。 そんなことを思いながら、どこかで見ているであろう神様に目を向けた。


「君達の国との同盟の加入の他に、私から提案を聞いて貰ってもいいかな?」

 提案? こちらとしては同盟を組んで貰っているのでこれ以上何かあるとは思えないのだが?

「今回の件で君達には恩を貰った。 しかしこのまま貰いっぱなしでは私の気分が晴れることはない。 そこでどうだろう。 友好と敬意の総称として、私からの報酬で君達に私の領地内に1つ別荘が存在する。 私が避暑地として使っている場所の1つだ。 それを君達に譲渡しよう。 それと友好国との支援も全力で行うことを誓おう。」

「・・・ちょっと待ってください?」


 後者は分かる。 元々友好国との話になれば支援をするのは当然ともとれる。 その辺りは話し合いをして貰えば全然問題はない。

 だが別荘の譲渡と言うところが本気で分からない。 貰えるものならば貰いたいとか、そんな次元の問題ではない。 こればっかりは俺も意図が汲み取れない。


「あの、別荘の譲渡と言うのは、どう言った理由でそのような結論に?」

「私は恐らく今後は誤解を説くために動くことになるだろう。 民に礼として謝礼をあげることにもなるだろう。 だが、君達の場合はもはや恩義とも取れる行いをした。 それに対する報酬が、我が民達と同じではあまりにもお粗末過ぎると思ったのだ。」

「いや、むしろこちらは部外者側ですよ? 国の人達にあげる物を優先してくださいよ。」

「そしてもう1つ、君達はこちらに来る時に、拠点となるものが無ければ苦労することもあると思い、私の別荘を明け渡そうと思ったのだ。 別荘の件に関しては、1つ既に持っているので、私はどちらでも良かったのだが、もしものためと話を聞かない者が多くてな。 いざ造ったものの使い道が無くて困っていたのだよ。」


 なんか産廃処理をされているみたいでちょっとだけ複雑な気分になるが、確かに事に来た時に、拠点がある、と言うのも悪くはない、のか?


「当然ながら本拠点はハーキュリーだろうから、使い道はそちらに任せよう。」


 うーん、やっぱりなんか産廃処理みたいになってるけど、くれるというものを無下にするのも、なんだかなぁと感じたので、別にもうこちらに戻らずにそのまま次に行く分には許して貰えるだろう。


「分かりました。 そのご厚意を貰いましょう。 場所を教えていただければ、我々だけで向かいますので。」

「うむ、承った。 では地図を用意する。 君達は出発の準備をしていてくれたまえ。」


 まさか別荘を貰える羽目になるとは。 さてさて、どんな場所なのやら。

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