表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
140/262

あの二人の思考回路は化け物か!?

今回の視点はベルジアとなります

 私の前でカードバトルをしている二人を見ていたのだが、あまりにもハイレベルな戦いに、誰しもが置いてけぼりを食らっていた。 いや、やっていることは当然カードバトルなのだ。 ごく普通に戦っているだけなのだ。 なのに二人の戦いの思考が理解ぎ追い付かないのだ。 それほどに目の前の戦いが今まで見てきたカードバトルの中でも思考が入り乱れているのだ。


 その証拠にアリフレアやゼルダのような元々カードゲームを嗜まない者にとっては理解が追い付けていないし、ファルケンもあまり分かっている様子はない。 他の魔法使い達は理解はしていないものの、行っていることに関しては熱くなっているようだ。


 唯一レイトだけは腕組みをしながら試合を見ていた。


「・・・レイト、一つ確認をしておきたいのだが・・・」

「戦況がどうのこうの等は拙者に聞いても分からぬぞ? 有利不利などは一瞬で逆転する。」

「そうではない。 レイトはあの二人の考えていることが読み取れるかと聞きたい。」


 そうレイトに問うが、本人は首を振るのみだった。


「ベルジア殿。 汝も彼らの戦いを見て感じ取れるで御座ろう。 もはや彼らの思考回路は、我々のようなごく一般的な者には分かり得ないので御座る。 例えあそこに見ている魔法使いのもの達でも、きっと疑問符で一杯で御座ろうて。」


 確かに他のギャラリーも特に口出しなどはしていない。 下手に口出ししても邪魔になるだけだと感じているのだろう。


「あたいのオープニング、生成像の効果で生成像の中に魔素石をセット。 そしてドロー。 プラポレーションタイム。 さてと、今の状態だとあたいに圧倒的に負けているのよね。 ここはモンスターでも召喚しようかしら?」


 確かに向こうにはあの像1つだけだし、攻撃が行える訳じゃない。 ここは無難な選択とも言えるだろう。


「あたいはコストを12支払い魔法カード「余波付き召喚」発動。」


 なに!? また魔法カードによる召喚だと!?


「そう、あの二人はただカードバトルをしているのではないので御座るよ。 彼らは同時に話術によって、相手の動向を揺さぶろうとしているので御座る。」

「相手の動向?」

「今汝はこう思った筈だ。 「モンスターを召喚してくる。 ならばそれに対策を立てておこう」と考えたで御座ろう。」


 確かにモンスターの召喚ならば対策は簡単だろう。 召喚を止める、召喚した後に破壊する。 そのようなことをすれば良いのだから。


「しかしあれは魔法カードの効果による召喚。 モンスター召喚とはまた別で御座ろう。 しかも先程の魔法カードの効果を見てみよ。」


 そう言われ先程の魔法カードを確認する。


『魔法カード:余波付き召喚 レアリティ 桃 コスト 12

 このカードを発動した後に、このカードのコスト以下のモンスターを手札から召喚する。 その後相手は召喚したモンスターのコストの半分のモンスターを、山札から召喚する。』


 む? 相手にも召喚をさせるのか? そのようなことにどんな効果がある? 状況によってはデメリットになってしまうだろう?


「あたいは手札から「中級魔道術士」を召喚する。 このモンスターのコストは12だからその半分のコスト、6以下ならそっちのデッキから出せるわよ。」

「ふーんそうかい。 なら俺はコストが5のハッキングバグを召喚するぜ。 で? その中級魔道術士ってモンスター。 一体何の効果があるんだ?」

「ふふん。 このモンスターはね。 相手のモンスターが召喚された時に魔素石をセットするんだ。 そして魔法カードを使ったから、貯蓄壺に魔素石を入れるよ。 だからこれで2つの魔素石があることになる。」


 確かに言われてみればそうなのだろうが、そのうちの2つは壺の中にはない筈。 それでは貯蓄壺の効果は使えない筈だが・・・?


「コンバットタイム。 中級魔道術士の攻撃。 このモンスターは自分のフィールドにある魔素石の数だけステータスが5つずつ上がるの。 今は4つあるから合計は20。 元々の数値が10だから攻撃力は30になる。 それで厄介な強襲竜を破壊してあげる!」


 これが通ればダメージになる。 だがセイジのフィールドにはキッキングホークスがいる。 モンスター効果で攻撃を止めれば・・・


「俺はコストを7つ支払い、インタラプトカード「ツギハギの折り畳み盾」を使用し、攻撃を無効にする。 更にコストを3つ支払い、手札に戻す効果を使う。」

「馬鹿な!? そんなことをすれば、貯蓄壺に魔素石が貯まってしまうんだぞ!?」

「貯蓄壺の効果。 魔法カードを使用したことにより貯蓄壺に魔素石が入る。 モンスターは破壊できなかったけどこれはこれでいいわ。 中級魔道術士には更なる効果があり、自分のターン中に1度だけ、魔素石を任意の場所に移動させることが出来る! あたいは魔素石を壺に全部入れるわ。」


 生成像と中級魔道術士から魔素石が取り出され、壺の中に入っていく。 そして壺の効果を使えばダメージなり回復なりで、相手に有利な盤面を作らせることになってしまう。 そんな状況に自ら追いやってどうするのだ、セイジ!


「それでそれを使うのかい?」


 その言葉にサヴィは声を詰まらせた。 なにを言っているんだセイジは? あの場面なら使うのは当然の事。 なのになぜサヴィは動きを止めた? どう言うことだ?


「・・・ふふっ、あたいとしたことが、ミスだと思って調子に乗っちゃったみたいね。 してやられたわ。」

「別に恥じることじゃないさ。 ただちょっとばかし宛が外れた。 そうだろう?」

「そうかもしれないわね。 クールタイムに入り、あたいはエンディングを迎えるわ。」


 どうなっている? サヴィはあの壺を使えばダメージか回復かどちらかは選べた筈なのにそれをわざわざ1ターン放棄した? なにが彼女の手元を狂わせたのだ?


「ベルジア殿。 まだ分からぬで御座るか? なぜ貯蓄壺の効果を使用しなかったのか。」

「む。 そういうレイトは分かっているのか? あの状況を。」

「ああ、そしてセイジ殿は分かった上で、あの行動に出ていた。」


 あの一連の流れが分かっていた? あのインタラプトカードは、あの場を考えるならば悪手でしかない筈。 なのにこうなることを予測していた?


「まず貯蓄壺の効果で魔素石を貯められる上限は確かに無い。 だがあの場で貯蓄壺の効果を使用してしまえば、中級魔道術士のステータスはどうなるで御座ろう?」

「・・・! そうか! 今あの場で使ってしまえば、ステータスは元に戻る! そしてセイジのコンバットタイムで中級魔道術士は倒される。」

「恐らく今魔素石を移動させられるのはあのモンスターのみであろう。 そうでなくとも、全体的にステータスが低いため、ステータスを捨ててまで攻めたりはしないで御座ろう。」


 なんという裏のかきあい。 以下に相手の不利を作るか。 あの二人の間ではもうただのカードバトルの領域を越えている。 たったの3ターンでやっていることが二転三転しすぎている。 もし私がサヴィと戦っていたなら、翻弄されていつの間にか負けていただろう。 その事実に恐怖すら覚えていた。


「俺のオープニング、そしてドロー、プラポレーションタイム。 俺はコストを4つ支払い「ドリルクロウ」を召喚。 コンバットタイム。 ドリルクロウで中級魔道術士に攻撃。 ドリルクロウの効果! このモンスターと戦闘したモンスターはこのモンスターと共にダメージ計算を行わずに破壊する。」


 ドリルクロウの効果なら戦闘ではなくとも破壊が出来る。 中級魔道術士を破壊出来れば、貯蓄壺に魔素石が移動することはない。


「あたいはコストを3つ支払い、インタラプトカード「マジックシールド」を発動。 このコンバットタイムでのモンスターの効果破壊を無効にする。 そして魔法カードを使用したことにより魔素石が入る。」


 くっ。 効果破壊が出来ないのは少々辛いのではないか? いくら素のステータスが高いからと言って、ダメージは少ないぞ。


「キッキングホークスで中級魔道術士に攻撃。」

 キッキングホークスの蹴りが入るが、中級魔道術士はバリアのようなもので耐えていた。


「魔素石があるから、まだ破壊されないよ。」

「ならドラグニティ・フレンズで破壊させてもらうぜ!」


 ドラグニティ・フレンズの攻撃もバリアを張っていたが、耐えることが出来ずに倒されてしまう。 が、体力はドラグニティ・フレンズと同じなのでダメージにはなら無い。


「まだ攻撃は続くぜ! 強襲竜で生成像を攻撃!」


 強襲竜からの咆哮で像が破壊される。 ダメージは1だが、それでも相手はがら空きになった。


「ハッキングバグ! ライフコアに攻撃しろ!」


 そしてラストに直接攻撃が当たり、サヴィはかなり痛いダメージになっている筈だ。


「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。 ・・・」

「・・・どうしたのかしら? かなり有利な状況なのにあまり嬉しそうじゃないわね。」

「そう見えるか? なんだろうな。 ここまで有利に進んでいると、どんなどんでん返しが来るか分かったものじゃないからな。」


 セイジは警戒をしすぎではないのかと思ってしまうが、私はその危機回避のための考えこそがセイジらしさだと言うことを知っている。 本当に目が離せない。


「あたいのオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」

 サヴィも全く慌てる様子もなく進めていく。 なんだ? あの余裕は?

「・・・来たか? あんたのエース。」

「・・・ええ。 信じるものはなんとやらね。 これだからこのゲームは面白いのよね。」


 ・・・もう私は二人のやり取りについていけなくなっていた。 なにがそんなに楽しいのだセイジ。 なぜ喜びを表さないのだサヴィ。 もう既に見守るしか私には出来なかった。


「あたいはコストを24支払い「次元魔導師 ディーメーン」を召喚!」

他人のカードゲームのやりとりは訳が分からないことも多いことだと思います。


今回はそんな想いをのせて書きました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ