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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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みんなにとっての悪夢

今回はみんなの「麻痺記憶」の話をお送りします。

 私にはいつの間にかお父さんもお母さんもいなかった。 そして拾われた最初のご主人様からは酷い仕打ちを受けていた。 だけどそれを今のご主人様は救ってくれた。 私はあのご主人様から離れたくない。 離れるなんて想像もしたくない。 なのに・・・


「ご主人様? どうして・・・?」

「ごめんなアリフレア。 君を一緒に連れていくことが出来なくなった。 君なら1人でもやっていけると思う。 それじゃあねアリフレア。 逞しく生きるんだよ。」


 そう言いながら闇の中に始めた。 私もその後を追い掛けるが走っても走っても追い付く事は叶わない。


「行かないで・・・置いてきぼりにしないで・・・! お願い・・・!」


 手を伸ばして掴もうとしても掴めない。 そんな状況に私は絶望をした。


「そんな・・・嫌・・・私を・・・見捨て・・・ないで・・・ご主人様・・・ご主人様!」


「アリフレア!」


 私を呼ぶ声と共に白い光に包まれる。 そしてその後に私の顔を覗き込む様に、ご主人様の顔が見えた。


「大丈夫か?アリフレア。 サヴィは後遺症は残らないって言っていたが、いかんせんサヴィが使うには不安定らしいから、アリフレアを回復させてからみんなにやって貰うって事で・・・うおっ!」


 ご主人様は私に対してなにかを言っていたけれど、それよりも私はご主人様に抱き付いていた。 涙も流しているのが分かる程に、視界がボヤけていた。


「ご主人様! ご主人様! 私を、置いて、どこかに、行かないで、下さい! 私は、ご主人様の、側に、いたいのです! だから・・・だから・・・!」


 そう何度も言っていたら、ご主人様は私の頭を優しく撫でてくれていた。


「怖い思いをしたんだな。 嫌な物を見せられたんだな。 大丈夫だアリフレア。 俺達が離れる時は、どっちかが死ぬ時だ。 その時までは、君を置いていったりなんてしないさ。」


 そう優しく語り掛けるご主人様の優しさに、私はまた涙を流していた。 嬉しさと安心で、どうにかなりそうだった。


「アリフレアが満足するまで、今はこうしていていいからな。 怖いものを忘れるまで、な。」

「見境の無さがこういった形で出てるなんてね。 強さまでマチマチじゃない。 ほんとこんな魔法もコントロール出来ないで魔法使い呼ばわりなんて、怒りを覚えるわ。」

「サヴィ。 アリフレアはもう少しこのままにさせてやってくれないか?」

「ええ。 治ってすぐに魔法を使ってくれなんて、野暮ったい事はしないわ。 本来アリフレアちゃんくらいの子は、こう言った魔法に影響を受けやすいの。 落ち着くまではそうさせてあげて。」


 ご主人様とサヴィさんがなにかを話していたけれど、それよりもご主人様の温もりをこの身体に染み込ませたくて、しばらくは離れなかった。


 ――――――――――――


 どこかの檻の中だろう。 岩壁と石床で辺りは薄暗い。 手足は縛られている。 ボクは床に座る形で囚われていた。


「ほほぅ、こいつが・・・」


 檻が開けられ、数人の男女が入ってくるのが暗がりながらも分かる。


「なんだ君達は!?」


 そう叫ぶが声は届いていないのかどんどん近付いてくる。 そして屈強な男の1人が、ボクの来ていたシャツを引き裂いていき、ボクの胸はさらけだされる。 自分の胸を隠す方法が無いので、そのまま露になったボクの胸を男女問わず凝視していた。 これだけの人間にさらけだされることが、恥ずかしくも屈辱だった。


「へへへっ。 亜人だが、これは楽しめそうだぜ。」


 そう言って男の何人かがボクの胸を弄んだ。


「やめ・・・くっ・・・ぅん・・・」


 触られている事への快楽か本能か。 いやらしく声をあげてしまう。 そんな時腕についていた鎖が解かれたと思ったら腕と顔を組伏せられた。 今度はお尻をつき出すような姿にされた、


「あんた、珍しい亜人なんだってね。 男のも女のもあるって言う。」


 女の声が後ろからしたと思った瞬間、ズボンをパンツごと膝辺りまで下ろされるのが分かった。 足は広げられた状態なので、下半身の恥部が全て隠されること無く晒された。


「ほぅ、これはまた立派な・・・」


 そしてボクの身体が無意識に「ビクン」と反応してしまう。 見られてる、触られてる。 見ず知らずの複数の男女の前に、ボクの裸体が暗がりながらも晒されている。 その事実にボクは羞恥と屈辱で悔しくて、涙が出てきてしまった。


「女の部分は好きに使え。 男の部分は私達の為に残しておけよ。」


 その女の言葉にボクは、これから自分の身に起こることがハッキリと分かってしまった。 身体から血の気が引いていく。 ボクの全てが奪われるのだと悟った。


「亜人で産まれてきたことを後悔するんだな。 いや、お前が亜人じゃなくても、これだけの上質な身体、放っておくわけないよな?」


 彼等はボクが壊れるまでこの身体を弄ぶだろう。 ボクの全てが終わる。 そう諦めた瞬間だった。


「そこまでだ!」


 誰かの声がした後に、暗がりに眩い程の光が辺りを包んだ。 虚ろだったボクの目が次に映し出したのは、セージさんの顔だった。


「ゼルダ? 戻ってこれたか? 俺が分かるか?」


 ああ、分かるよ。 終わりかけていたボクを救ってくれたのは貴方だってことが。 そしてそう認識した瞬間に周りの景色がクリアになる。 檻に閉じ込められてもおらず、手足も自由。 服も破られてなんかいなかったし、裸体を晒してもいない。


「・・・ハッ!?」


 そうしてボクはようやく、あれが夢のような感覚だったことを思い知らされた。


「良かったわ。 とりあえずは戻ってこれたみたいね。」

「ボクは、なにを見せられてたのですか? いきなり世界が暗くなったと思ったら、知らないところに・・・」

「思い出そうとするなゼルダ。 お前が見ていたのは、トラウマの様なものだ。 あんなものを現実と思うことはない。 残りの3人も同じだ。 汗が凄いことになってるからすぐに洗い流したいだろうが、待っててくれよ。」


 そう言ってセージさんとサヴィは隣で震えているベルジアの治療に取りかかった。 顔を触ると確かに油っぽかった。 それが頭の先から足の爪先までびっしょりとなっていた。 これは早くお風呂に入って流さないとね。


 でもあの時のセージさんが助けに来た瞬間はかなりドラマチックだった。 それにセージさんの顔を見た時に、安心して、それで・・・


「・・・ぁ・・・」


 太ももに感じる感触が汗でない()()体液で濡れている事にボクは顔を赤らめた。


 ――――――――――――


「父上! 母上! ここは私に任せ、お二人はお逃げ下さい!」

「馬鹿なことを言うな! お前は次期領主なのだぞ!」

「そうです! この事は私達が食い止めます。 貴方が逃げるべきなのですよ。 ベルジア。」

「・・・我々にはもう逃げ場などありはしないのは、分かりきっている事でしたか。」


 私達は今城の中で籠城をしていた。 せざるを得なかった。 予期せず唐突に始まったこの暴動を、一体誰が止められようものか。


「何故だ? 我々は領民から話を聞き、そして改善のために少しずつ動いていた筈だ。 それともなにか? その対応が遅すぎたとでも言うのか?」

「父上。 どうやらこの暴動。 この領地の者の仕業では無い可能性があります。」

「なんだと?」


 私は考えていた。 反乱を起こす理由なら確かにいくらでもあるだろう。 だが糾弾理由が民によって統一性が見られないのだ。 1つの区画の暴動なら他の区画の代表と話を改め、互いに損がないよう、我々も取り繕う事も出来たであろう。 だが前触れも無しにとなると、安易に内部混戦が起こるとは思えなかった。 だからこそ、一番の可能性を出しておきたかったのだ。


「この状況。 もしかしたら裏で操るものがいるやも知れません。」

「裏で操るもの!? 一体何故?」

「詳しい理由等は簡単には推測できません。 いや、もしくは目的など端から無く、こうして暴動を起こすことが理由と言う可能性も・・・」

「むむぅ・・・原因究明をするとキリが無さそうだ・・・」

「それよりも今はこの場をどうにかしなければなりませんよ2人とも。 私達が居なくなったこの領地を、次なる領主の為に死ぬなど出来はしませんよ!」


 母上の言う通りだ。 ここで犬死にでは元も子もない。 しかし領民はもう目の前だろう。 あの扉を開けられれば我々は終わりだ。


「せめて、一矢報いるなにかをしたかった。」


 ダン!


「やはり私達に領地を任されたのは、間違いだったのでしょうか?」


 ダン! ダン!


「父上、母上。 せめてこの地の民に、歴史に残してもらいましょう。」


 そして扉がこじ開けられた。 と同時に窓から別の影が飛び込んで来て、我々の前に背を向けていた。


「民のために死ぬのと、民に殺されるのは、訳が違う! あんた達は、こんなことで終わる領主じゃない!」


 その言葉と共にその人物が光に包まれる。 そして振り返るかと思われた瞬間に、世界が元に戻ったように、自分達のいた街並みに変わった。


「ベルジア。 息苦しくないか?」


 私の心配をしてくれるのは、私を変えてくれた恩師。 故に荒かった呼吸が整い始めた。 そして思ったことを口にした。


「・・・貴殿が来てくれなかったら、領民に反乱を起こされる未来になっていたかもしれないな。」

「・・・なにを見ていたのかは大体想像付くが、お前の場合はそれが現実になる可能性はいくらでもあるんだからな。 それだけは肝に命じておけ。」


 そうだな。 全く持ってその通りだ。 あの反乱は起きないとも限らない。 両親共々、帰ったら政策を見直してみるのも、領主の勤めだろう。 だからやるだけやるさ。 今はな。

今回の話にはテーマがありまして


アリフレアは「セイジとのお別れ」


ゼルダは「陵辱」


ベルジアは「反乱」となっています。


ちなみに全員分書こうと思っていたのですが、文章量がそこそこになってしまったので、二分割にしました。


ゼルダに関しては、書いた後で「あれ? これR指定に引っ掛からないか?」という想いなのですが、他のラノベのようなギリギリな表現で頑張りました。


直接している描写はないので大丈夫だと思いますが、正直心配です。


ゼルダはうちの小説のセクシー枠なので、頑張って貰いたいです。

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