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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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巨大魔素量と最大魔法

「さてと、アリフレアちゃんの力も見られたところで、そろそろ本題よね。」


 そう言って俺を見るサヴィ。 本番と言うのは、ここまで俺は一切の魔法を撃っていない。 そして自分の魔素量は、サヴィ曰く比になら無い位大きいらしい。 つまりどれだけ自分の魔法が強いのか検討が付かないと言うのがサヴィの言い分で、本音は他のみんな以上の物を見せるとモチベーションが下がるからと言う事のようだ。


「それじゃあどうしましょうか。 なにか呪文に対するリクエストってある?」

「どんな呪文があるか知らないのにリクエストもなにもないでしょ? 魔素量を分かりやすく見れる魔法でいいよ。 それなら。」

「そうねぇ。 それならセイジ君は氷と闇だから、こういうのはどう? 氷なら「ブリザードダンス」、闇なら「シャドーポップ」。 どっちも初級魔法よ。」

「慣れるためにも両方やるか。 詠唱は?」

「『周囲を覆う目に見えぬ霧水よ。 その温度を更に下げ、凝固しその固体を風と共に降り注がんとする。 宙を舞え ブリザードダンス』よ。 もう1つは『我が影は裏の自分。 表裏一体として我が身に宿りし影。 実体の我が身と分離し、1つの個体として立ち向かえ。 もう1つの実体 シャドーポップ』よ。 どっちも呪文の前の1文で十分だわ。」

「そうか。」


 今までのを見ていて、その最後の分だけで十分なのはよく分かっていた。 というかそんなのを普通に詠唱しようと思えなかった。 長いっつうか、覚えるのが面倒なだけだ。 カードゲームの事でも頭が一杯なのに魔法の事まで覚えようと思ったら脳がいくつあっても足りやしない。


 そんな風に思っているのもここまでにして、とりあえずブリザードダンスからやってみることにする。


「宙を舞え ブリザードダンス。」


 そう唱えた途端に、周りの温度が一気に落ちる。 時々雪が肌を突き刺す。 とりあえずは出来たので、止めることにする。


「次はシャドーポップだな。 もう1つの実体 シャドーポップ。」


 今度は自分の影が自分の下から離れて、数メートル先に俺を模した黒いシルエットが立体として現れる。


「ん。 シャドーポップは具体的には何をするんだ?」

「んー。 偵察が主かしら。 シャドーポップは今のセイジ君の動きと連動するから、そこに視覚を飛ばすような感じかしらね。 影だから相手に見えにくいけど、戦闘能力は無いわ。」


 ふーん。 そこまでしか出来ないって事か。 鏡写しの自分で動きを見ている。


「でもやっぱり魔素量が大きいだけあるわね。」

「なにか分かるのか?」

「さっきのブリザードダンスはかなり広範囲だったし、シャドーポップはそこまで繊細に動きを連動させるのは本来なら無理なのよ。」

「・・・なぁ。 ブリザードダンスの被害って言うのは・・・」

「安心して、その前にバリアを張ってあるから、範囲外には届かないわ。 でもバリアが無かったらこの距離でもソベルタの中心街に届いていたわ。」


 まじか。 迷惑になるだろうからって、めちゃくちゃ距離を離したのに。


「まあ今は初級だから今後もっと高レベルの魔法を撃てるようになるには、自分の体内の魔素量を常に循環させないといけなくなるから、それに慣れるためにも、こんな球体を常に体内のどこかから放出しておいて。」


 そう言って小さな塊を手のひらに見せるサヴィ。 色を見ると、とんでもない事になっていた。 具体的には虹色が迷彩のようになっていて、見ていて気持ち悪くなってくる。


「なぁそれ。 色はなにか関係しているのか?」

「そうね。 言えば魔法の種類の色よ。 多分それぞれ出てくるとは思うから、練習がてら出しておいて。」


 そう言うとみんなそれぞれ出し始めた。 と言っても放出量が分からないので一番小さく作ろうと思ったのだが、かなり大きいくす玉のようなデカさになってしまった。 他のみんなは大きくてもサッカーボール程度なのに。


「ああ、言い忘れてたけど、それがあなたたちに流れる魔素量の大きさね。 もっと小さくするなら、小さくすることを念じれば出来るわ。」


 それを先に言ってくれ。 こっちがビビってしまったではないか。 とにかく小さく小さく意識して、手のひらに収まる程度にしたが、気を抜くと元に戻りそうで怖い。


「さてと、あたいからはとりあえず初級レッスンは終わり。 ここから先の修行は順次やっていくつもりよ。 いきなり上級魔法なんか覚えようとしたら、魔法に慣れていない身体が壊れるわ。」


 まあ慣らしていけと言うのなら仕方ない。 RPGでも最初に覚えるのは初級だ。 それに時間が許されるなら焦ることもない。


「なにか質問はある?」

「あ、じゃあ俺から1つだけ。」

「ん? なぁにセイジ君。」

「今サヴィが撃てる最大魔法を見てみたいんだが。 無理に使うと世界が滅ぶって言うなら止めておくが。」


 そう言ったのだ。 サヴィは俺の予想なら、魔法使いの中でも境地を極めているはず。 そんな彼女の最大魔法を、一度見ておきたいのだ。 これは俺の好奇心と、もしものためだ。 このもしもは、なるべくなら起きないで欲しいもしもなのだが、念のためな。


 そう訪ねた後にサヴィは考えていた。 多分頭の中で色々と答えを見いだしているのだろう。 しかし結論が出たように瞑っていた目を開ける。


「ちょっと辺りに強めのバリアを張るわ。 あたいが言うのもなんだけど、被害が大きくなる可能性が高すぎるのよね。」


 そう言ってどう飛んでいるのか不思議な感覚で宙に浮くと、木々の高さまで飛んで、なにかを唱えていた。 数十秒後、サヴィが降りてくる。


「ふぅ。 ごめんなんだけどアリフレアちゃん。 あたいにトランスファーをかけてくれない? 今から撃つ魔法は半端な魔素量じゃ駄目なのよね。」

「あ、は、はい。」

「俺はなにか手伝えるか?」

「そうねぇ。 それじゃあセイジ君の魔素を頂戴。 アリフレアちゃんの手を握ればそこからセイジ君の魔素がアリフレアちゃんに流れて、あたいに届くようになるから。」

「分かった。 アリフレア。 手を握るぞ。」

「はい。」


 そうして俺はアリフレアの小さい手を握り、アリフレアが呪文を唱える。


「我が魔力よ届け トランスファー。」


 そう言うと俺からなにかが流れるような感覚があった。 これが魔素なのか。 そして数十秒かけてサヴィの魔素量が満タンになったようなので止める。


「準備は万端。 それじゃあやるわよ。」


 サヴィは一度目を瞑る。 そして大きく深呼吸し、詠唱を始めた。


「我が身に宿る全ての魔素よ。 全ての魔素を使いて、この世のどんな力にも負けぬ圧倒的な力を顕現せよ。 空よ、海よ、大地よ。 その圧倒的力を真に受けるその太古の地盤を壊さんとすることをお許し下さい。 そして今放つは我が最大魔法。 決して壊せぬ全種類魔法 禁忌(フォビドゥン)混沌(カオスティック)災厄(カラミティ)膨張(エキスパンション)付与魔法(グランツマジック)!」


 その呪文を全て唱え終えたその時。 空からはまさにこの世の終わりとも言える球体らしきものが降ってくるのが見えた。 確かにあんなものが降り注いだら終わり・・・というかこれここにいる俺達も終わらね? いや確かに最大魔法を見たいとは言ったが!


「安心・・・して・・・ 今目に見ているものは・・・ただの・・・立体映像(ソリッドビジョン)・・・でも・・・それっぽいことは・・・してあるわ。」


 バリアを張ると同時にそんなことをしていたのか。 そりゃあんなのを撃ってしまえば、完全に世界が消えるだろう。 それほどの威力なのだ。


「それは分かったが・・・なんか弱々しくないか?」

「そりゃ・・・全魔素を使っての・・・極大魔法よ・・・? 魔素なんて・・・すっからかん・・・よ。」


 それは申し訳ない事をした。 完全に俺に身を委ねているが、そうお願いしたのは俺だ。 これくらいならやってあげてもいいだろう。


「・・・正直・・・自分でも・・・あんな魔法を・・・立体映像(ソリッドビジョン)・・・以外では・・・見たくない・・・わね。」

「あれを撃つ事か無いよう、願うだけだろ。」


 そう言った矢先にサヴィは眠りについた。 色々あったが何だかんだで俺達全員に魔法を教えていた彼女が一番疲れていたのだろう。 どうせまだ後1日分はソベルタの街にいるんだ。 こっちもゆっくり休まないとな。 そう思いながら、森のせせらぎの中にみな身を委ねたのだった。

「ところで無くなった魔素ってどのくらい時間が経てば戻るんだ?」

「魔素は基本栄養の延長みたいなものだから、食事すればある程度は元に戻るわ。」

「じゃあ、お料理、頑張らないと、いけませんね。」

「アリフレアのやる気に火が付いた!?」


ちなみにサヴィの最大魔法についてですが、とりあえずそれっぽくなればいいなって思いながら名前を付けました。 もうどんな魔法なのか想像も出来ません

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