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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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異色の中の異色

 俺は初手で「スタートダッシュ」を使っているので、今のコストは半分になる。 これで高いコストのカードでも、お手軽に出せる計算だ。 この機会は絶対に逃さない。


「俺はコストを4つ支払い「強襲竜」を召喚! 更にコストを6つ支払い「ドラグニティ・フレンズ」も召喚する!」


 強襲竜が現れた後にドラグニティ・フレンズが上から現れた。 ドラグニティ・フレンズは自分フィールドに「竜族」がいなければステータス自体が半分になってしまうが、それを「強襲竜」でカバーし、さらに強襲竜はライフコアには直接攻撃が出来ないが、そのステータスを持っていれば十分に力を発揮できる。 向こうに魔素石を与えたとしても、お釣りが返ってくる程に盤面は強く出来た。


「コンバットタイム! 強襲竜で供物モンスターを攻撃!」


 とは言えこの攻撃が直接通るとは俺も思っていない。 明らかに誘っているのは分かっているからだ。 なにが飛び出す?


「あたいはコストを3つ支払いインタラプトカード「砂風(サンドウィンド)」。 これによって強襲竜の攻撃力は半分になる。」


 だろうな。 これで大ダメージは避けられる。


「だがそのモンスターは破壊させてもらうぜ。」

「構わないわ。 元々壊してもらうために置いたものだし。」


 ダメージは与えられないものの供物モンスターは破壊できる。 しかしそれは同時に貯蓄壺に魔素石を入れることになる。 しかも先程インタラプトカードを使ったことにより、更に1つ増えることになる。 これであの壺の中には4つの魔素石が入っている。 後1つであの壺の効果が発揮される。 だが今はフィールドががら空きになっている。 攻めるなら今か。 状況を改めて見た後に、


「ドラグニティ・フレンズよ! ライフコアに直接攻撃をするんだ!」


 ドラグニティ・フレンズの攻撃力は20。 ライフコアの1/5は削れるが、これを受けるか避けるか。


「いいわ! その攻撃、受けてあげるわよ!」


 そう言ってドラグニティ・フレンズの一撃を食らうサヴィ。 ライフコアを回復させてくれる壺があるとはいえ、流石にその身に受けすぎている。 これはなにかあるのか?


「ふふふ。 いいわね。 こうなった時に対戦相手が考えることは2つ。 無謀にも攻撃をするか、仕掛けてくると分かって攻撃をしないか。 前者はただの突撃馬鹿だから返り討ちにあった時の動揺が凄まじいし、後者は攻撃の機会を見送っているわけだから、相手に準備もされてしまって、結果調子が狂うのよ。」

「その言い方なら俺も前者ってことになるが?」

「違うわね。 あなたは互いのフィールドの現状を見た上で、攻撃を仕掛けてきた。 しかも相手に返り討ちに合うことも前提で、ね。 すぐに攻撃を仕掛けなかったのはあたいの手札にインタラプトカードが存在するかもしれないってことを考えての事でしょ? 倒せればいいだけの考えの馬鹿はすぐに崩れる。」


 サヴィの推測を聞いて分かった。 サヴィも俺と同じ思考回路をしているのだ。 いや、俺の場合は経験から、サヴィは自分と相手の力量を見計らいながら戦っている。 零斗さんとの戦いの時は向こうのテーマが完璧になっていたからこその苦戦だったが、今度の相手は似た者同士の思考回路の戦い。 相手の手の上を行かなければ、その時点で追い付けない。 常に思考は切り替えなければ。


「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」


 さてこのターンで相手に深手は負わせられたと思うがまだまだ油断ならない。 あの壺の中に魔素石が4つある事実は変わらない。 しかし俺はサヴィが、ただあの壺の中に魔素石を入れるため()()に使うとは思っていない。 満タンになったところで使うタイミングはサヴィの手にかかっている。


「あたいのオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 向こうのターンになる。 相手の手を予測しよう。 今のところ出したモンスターは魔法カードの効果によって生成されたものだった。 つまり単純にモンスターカードは少ない。 ただしその分魔法カードが豊富なのだろう。 そしてその魔法カードで戦局を動かす程の力を出す。


 そう予測は立ててみるものの、あくまでも予測は予測。 当たる率の方が低い方がいいと思うのが、自分なりの答えだったりする。


「あたいはコストを9支払い、魔法カード「媒体供給」を発動。」


『魔法カード:媒体供給 レアリティ 桃 コスト 9

 自分フィールドの魔素石を1つ使用し、カードを2枚ドローする。 このプラポレーションタイム時、自分フィールドにモンスターカードを召喚した時、そのモンスターに魔素石を1つ乗せる。』


「あたいは貯蓄壺の中にある魔素石を1つ使って、カードを2枚引く。 そして魔法カードを使ったことで、貯蓄壺に魔素石が1つ入る。」


 流石に使いなれているな。 あれによってほとんどプラスにしか働いていない。 どちらにしろ貯蓄壺の効果は受けることになりそうだ。


「更にコストを5つ支払い魔法カード「生成像の作成」を発動。」


『魔法カード:生成像の作成 レアリティ 紫 コスト 5

 発動後、自分フィールドに「魔素石生成像 自分のエンディング時、魔素石を1つこのカードに置く ATK 1 HP 15」を召喚する。』


 そうして下から壺を持った像が現れる。 そして魔素石が壺の中に作られた。 この場面だと回復を優先するだろうが・・・


「あたいは「貯蓄壺」の効果を使用。 相手に10のダメージを与えるわ。」


 壺の中から赤いドロドロとした液体が宙を舞う。 そして俺のライフコアに向かって一直線に飛んできた。 そしてライフコアのカウントが減少した。


「クールタイムに入り、あたいはエンディングを迎える。 この時生成像から魔素石が生まれる。」


「カラン」とどこからともなく音がした。 恐らくは石が生成されたのだろう。 しかし


「なんで自分のライフを回復しなかった? 状況不利を物語る訳じゃないが、その現状で相手を攻める理由は少ないんじゃないか?」

「悪いわね。 あたいは「守られる」のはいいけれど、自分を「守る」事は好きじゃないの。 失敗も挫折も敗北もあたいの責任。 負けるなら自分なりの結果を出して負けたいの。 それにまだ試合は序の口よ? 勝った気でいて欲しくないわね。」


 その瞳を見て、俺は考えを改めた。 無謀ではない。 彼女の異質とも言える好奇心は、例え自分の不利益になることでも尽きることはない。 彼女の信念に揺らぎが無いのだ。


「・・・それは申し訳無いことを言った。 あんたも普通のバトラーのような心理は持ち合わせていないみたいだな。」

「それはそっちもじゃないの? その手札になにを隠し持っているか見通せないもの。」


 見通されたら困るんだけどな。 試合状況的に。 しかしこれでハッキリ分かった。 俺とサヴィも相手の裏をかきたくてしょうがないんだ。 それだけ突発で、異質な動きを見せたいんだ。


「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 ならばどっちが本当の奇術師か、白黒つけようじゃないか!


「俺はコストを10支払い魔法カード「歴史改変の代償」を発動! カードを3.枚ドローし、その後手札の「カーテン・ザ・マント」を見せてから捨て場に送る。 これでいかなる状態であろうと「カーテン・ザ・マント」の効果は使用できない。 そしてコストを10支払い、さっき引いた「キッキングホークス」を召喚するぜ!」

「自分に有利に働くカードを使えなくしてまで自分の手札の補充?」

「致し方ない犠牲・・・とまでは行かないが、必要な犠牲だと思うんだが、そうは思わないか?」

「いいえ。 多を得るためには1つを捨てる。 当然の行いだと思うわ。」


 そう言ってくれるとありがたいものだ。 こっちだってただで捨てるのは流石に惜しいからな。 だが戦いに犠牲は付き物なんて考えは好きじゃないけどな!


「コンバットタイム! 俺は強襲竜で魔素石生成像を攻撃!」

「そうはさせないわよ! あたいはコストを10支払ってインタラプトカード「魔素石の共鳴反応」発動!」


『魔法カード(インタラプト):魔素石の共鳴反応 レアリティ 桃 コスト10

 魔素石がフィールドに2つ以上あるときに発動できる。 この相手のコンバットタイム、攻撃が行えない。 次の自分のオープニング時、魔素石2つを取り除く。』


 強襲竜が攻撃を仕掛けようとした時に、緑色のドームのようなものが、バチバチと現れる。 強襲竜も危険だと判断したのかすぐに折り返してきた。


「へっ。 やっぱり攻撃はさせてくれないか。」

「これでもあたいの要だからね。」

「あんたも異質だと思うぜ? まあ大ダメージを考えれば正しい選択ではあるがな。 クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」

正直この戦いは喋りあいが主体なので、大まかな部分以外ではカードの特徴などは書いておりません。


カードゲームを文字化するとこうなるんですよね。

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