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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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好奇心ある劇場

 そう言いながら大木をスルスルと降りてくるサブミニノ、サヴィは俺達に問いかける。


「そうだな。 自己紹介は大事だな。 俺はセイジ ノムラ。 呼ばれたのは俺だ。 で、後ろのみんなは俺の仲間。」

「ア、アリフレア・ナルティ、です。」

「リーゼルデ・フォン・フランシュシュ。 本名は長いからゼルダでいいですよ。」

「ベルジア・アスランだ。 私はハーキュリー国内にある領土の、アルフィスト次期領主である。」

「ファルケン・ライナーっす。」

「レイト・コマツバラで御座る。 喋り方は元からゆえ、ご容赦願うで御座る。」


 とりあえずはみんなの紹介は終わったというわけで、俺はサヴィに聞いておきたいことがあった。


「自己紹介が終わったついでに聞いてもいいか?」

「互いを知らない間柄なのにもうあたいに質問してくるのね。 なにかしら?」

「あんたがさっき言った「大当たり」ってなんだ? 人の顔を見て大当たりって言うからには、理由があるんだろ?」


 そう言うと、サヴィはまた興味深そうに俺の事を見てくる。 やたら観察してくるな。 別に見られて困るものはないが、あんまり興味深く見られるのも言い心地は正直しない。


「随分と注意深く見て・・・いや、聞いているわね。」

「今のあんたほどじゃねぇよ。 で?質問には答えてくれるのか?」

「そうね、答えてあげるのが普通よね。 この世に生きる生物には身体の中に「魔力」を保持しているの。 人であろうと亜人であろうと獣であろうと、動物であるならば例外なく魔力は存在する。 そして魔力には種族も含めて個体差がある。 その辺りはアーリーおばさまから聞いてないかしら?」


 そこまでの説明をされたかと言われると正直に言えば受けていない。 言っていたのかもしれないが、聞き取れていなかったかも知れない。


「その様子だと聞いていないかしらね。 恐らく貴方も半信半疑でここに連れてこられたんでしょ? 知らないのも無理ないわ。 それで話を戻すと、種族の個体差の中でも人族は魔力の保持量は多くないわ。 でも稀に魔力の保持量が、普通の人族よりも多い人がいる。 それが貴方って訳。」


 感覚的には全く分からないが、どうやらそう言うことらしい。 しかし魔法も使えない人族に、そんなに保持している意味があるのだろうか?


「疑問があるようね?」

「魔力を使わない、使えないからこそ、人族は知恵を絞り、自分達の生活に不自由のないやり方を試行錯誤した。 使わないのであれば宝の持ち腐れだろう?」

「その見解は流石ね。 確かに人族が魔法を使うことは日常的にもない。 でも魔力は存在する。 そして素質があると認められた人族は、魔法使いとしての修行をすることも可能な訳。」

「つまり俺は魔法使いに慣れる素質があると?」

「じゃなきゃそもそもここに案内してこないわ。 そうでしょ?」


 それは確かにそうなんだよなぁ。 じゃあ俺は魔法使いにさせようってことなのか?


「でもそんなことでアーリーおばさまは外の人間を呼ばないわ。 あなたが呼ばれたのは、あたいについての事。」

「ん? なんであんたが関係してるんだ?」

「サヴィ様はこのような密閉した里にいるような方ではありません。 外の世界には、もっともっとサヴィ様の好奇心を刺激するものが沢山あります。 しかし我々も1人で行かせるのは危険だと判断しているのですじゃ。」


 なにその愛娘に出掛けさせるのが不安で不安で堪らないみたいな心理。 むしろそれではサヴィも窮屈ではないのか?


「あなたの言わんとしていることが分かるわ。 あたいもそうは思ったけれど、アーリーおばさまの言っていることも間違っていないから、あたいもなにも言わなかったわ。 でもこうして好奇心を連れてきてくれたことには感謝してるわ。 これで外の世界に出られるってものよ。」


 な、なんというお転婆娘。 出たいのか出たくないのか分からないような言い分だ。 これ、もしかして自分の知らないことなら悪いことでも突っ走っちゃうタイプなんじゃねぇか? 当然俺に会ったことで何らかの変化はもたらされた。 だが同時に危険さを増させてしまったのも事実だろう。 「好奇心は猫をも殺す」とはまさにこの事だろう。


「なぁ。 サヴィ・・・様? あんたは外の世界を見たがっているのは良く分かった。 だけどそれじゃあ、俺はただの呼ばれ損だ。 そうは思わないか?」

「堅っ苦しいのはなしにしない? 普通にサヴィでいいわ。 そうね。 その点については今までここに連れてこられた人はそんなことを疑問にも思わなかったわね。 記憶を消す魔法を使っているからって言うのもあるけれど、あなたの記憶を奪うのは心が痛い。」

「それなら一つ、腕試しと行かないか? 外の世界で魔法が使えない訳じゃない。 だが戦い方は一つじゃない。 魔法で戦えないなら、別の方法で優劣をつける。 血生臭さのない、正当なる戦いを。」


 そう言って俺はホルスターを取り出す。 魔法使いの里でもやることがあるのかは疑問だったが、サヴィは驚いた様子を見せた後に、サヴィもホルスターを提示する。


「面白いじゃない。 これで決めようだなんて。 制約的に魔法使いが欲しいわけ?」

「別にそう言う訳じゃない。 ただ今のあんたを外に出すのは危ういと思っただけだ。 直感だけどな。」

「ふーん。 いいわ。 一応言っておくけど、あたいはこっちでも強いわよ? それでもいいの?」

「頂点を目指したからって終わりじゃない。 好奇心ってそういうことじゃないか?」

「・・・大当たりも大当たりじゃない。 最高だわ。」


 そうして俺達は互いにディスクを構える。 制約カードバトルではないのでバイザーをセットして始める。


「うおっ。 あの人族のやつ、サヴィ様に勝負を仕掛けたぞ。」

「サヴィ様もワクワクしてる。 これって凄い事じゃない?」

「あぁ、この戦い、見逃すのは勿体無いな!」


 ギャラリーも集まってきた。 状況としてはアウェーの筈だが、逆にそこが燃えてくる。 簡単には負けられないな。


「「さぁ、劇場の始まりだ!」」


 ダイスロールが開始され俺は「4」、サヴィは「5」。 先攻はサヴィになる。


「あたいのオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 初手である程度相手の動きが見えるとは言え、準備段階で完成させられるのは、キツかったりもする。 さぁ、魔法使いのデッキはどんなものになるんだ?


「あたいはコストを4つ支払って、魔法カード「貯蓄壺」発動。」


『魔法カード:貯蓄壺 レアリティ 水色 コスト 4

 このカードは発動後、領域カード扱いでフィールドに残る。 自分、もしくは相手が魔法カードを使用した時、このカードに「魔素石」を1つ乗せる。 

 1ターンに一度、魔素石が5つ以上ある時、魔素石を取り除く事で、自分は以下の効果を使用できる。

「相手のライフコアに10のダメージを与える。」

「自分のライフコアを5回復させる。」』


 そうして出てきたのは1つの変哲のない壺だった。 魔素石を貯めて効果を使う。 戦術としてはあの壺に魔素石を貯めつつ、こちらにダメージを与えるものだろうと考える。 となるとサヴィのデッキの中には魔法カードを多く入れているだろう。 しかしモンスターもいないわけではなく、補助目的なりこちらの攻撃を止めるインタラプトカードなり、必ず何かしらは出してくる。


「あたいはコストを6つ支払い、魔法カード「魔素貢献の供物」を発動! これによりあたいのフィールドに「供物モンスター」が現れた!」


『魔法カード:魔素貢献の供物 レアリティ 紫 コスト 6

 このカードを発動した時、自分フィールドに「供物モンスター このカードが破壊された時、「魔素石」を1つ、自分フィールドのカードに置く ATK 7 HP 8」を召喚する。』


 魔法カードが使用され、「貯蓄壺」の上から青緑に光る石が「カラン」と壺の中に入っていった。 あれが魔素石か。 サヴィが使うのはもちろん、俺が魔法カードを使った時でも石は入る。 そしてそれは、あのカード自体を破壊しない限りは、永久に行われる事だ。 魔法カードの使用回数は限られる。 が、余程の事が無ければ必ず使うカード。 避けては通れない道と言う訳だ。


「クールタイムに入り、あたいはエンディングを迎える。 さぁ、そっちのターンよ。」


 とはいえそんなことで戦意喪失はまだ早すぎる。 こちらも備えれるだけ備えることにしよう。


「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 引いたカードを確認する。 ・・・いいね。 いいカードが来てくれた。


「俺はコストを3支払い、魔法カード「スタートダッシュ」を発動する。 これによりこのプラポレーションタイム、俺の支払うコストは全て半分になる。」

「随分と粋のいいことするじゃない。 でもいいの? 魔法カードを使ったことで、「貯蓄壺」の魔素石はまた1つ増えた。 これは貴方にとっては望ましくないことよ。」


 確かに2つ目の青緑の石が上から入れられた。 普通ならあれが出された時点で、戦略の変更は余儀無くされることだろう。 だが


「俺にはそんなのは関係無い。 敵の土俵が有利ならば、その有利な状況ごと勝ちに行くまで。 俺なりのやり方で戦い抜いてやるさ。」

「・・・やっぱり興味をそそるわね。 いいわ。 あなたの全力をあたいにぶつけてみなさい!」

「最初からそのつもりだ!」

今回の戦いは頭脳戦になるようにしていきたいです。


・・・出来るか正直自分でも分かりません。 せめて自分の頭がパンクしない程度には頑張ります

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