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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
141/262

互いが戦略家

『モンスター:次元魔導師 ディーメーン レアリティ 金 コスト 24

 種族 魔法使い

「召喚成功時」 自分フィールドにこのカード以外のモンスターがいない時、このカード以外のモンスターを捨て場から召喚する。 ただし魔法カードによる召喚は適応されない。

 プラポレーションタイムに一度、捨て場にある魔法カードを手札に加える事が出来る。

 魔法カードを使用した時、このカードに魔素石を乗せる。 このカードに乗っている魔素石を取り除くことで、相手モンスターの体力を、自分コンバットタイム時のみ、半減させる。

 このカードに魔素石が乗っていない時、ステータスが半分になる。

 ATK 20 HP 25』


 あれがサヴィが出せる最強の魔法使いカード、と言ったところか。 効果がそこそこある分ステータスが低い気がする。 とはいえあのディーメーンを易々とは倒してくれることはないだろうな。


「フフフッ。 あんたはこのモンスターを見ただけで分かる筈よ。 あたいがこの後どんなことをするのか。」

「・・・ある程度はね。 だけどそれが本当に正しいのか答え合わせがしたいかな。」

「あんたはつくづくあたいに興味を持たせてくれる。 普通は初めて見るモンスターならなにが来るかと警戒したり、萎縮したりするものよ? あんたの精神の胆力は並の人族のものじゃないわ。」


 その言葉を聞いて、俺は少し目を逸らす。 そりゃ俺はここの世界の人間じゃないしな。 そう言ったところで魔法使いがいたことを信じてもらえなかったように、俺が異世界の人間だとは思ってくれないだろう。


「まあいいわ。 答え合わせをしてあげるわ! まずこのモンスターの召喚成功時、自分の捨て場にいるモンスターカード、「中級魔道術士」を再度フィールドに召喚する! そして中級魔道術士の効果によって、このモンスターに魔素石を乗せる。」


 中級魔道術士。 今までのを振り返るに、あのモンスターが今出た中では魔素石を動かせる唯一のカードだとは思う。 しかし今の魔素石の数を考えると倒すのは至難の技だろう。 しかも壺の効果は確実に使われる。 厄介極まりないぜ。


「そしてディーメーンの第2の効果。 捨て場にある魔法カードを手札に加える。 あたいが加えるのは「魔素貢献の供物」。 あたいは更にコストを6つ支払って、先程加えた「魔素貢献の供物」の効果を使用し、供物モンスターを場に出すわ。」


 これで一気に盤面が戻されてしまう。 いや、更に厄介なことになっているのか。 魔法カードを使ったことによって魔素石は壺とディーメーンにそれぞれ入る。 しかも魔素貢献の供物によって出された供物モンスターは破壊されれば更に1つ増やせる。 そして今現在の魔素石の数は9。 このコンバットタイムで決着をつける気が満々だ。


「それじゃあ行くよ! コンバットタイム! 中級魔道術士で強襲竜に攻撃!」


 強襲竜へ中級魔道術士が唱えた呪文が飛んでくる。 相手の攻撃力が55になっている今、その攻撃を食らうのは正直手痛い事になる。


「キッキングホークスの効果により、その攻撃を・・・」

「そうは行かないわよ? あたいはコストを5つ支払ってインタラプトカード「機動低下結界」を発動。 これによって魔法使い以外のモンスター効果は使用できなくなった。」


 くっ。 キッキングホークスの効果の事は忘れていなかったか。 済まない強襲竜。 しかし40ダメージはデカすぎた。 俺のライフコアが一気に半分以下になってしまった。 しかも魔法カードを使ったことによって、魔素石が壺とディーメーンにそれぞれ入った。 これで魔素石の数は10。 実質貯蓄壺の効果を2回使える計算になった。 魔素石が入るタイミングが魔法カードの適応()で助かった。 使用した時と書いてあったから、使用した瞬間かと思ったが、そうではなかった。 でなければあの攻撃が更に強まって手の打ち所がなくなっていた。 だが大ダメージには変わり無い。 それにまだディーメーンは攻撃を行っていない。


「続いてディーメーンでドラグニティ・フレンズに攻撃。 更にディーメーンの効果で魔素石を使って体力を半分にする。 ドラグニティ・フレンズはフィールドに竜族がいないから体力は1/4にまで減少してるわ。」


 これもまた厳しい状況だ。 ライフコアを半分にされたのも本当に厳しい。 ここでツギハギの折り畳み盾を・・・・・・


 いや待て。 ここでツギハギの折り畳み盾を使ったところで相手がインタラプトカードで返してきたらこちらがライフコアをすり減らすだけだ。 それに大きいが、2体が消えるのなら・・・ あのカードが来てくれればまだ勝機はある。 ここは耐えるしかない!


 そしてそのままドラグニティ・フレンズが倒され、俺のライフコアも「16」削れてしまった。


「・・・あたいは貯蓄壺の効果を発動。 あんたに10のダメージを与える効果をつけるわ。 更に中級魔道術士の効果で壺の中に魔素石を5ついれるわ。」


 壺からまた赤いドロドロとしたものが浮かび上がり、俺のライフコアに当たる。 これで俺のライフコアは風前の灯火となってしまった。


「・・・クールタイムに入り、あたいはエンディングを迎えるわ。」


 手番が俺に回ってくる。 なんとか耐えることが出来たか。


「惜しかったわ。 あたいはこのターンで終わらせられると思ってたのに。」

「こっちも結構ヒリヒリしたもんだ。 だが乗り越えた。 一時的にだがな。」

「あんたもその1枚に全てを賭けるのね。 果たして逆転へと導くカードか、それとも期待外れのカードか。」

「どっちだろうかな。 俺も引いてみないと分からない。 俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 引いたカードは吉か凶か。 引いたカードを確認する。 裏から表に返るとそのカードは・・・


「・・・ふぅ。 俺も引き当てたみたいだぜ。」

「・・・見せてもらえるかしら? 全てがギリギリの状態で引き当てたあなたのカードを。」


「あぁ、見せてやるぜ! 俺はコストを6支払い、マジシャンドールを召喚。 マジシャンドールの召喚時効果により、デッキからもう一体のマジシャンドールを召喚する。 そして俺はコストを7支払い、領域カード「染み渡った晴天」を発動! これが俺の最大の切り札だ!」


 天に手を掲げて、俺は太陽の招来を促す。 コストとしては低いが、いや、低いからこそ俺のデッキは最大限に発揮されるのだ。


「染み渡った晴天の第一の効果! フィールド上にモンスターが1体以上存在する時、全てのモンスターの攻撃力は5つ上昇する! 第二の効果! モンスターが3体以上存在する時、自分フィールドのモンスターは戦闘では破壊されない! そして第三の効果! モンスターが5体存在する時、自分フィールドで最もコストが高いモンスターのコスト分、ライフコアを回復する! 俺のフィールドで現在最大のコストはキッキングホークスの10! よってライフコアを10回復する!」


 全てを言い終えた後、息遣いをして、呼吸を整える。


「中々に強力なカードね。 どんなレアモンスターが現れるのかと思っていたのだけれど。」

「コストやレアリティの高さが全てじゃないさ。 それはあんたも分かってることだろ?」

「クスッ。 そうね。 さぁ、攻撃を行いなさいな。」

「あぁ。 行かせてもらうぜ。 ドリルクロウで中級魔道術士に攻撃! ドリルクロウの効果。 コアを2つ払うことでこのカードと戦闘を行ったモンスターはこのカードと共に破壊される。」


 しかしこれが通らなければ俺の勝利は薄くなる。 どうだ?


「手はないわ。 食らうわよ。」


 その言葉を聞いて安心する。 これで中級魔道術士の脅威は去ったも同然。


「続いてキッキングホークスでディーメーンに攻撃! 効果を無効化してくれたから攻撃は出来るぜ。」


 攻撃力は染み渡った晴天の効果もあってディーメーンの体力とほぼ互角。 これが通ればかなり有利な展開になる。


「・・・それも通すわ。」


 通った! キッキングホークスの蹴りがディーメーンを貫いた。 これで後残るはあの供物だけだ。


「ハッキングバグで供物モンスターを攻撃!」


 ここで止めてくるか? いや、そんな様子もない。 そのまま破壊が起こる。


「供物モンスターの効果で貯蓄壺に魔素石が入るわ。」


 ここでどういう動きが取られるか。 いやここで引き下がってはいけない。 やれることはやってやる。


「残りのマジシャンドール2体でライフコアに直接攻撃!」


 ここでもなにもない。 しかしライフコアは後少しというところで残ってしまう。 これでも倒しきれなかったか。


「・・・クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」


 そしてまたサヴィのターンになる。 あれだけやっても、まだ倒しきれないのか。


「あたいのオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 あたいは壺の効果で魔素石を取り出して、相手に10のダメージを与えるわ。」


 赤いドロドロが俺のライフコアにぶつかる。 これで回復した分は無くなった。 次はどう来る?


「・・・あたいは舞台を降りるわ。」

「!」


 その言葉で今回のカードバトルの勝敗が決まった。 出せるカードが無かったってことか。


「まさかあたいがここまで追い詰められるなんてね。 しかもあの土壇場で守りに入られなかったのはあたいとしても計算外。 精神的にあなたが勝っていたのよ。」


 そう言って最後に持っていた手札の一番上のカードを確認する。


『魔法カード(インタラプト):妨害魔法 レアリティ 紫 コスト 6

 相手がインタラプトカードを使用した時発動。 そのインタラプトカードの発動を無効化する。 その後このターンで相手が受けるダメージは2倍になる。』


 つまり俺があの時ツギハギの折り畳み盾を使用していたら間違いなく使用し、俺のダメージが倍増している状態で貯蓄壺を使い、ライフコアを完全に削り去っていくところだった、というシナリオだったようだ。


「決めた。 あたいはあなたについていくことにするわ。 あなたから学べることが沢山ありそうだもの。」

「あんま見知らぬ人間についていくのは良くないって、この戦いで教えたかったんだが?」

「まあいいじゃないの。 その代わり魔法について教えるから、それで交渉成立ってことで。」


 俺達だけに聞こえてる訳じゃないんだからもう少し言葉を選んで・・・と思ったが、周りの魔法使いの皆さんはなんか乗り気なようなので、とりあえずはよしとしておこう。 深く考えるだけ頭が痛くなりそうだ。

ここまで書いてみて、実際にはこんなにも考えてカードゲームなんてしてないだろうなと思ってしまいました。


これだけ見てると、ヒューマンドラマにも見えてくる・・・見えてこない?


何はともあれこれでサヴィも仲間になりました。 女子キャラが増えるのは華があっていいですね

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