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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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国の変化

「僕、ベルトナーフは5人兄弟の末っ子。 本当は兄さん達が継ぐことになる筈だった。」

「ではなぜそうならなかったので御座るか? 歳が離れていたゆえ、尚更ナーフに王位継承の形が入るとは思えないで御座る。」


 王位継承の話はそもそも前の世界でも、別の国の話だと思っていた。 実際に見ることになるとは思っても見なかったな。


「これは王位継承権に辺り、父上がこう話したのです。 「私はもうすぐ王位を手放す。 だが王位継承を行うのはただ一人。 それをお前達で決めるのだ。 強き者が絶対権となるこの国で、新たな王を我が身に納めるのだ!」とね。」

「戦争の無い時代になっても、その辺りは変わらなかったで御座るか。 汝の父上殿は。」

「ええ、ですが本来王位継承権を手にすると思い込んでいた長男には、他の兄弟からすれば能が足りなかったのです。 長男という立場に甘えていたのでしょう。」

「能が足りなくてもやらねばなるまい?」

「実際はそうなのですが、1からの指導、というところには流石に骨が折れそうだったので、敢えて継承権は与えませんでした。」


 長男を教えたり支えたりするのはそんなに嫌なのか、この国の長は。


「では次は次男坊になるで御座るが。」

「二番目の兄さんは戦略的な試案に回ってもらっています。 彼も傭兵時代の下積みがあるので、こちらの方がやりやすいとのこと。」


 次男は得意分野に回されたか。 それならそれで立ち回りとしてはいいんだろうな。


「三番目の兄さんはこの国を去りました。」

「理由は拙者と同じ様な・・・?」

「ええ。 どうも三番目の兄さんはじっとしていることが苦手な方でしたから、最悪探訪録だとを出版するのではないでしょうか?」

「最後の四男殿は・・・いや、彼はなにも言うまい。 つまりそのような事から、半ば消去法でナーフに回ってきた、と考えてもよいで御座ろうか?」

「まあ、そうだね。」


 上の兄弟が王位継承権として相応しくないから、残っていた末っ子に回されるのか。 無責任というか、責任転嫁というか。 でも逆にそこまで言われなければナーフには回っても来なかったとも言えるだろう。


「でもおかしくない? レイトが出ていく前にはもう戦争は終わっていたんでしょ? だったらその前の国王が簡単に王位を渡すのは、流石に早すぎると思うんだけど?」

「それは父上がそもそも戦争を好む方だったので、平和な世界の礎にならないのならば意味がないと言うことで、王権を渡したのです。」


 なんて理不尽な王権交代なんだろうか。 それでは民達も不安になるのではないのだろうか? いや、むしろ彼だったからこそ、今の国を保てているとも言えるかもしれない。 他の兄弟だったらクーデターかも知れなかったのだから。 次男だけは別かもだけど。


「では前国王はご隠居中という事で御座るか。」

「ええ。 平和過ぎて、刺激が欲しいとボヤいてますよ。」


 そう思うなら三男のように旅に出ればいいのに。 と、そこまで考えたところで、俺はふと疑問に思った。


「その事と零斗さんの永住権にはなんの接点があるんだ? 今までの話を聞いていても、零斗さんにそこまでして残ってもらう理由が分からないんだが?」


 別にナーフが王権を譲り受けた事と、零斗さんのソベルタへの永住が、何らかの繋がりがあるようには思えない。 それに国王ならば、こんなバトルをしなくても、強制的に縛ってしまっても問題はないはずだ。


「これは僕の完全なエゴが入っているのさ。 僕はレイトがこの国に来た時は8歳ほどだった。 勿論このカードゲーム自体は存在は知っていたものの、年齢制限のせいで出来なかった。 でもそれ以外の遊びで、レイトとはよく遊んでいたんだ。」

「そこなんだよ。 なんで一国王の息子が、傭兵部隊と接点が出来るんだ? 次男の人脈があれど、そこまでは不可能なはずだ。」

「それは今のレイトを見ての事さ。」


 今の? 今の零斗さんを見て何が変わったというのだろうか?


「僕は最初はレイトが戻ってきてくれればそれでいいと思っていた。 だけど君達といたことで、レイトの中になにかがあるように見えた。 それを奪ってしまうのは簡単だと思ったけれど、それではレイトは本当の意味で取り返したとは言えない。 だからレイトの意思も含めて、このカードバトルで決めたいんだ。」


 そう答えるナーフを見て、彼が王としての風格がなんたるかを教えてくれているかのような想いを見せてくれた。 なるほど、確かに彼なら国を任されてもおかしくはない。


「ナーフの想い、伝わったで御座る。 では拙者の答えを聞かせるで御座るよ! 拙者は代償を6つ支払い、魔法札「無から有へ」発動で御座る。」


『魔法カード:無から有へ レアリティ 紫 コスト 6

 自分フィールドのモンスターを1体選択する。 このモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した時、その破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える。

 手札が0枚の時、自分はカードを引き、そのカードがモンスターカードなら続けて攻撃が出来る。』


「この対象を十三に装備するで御座る。 そして手札が0枚になったことにより、深影に装備している「独特な絵巻物」に付与されている「有への渇望」の効果を使うで御座る。」


 零斗さんは流れるように、自分の盤面を使っていく。ここで魔法カードが引ければそのカードコストは半分になるし、たとえそうでなくても暗清の効果を使用するのに十分に発揮してくれる。 そして零斗さんは1枚引く。


「・・・なるほど。 拙者の答えに呼応したようで御座るな。」


 そういって手札に残した。 魔法カードではなかったのだろうか?


「拙者は開戦するで御座る! 十三でナロークに攻撃! 十三の効果により、攻撃力を50に変更するで御座る!」


 十三が攻撃が始まった。 その時、零斗さんの手元が動いた。 このタイミングでカードを発動するようだ。


「拙者は代償を4つ支払い、魔法札「隠密攻撃」を発動するで御座る!」


『魔法カード(インタラプト):隠密攻撃 レアリティ 桃 コスト 8

 相手はこのコンバットタイムの時、インタラプトカードを使用することが出来ない。』


 なるほど、魔法カードは魔法カードでもインタラプトカードだったのか。 それなら使おうと思っても使えないな。 でも半分になっているのは変わらないのか。


「うっ・・・。 これは通さざるを得ない・・・」


 ナロークが破壊され、十三の攻撃力とナロークの攻撃力の合計で50。 半分を持っていったのは大きすぎる。


「ぐっ、まだまだ・・・」

「十三に付与されている「無から有へ」の効果を発動するで御座る。 手札が0枚の時に相手の兵を倒したことにより、拙者は山札を引くで御座る。 これが、拙者が出した答えになるで御座る。」


 そういって山札を引く零斗さん。 引いたカードは・・・


「引いたのは・・・兵札で御座る。」


 モンスターカードなら攻撃はもう一度攻撃が出来る。


「十三でもう一度攻撃を行うで御座る。 汝の場には兵はいない。 寄って心臓核に直接攻撃が行くで御座る。」

「もう隠密攻撃の効果は消えている。 ここで僕はコストを5つ支払い、インタラプトカード「半魔道障壁」発動! これでこのコンバットタイムのダメージは半分になる!」


 それでもライフコアは25も減る。 ギリギリライフコアが残っている状態だ。 だが・・・


「分かっているで御座るな? 拙者にはまだ深影とハイラースの攻撃が残っているで御座る。 この攻撃が通れば拙者の勝ちで御座る。」

「・・・ええ。 そうですね。」

「・・・拙者は深影の攻撃のために手札を捨てるで御座る。 深影で攻撃をするで御座る。」


 なんの警戒もなく攻撃を行った。 ライフコアが削られる。


「これで最後で御座る。 ハイラースで止めで御座る。」


 そしてハイラースの一閃により、ナーフのライフコアが削られる。 そして「0」の表記がされていた。


「休息に入り、これにて終戦で御座る。」


『勝者 レイト コマツバラ。 永住権の譲渡は無効となりました。』


 AI領域が無くなっていき、城の中に戻される。


「零斗さん。 最後のあの攻撃、ナーフがもう対抗策が無いと知って攻撃したんでしょ?」

「そうで御座るが・・・無鉄砲すぎたで御座るか?」


 その顔はどこか涼しげだったので、「これは分かっててやったな?」と思いながら、AI領域が完全に無くなるのを待っていたのだった。

カードゲーム結果を早めることで、話のテンポを早めようと考えたのですが、意味あるのか、ちょっと不安です


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