間街の魔法使い
「ドーホースさん達、元気になって、よかったですね!」
ソベルタの街で過ごして3日。 アリフレアがそう言うのも無理はないくらいに、ドーホース達が走りたくてウズウズしているようで、早く早くとせがんでくる。 超回復だけでここまで元気になるのか。
まあそこまで元気があるうちに出発しようと荷車のベルトを装着していると、ナーフ王が俺達の所にやって来た。
「レイト。 ここに貴方の帰る場所を作ることには変わりありません。 ですがせめて、ここに戻ってくる時は、五体満足で帰ってきなさい。 その指一本たりとも無くしたら僕は許さない。」
そうは言っても多分受け入れるだろうなとは思っているが、零斗さんも全ては言わない。
「どのような家があるか、楽しみにしているで御座るよ。 必ず帰るで御座る。 心配は御座らん。 ここに頼れる仲間もいるで御座る。」
そう言って零斗さんはしばらくの別れだと言うことで、ナーフを優しく抱き止めた。
そして馬車を出発させる。 ドーホース達の元気が有り余っているせいで、ソベルタの中心街はあっという間に後ろで小さくなっていってしまった。
「今のドーホース達ならどのくらいまで走れるんだろうな。」
「国境付近に街があるみたいだけど一応そこもソベルタの国土だから、まだ前王の息がかかってるかもしれないから注意しないといけないけどね。」
そうは言っても次の街まではそこそこ遠い。 早くついても4日程はかかるはずだから、無理してドーホース達も走らせる事もないから、しばらくは馬車生活だろうな。
『モンスター:ヴァンパイアクイーン ルティーナ レアリティ 桃 コスト11
種族 吸血鬼
自分のライフコアを任意の数値分減らし、その数値分をこのモンスターの攻撃力に加える、もしくはHPを回復させる。
ATK 7 HP 16』
『魔法カード:リバーシブル レアリティ 水色 コスト 5
このカードを使用した時、相手モンスターの効果を得た後、再度手札に戻す。 その効果を効果を貰ったモンスターの倍のコストを支払うことで使用出来る。 ただし、効果を得たターンでは使用出来ない。』
『魔法カード:竜がもたらす風 レアリティ 紫 コスト 7
自分のフィールドに「竜族」がいる時、相手の領域カードを破壊する。』
『モンスター:影に住む魔法使い レアリティ 紫 コスト 8
種族 魔法使い
自分フィールドにモンスターがおらず、相手のフィールドにモンスターが存在するとき、コストを半分にして召喚する。
このカードが効果で破壊された時、コストを半分支払うことで、選択した相手モンスターの効果を使用できる
ATK 10 HP 15』
『領域カード:星降るペントハウス レアリティ 紫 コスト 7
自分フィールドにモンスターが存在しない時、デッキからコスト5以下の「機械族」モンスターを召喚する。 この効果で召喚したモンスターはエンディング時に破壊される。』
銅レア以下
ハッキングバグ×2
new ヴァンパイアクイーン ルティーナ
歴戦の狩人
スリーピースブロック
デジャヴィジョン
インファイトラミア
メープルシープ
ドリルクロウ
強襲竜
怨霊の怨み言
雨降りにさ迷う少女
エアーフライトプレイン
サーカス団のピエロ×2
new 影に住む魔法使い
キッキングホークス
マジシャンドール×2
静かなる野獣
スタートダッシュ
ウェスタンヒーロー
カーテン・ザ・マント
バトルプライスレス
染み渡った晴天
銅レア
エンジェルビー
エクステンドガーディアン
応急手当て
ドラグニティ・フレンズ
ダウナーな音楽家
歴史改変の代償
ウィークリーポイント
ツギハギの折り畳み盾
銀レア
ブロッサムヒューマン
怪盗ハンドスティール
タイラントウォーリア
リターンアンドドロー
竜の産まれ変わり
死水霊
嘘判定
金レア
夢を誘う流離い人
希少価値の発掘
少し前からだが、デッキの型が完成しつつある。 前ほどデッキのカードが変わらないのは、自分なりに作れていると言う事なのだが、カードアニメとかだと、結構カードがコロコロと変わっているので、結構変えるべきなのかと思っていたが、現実では自分の信じたカードならレアリティは低くても関係はない。
「馬車生活も3日目ね。 ちょっと退屈になってきちゃった。」
「まあ狩りをする楽しみは無くなったよな。 サヴィの魔法で大体の敵は戦意喪失してるからな。」
サヴィが退屈するのも無理はない。 まあそんなものなのだと思って貰うしかない訳だ。 それにしても肉弾戦はほとんど負け無しなんじゃないか? この中で戦力外なのはアリフレアを除けば俺になる。 夜中に見張りがてら零斗さんに手解きをしてもらっているが、それでも他のみんなよりはまだまだ戦力にならない。 カードばかりで勝ってもしょうがないということになるかもしれない。 頑張らねば。
夕方に差し掛かった辺りで、なにやら柵が見え始めた。 後は人や家が見える。
「ん。 もしかすると、間街かもしれないな。 様子を見てこよう。 ドーホース達を止めておいてくれ。」
ベルジアがなにかを見つけたようで、そのまま馬車を降りて前方へと歩いていっていく。 そして数分後に、ベルジアから合図が送られてきた。 どうやら通行してもいいようで、そのままドーホース達を走らせた。
「いやぁここは2つの国の境の街ではありますが、商人などはなかなか来ないのです。 みすぼらしいような街ですみません。」
案内の人が情けなく説明しているが、みすぼらしいなんて思えない程に街並みは整っている。 悲観することじゃないと思うんだけどなぁ。
「それに今は前のお客さんの方にみんな行ってしまって、こっちまで見て貰えないんですのね。 本当にすみませんね。」
「そんなに前のお客さんに夢中になってるんですか?」
「ええ。 なんでも魔法使いらしいのですよ。 そりゃ我々も魔法使いの存在自体は信じてはいたんですが、実際に見てみると凄いものですねぇ。」
そうやって感動しているところ悪いのだが、俺達はサヴィっていう本物の魔法使いがいるからなんの感動も起きないね。 まあ見に行ってみますか。
「さぁさぁ見てらっしゃい! 我々は由緒正しき魔法使い。 まだまだ未熟者ですが、魔法はしっかりと伝授しています。」
そう言って壇上に立っているのは確かにそれらしい帽子とローブを着た二人組。 他の人達はワイワイと彼らの話を聞いている。 まあそりゃ魔法使いなんているかいないかの産物だから、いるってなったら大騒ぎだろうな。
「・・・あり得ないわね。」
本物の魔法使いさんはご立腹なようだ。 それを聞こえていたのか、俺達に詰め寄ってくる二人。
「お嬢さん。 今魔法使いなんていないって思ったでしょ?」
あ、こいつら本物の魔法使いに喧嘩売った。 何て言うか魔法使いならある程度は魔素量が見えたりすると思っていたけど、違うのかな?
「信じるも信じないも人次第だけど、これを見たら信じたくなると思うよ?」
「・・・へぇ。 じゃあ見せてよ。 魔法使いって証拠を。」
完全に売った喧嘩を買ってるなサヴィ。 でも俺も止めはしない。 ここまでやったなら大体の予想はつくし。
「じゃあ見せてあげるよ。 ほら。」
「ああ。 「空から舞い降りし雷よ、我が手の上に球体となりて顕現せんとせよ。 急拵えの雷球 サンダーボール」!」
そうしてその魔法使いの手の上に小さな雷を纏った球体が出現する。
「どうですか皆さん!? この球体を作るのに2年は費やしました。 これで私が魔法使いだと言うことを証明していているでしょう?」
そうして一緒に見ていたこの街の人達は歓声を上げていた。
「どうでしょうか? お嬢さん。 これで魔法使いはいると言うことが・・・」
「・・・「雷球 サンダーボール」。」
サヴィは最後まで話を聞かずに自分もサンダーボールを出す。 ただし目の前の魔法使いと名乗っている奴よりも大きいサンダーボールを出していた。
「はっ!?」
「どう? これがあなた達の言っているサンダーボール。 ちなみに相性の合う本物の魔法使いならこの大きさには半年もあれば出せるわ。 それにあんた達年いくつ? 100歳も生きてないくせに魔法使いを名乗らないで!」
サヴィがそう言うとさすがに魔法使い達も後退りした。 だがそれだけでは怯まない。
「・・・ふふふっ。 確かにお嬢さんの魔法は凄いよ。 でもそれで魔法使いを名乗れないのはおかしいかな。 それだけじゃ止めることは出来ないな。」
「魔法使いの恥さらしだって言ってるのよ。 というか魔法を少し使えるだけの人族なんだから、魔法使いになった気でいるなら、それこそ止めて貰いたいわね。」
いつになく、いやこればっかりは相手が悪すぎる。 なにしろここにいるのは本物で魔法使いの隠れ里では「様」付けされるほどの実力者。 そもそもが場違いなのだ。 確かに俺もどんな人物だろうかと見たものの、年齢的には零斗さんより少し年上位かな? としか思えなかった。 なんというか魔法もぶっぱなすのは悪いだろうと思ったからサンダーボールにしたんだろうけど、あれくらいならちょっと地面を抉る位で対した威力じゃないかもしれない。 目が慣れてしまったからだろうか?
「それでも名乗りたいなら・・・」
そう言ってサヴィは腰のデッキケースからデッキを出して、ディスクにセットした。
「これであたいに勝ってからにして。 これは制約よ。 あなた達が勝ったら魔法使いと名乗ってもいいわ。 でもあたいが勝ったら二度と名乗ることは許さない。」
「分かったよ。 それで気が済むならね。」
そう言ってサヴィの前に二人が立った。 二人ともディスクを構えている。 この流れはまずいな。
「おっと、いくら魔法使いだからってカードゲームで一対二は分が悪いだろ。 俺が彼女のタッグパートナーだ。 いいだろ?」
『制約 魔法使い族の公言』
制約が認められたことでAI領域が展開されていく。 今回はみんなと何人かの街の人が観客で観戦する事となった。
「セイジ君。」
「余計なお世話だなんて言わないよな? あのまま戦ってたら物量で負けてた。 だからタッグとして有効化した。 それだけだ。」
「・・・セイジ君って、つくづくお節介焼きっぽいわね。」
「クールに去ろうか?」
「感謝してるのよ。 あたいって結構暴走しがちだから。」
だろうなと思いつつ俺達は叫んだ。
『さぁ! 劇場の始まりだ!』
久しぶりのデッキ編集 もう何回前にやったか完全に忘れてます。 振り返るの大変だった。
皆さんもどんな人物であれ、喧嘩を売るのは止めましょう




