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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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唐突に始まる過去の記憶

(セイジ君、気が付いた?)


 隣のサヴィの声は聞こえるが、耳ではなく()に直接来ている。


(テレパシーの魔法か?)

(そうよ。 これくらいなら詠唱無しでも唱えられるからね。 それよりも・・・)

(気付いているさ。 あいつら、おそらくは口ばっかりの出任せだ。 実際詳しくは分からないが、少なくとも魔法使い族じゃ無いんだろ?)

(そうね。 あんな魔法で魔法使いなんて馬鹿げてるでしょ? それにこういったらあれなんだけど、人族の魔素量ならそこそこあるわ。 本来ならあの程度じゃないはずなんだけど。)


(本来の実力を隠してる?)

(もしくは適合魔法じゃないかもしれないわね。 魔法が出来るってだけで、自分がどんな魔法の適合なのかは手探りなのよ。 普通ならね。)


 俺達はサヴィという探知機みたいなものがあったから適合がすぐに分かったようなものだし、普通は手探りなのは当たり前なのかもしれない。


(それに向こうも少し焦りが見え始めてるわ。)

(焦り?)

(観客を見て。 みんなあのローブの魔法使いに対してざわめき始めてる。 「本当は魔法使いじゃないんじゃないか?」ってね。 まあ、魔法使い=カードバトルも強いなんて結びつけも止めて欲しいんだけどね。)


「私はコストを16支払い、「ハイポーションマジシャン」を召喚。」


『モンスター:ハイポーションマジシャン レアリティ 銀 コスト16

 種族 魔法使い

 このカードの召喚に成功した時、自分のライフコアは15回復する。

 自分のライフコアが相手よりも少ない場合このカードの攻撃力は10上がる。

 ATK 10 HP 30』


 ライフの回復をした上で下回っている場合か。 ややこしい戦術だけど、まだ出すには早すぎる。 相手の手札がそこまで事故になっているのか?


(手の内が切れたかしら?)

(そうだといいがな。 手札はそこそこ残っているが、今までなにもしてこなかったのを考えても、その可能性は高い。)

(油断は禁物ね。)


 そんな俺達のやり取りなど知るわけもない黒ローブは攻撃を仕掛ける体勢に入っていた。


「コンバットタイム。 ハイポーションマジシャンで救われし少女に攻撃。」


 救われし少女を狙ってきたか。 確かに厄介ではあるだろうが、それを見抜いたのはおそらくはまぐれ。 しかもハイポーションマジシャンも俺にとっては脅威にならない。


「エクステンドガーディアンの効果。 攻撃対象をエクステンドガーディアンに返答する。」


 庇ったとしても攻撃力分は減るが、救われし少女が倒されるよりははるかにいい。


「くっ。 ならばダブルマジックウィザードで救われし少女に攻撃をする!」


 ダブルマジックウィザードの攻撃が仕掛けられる。 エクステンドガーディアンの効果は制限がないため、体力がなくならない限りは使える。 だがそこでエクステンドガーディアンの体力を使うのも少し憚れるんだよな。


(セイジ君。 あたいがエクステンドガーディアンの体力は回復してあげるから、庇っても大丈夫よ。)


 サヴィの声が脳から聞こえてくる。 テレパシーで喋ったのだろう。しかしそれなら使わせて貰おうか!


「エクステンドガーディアン! もう一度守ってやってくれ!」


 そうして救われし少女の前で再び庇った。 エクステンドガーディアンはボロボロになってしまっている。


「ならば最後のマリンマジシャンで救われし少女に攻撃!」


 攻撃してきたことには敬意を評してやる。 けれど


「少し相手に対する警戒が弱いんじゃないか? 俺はコストを4つ支払って、インタラプトカード「ツギハギの折り畳み盾」を発動! これにより戦闘は無効となる。 更に効果によって手札に戻す。 本来ならコストを支払うが「救われし少女」の効果によって、そのコストは0になる。 そして俺が魔法カードを使ったことにより、貯蓄壺に魔素石が1つ入る。」


 そうしてこちらはほぼ無傷の状態で相手の攻撃を凌ぎきる。


「うっ・・・クールタイムに入り、私はエンディングを迎える。」


 今の表情からして、サヴィが言っていることはあながち間違ってはいないようだ。 正直実際には「染み渡った晴天」の効果で「ツギハギの折り畳み盾」までは使う必要は無かったことを思い出したが、貯蓄壺に魔素石が入ったというだけでもやった意味はあったか。


「あたいのオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 セイジ君。 さっきのあなたの行動、あたいにとっては好都合だったわよ。」


 そう言ってサヴィは手札の1枚を出してくる。


「あたいはコストを6つ支払って、魔法カード「ヒールレイジング」発動!」


『魔法カード:ヒールレイジング レアリティ 紫 コスト 6

 フィールドのモンスターの体力を5回復させる。 更にフィールドの魔素石を1つ使うことで、更に10回復させる。』


「この効果をあたいはフィールドの「エクステンドガーディアン」に使用する。 さらに魔素石も消費するわ。」


 そう言ってカードが分散され、エクステンドガーディアンに注がれる。 更に貯蓄壺に入っていた魔素石も砕いて注がれていった。


「済まないなサヴィ。 魔素石まで使わせる羽目になってしまって。」

「気にしなくていいわ。 そもそもタッグバトルってそういうものでしょ?」


 そこまで徹底的にやるものではないんだけどな。 しかし実際に助かっているわけだ。 感謝はするさ。


「更にあたいはコストを15支払って「黒魔術師 ラーカイム」を召喚!」


『モンスター:黒魔術師 ラーカイム レアリティ 銀 コスト 15

 種族 魔法使い

 このカードが存在する限り、自分フィールドの魔法使い族への戦闘ダメージは半分になる。

 魔素石が発生するカード効果が発生した時、魔素石の出現量を+1する。

 フィールドに魔素石が3つ以上存在する時、このカード効果以外の効果を受け付けない。

 ATK 20 HP 20』


 こちらも防御特化のモンスターではあるが、魔素石の出現量をあげるのは、サヴィのデッキにとっては好都合だろう。


「順番は前後したけど、問題はないでしょ。 コンバットタイム。 ストーンプリペンターでハイポーションマジシャンを攻撃。」

「そのモンスターではハイポーションマジシャンは倒せないぞ。」

「倒すのが目的じゃないからいいの。 続いてラーカイムで同じ様にハイポーションマジシャンを攻撃。」

「マリンマジシャンの効果により、戦闘破壊は起きない。」

「でも1ダメージでも受けて貰うわ。」


 そうして黒ローブのライフコアにダメージが入る。 それにしても何て言うか、あれだな。


「随分と勿体無いことをしてるよな。」

「な、なにを・・・」

「あんた、自分で張った「マジシャンエアポート」の効果、全然使えてないぜ? 魔法使い族が破壊されたら別の魔法使い族が出せるんだ。 それでモンスターを入れ替えつつ戦うのかと思ってたけど、むしろ破壊されないようにしてるから、真逆の事をしているなってしか思えないんだよ。」

「そうね。 あなたたちは魔法使いとしても未熟だけど、カードゲーマーとしても未熟だったってことね。 そんなので名乗られても、本当に恥さらしだから、止めれるうちに止めておいた方が身のためよ? クールタイムに入り、あたいはエンディングを迎えるわ。」


 相手のローブ2人は、どうも色々とバレ始めて、収集が付かなくなってきている可能性があるな。 それでも引く度胸があるのは認めてあげよう。


「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 ならば私たちが本物の魔法使いであることの証明を!」


 そうして先程引いたカードが突然目映い光を放った。


「な、なんだ!? カードが、光って・・・まさか、スキルを使ったのか!?」


 そう言いつつも目を開けることの出来ない程眩しくなる光の中に、飲み込まれていった。



 そして次に目を開けたときには、俺はある建物の前に立っていた。 周りの騒がしい音、色んなものがデジタルな機械の置いてある建物の外側。 しかし俺はこの場所に見覚えがあった。 いや、小さい頃から何度も通っているので見逃しようが一切無い。


「ここは・・・あのゲームセンターだ。」


 俺の目の前にそびえ立つそれは、俺が前の世界でお世話になった、行きつけのゲームセンターだったのだ。

次回はセイジの過去に少しだけ触れます。

といってもあまり対した内容ですが

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