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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
131/262

亜人のタッグパートナー

「はん。 亜人なら大人じゃなくても奪えるんだよな。」

「そうだよな。 2、3人程度ならこうして担げるしな。」

「で? その子達をどこに連れていく気だ?」


 朝日と共に、意気揚々と街を去ろうとしている2人に俺達全員で囲む。 朝のまだ日が昇り始めた時間。 辺りは誰もいない。 そんな中2人に担がれている亜人の子供(3人いて豚と鶏の男の子と、牛の女の子)は、こんな状況下でぐっすり眠っている。 恐らく睡眠作用の薬でも嗅がされているのかもしれない。


 そんな状況に犯人の2人も驚いていた。 この時間帯は誰もいないと踏んでの行動なので尚更だろう。


「あ? どこだっていいだろうが。 お前らには関係ねぇだろ。」

「だったらその子達を連れ去る理由もないよな? しかもこんな朝っぱらから。 そんなことより、その子達をとっとと下ろしてやれ。 いきなり親子が離れたら、可哀想だろ。」

「亜人なんだから別にいいだろ。 それに親って言ったって、人間の突然変異の落とし子だぜ? そんな奴らをまともに育てようって、どうかしてるぜ。」

「それは亜人の親子に対する侮辱でいいんだよね?」


 そうして後ろにいるゼルダを男2人は見ると、「おお」と声をあげた。 主にゼルダの胸を見ながらだが。


「はぁ。 亜人でも育つところは育つんだな。 って事はこの牛の雌ガキも、成長すれば動物の牛並みに・・・」

「おい、あいつはお前の奴隷か?」

「奴隷じゃねぇが、俺の仲間だ。」

「なぁ、取引しねぇか? このガキどもを置いていく代わりにあの女亜人と交換だ。 それなら悪くないだろ?」


 亜人を連れ去ろうと言う事には代わり無いんだな。 その事実に辿り着いたとき、俺はため息をついた。


「だから言っただろう? こういった輩にそのような交渉は無意味だと。」

「いやーもしかしたらって思ったんだが・・・悪い。 善良な相手ならまずこんなことはしないか。」

「なにぶつくさ言ってやがる! 俺達を見逃すのか、あの女を渡すのか。 どっちにするんだよ!」

「どっちもしないから。 お前達こそ、今返せば未遂で終わるんだ。 亜人を連れ去ろうとするなんて行為止めて、真っ当に生きようぜ。」

「説教垂らされる覚えはないな。 分かったらとっととどけ!」


 交渉決裂。 ベルジアの言う通り、分かってはいたけれど、どうしても堪えるなぁ。 ま、だからこそ次の手段があるんだけどな。


「行かすのは構わないが、俺達を倒してからにしな。 こいつでな。」

「あ?」

「といっても片方だけ戦って逃げられるのも癪だ。 2人相手にしてやる。 タッグルールだ。 それで俺達が負けたらゼルダを引き渡すし、お前達の行為に目を瞑る。 手出しもさせねぇ。 その代わり俺達が勝ったらその子達を離して、大人しくお縄にかかりな。」

「なに!? そんなことをすると・・・」


 そう男達が言おうとした瞬間にあちらこちらから様々な音や匂いが飛び交ってくる。 戸を開ける音、なにかが焼ける匂い、話し声。 そう、この街にも朝が来たのだ。 奴らはこの街の人達にバレる前に逃げたかったようなので、時間を稼ぎ、この男達の誘拐現場を見てもらうための空間を作ったのだ。


「て、てめぇ・・・!」

「さぁどうする? このままじゃどのみち現行犯逮捕だぜ?」

「ちっ! 上等だ! やってやろうじゃねぇかよ!」

「そう来なくちゃ。 ファルケン。 タッグパートナーを頼むぞ。」

「俺っちでいいんすか?」

「ここで見せておけば、アピールになるしな。 人族と亜人の友好関係と、亜人の為に動く人族と言った具合にな。」

「流石師匠っすね。 俺っちじゃそこまで考えられないっすよ。」


『制約 亜人の譲渡』


 譲渡って表現が正しいか分からないが、まあ制約には乗ってくれたからそれはいいか。 後は俺達が負けないよう祈るだけだ。


「俺らが勝ったら、あの娘も貰っていいんだよな?」

「そう言う制約だからな。 制約には乗っとるさ。」

「へへ、思わぬ収穫が出来そうだ。」


『さぁ、劇場の始まりだ!』


 俺達が開始しようとしたと同時にファルケンから声が掛けられた。


「師匠、俺っちのデッキの特徴からして、あんまり師匠と相性は良くないような気がするっすけど。」

「関係ないな。 互いのデッキの特色が違っても戦いは出来る。 俺に合わせる必要は無いからな。 ファルケン。」

「・・・了解っす。」


 そしてダイスロールが行われる。 俺が「25」、ファルケンが「74」、とんがり頭が「63」、おかっぱ頭が「80」となり、順番はおかっぱ頭→ファルケン→とんがり頭→俺という順番になった。


「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 俺は10コストを支払い「奴隷商人 ドゥーレイ」を召喚。 更にコストを5つ支払い、装備カード「奴隷化の手錠」をドゥーレイに装備。 奴隷化の手錠により、1ターンに一度このカードコストの低いモンスターを召喚した場合、このモンスターのコントロールを得る。 クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」


 俺は相手のモンスターを見て、少々うんざりする。 またあいつかよ。 本当に奴隷関係の事をしている奴らのデッキの中に必ずいるんだよな。 面倒臭い。


「ファルケン。 あいつのモンスター効果、倒しても更にモンスターを出す面倒なカードだ。 しかも奴隷化の手錠によって、お前のモンスターの大半が奪われる事になる。 カードを使う順番は考えろよ。」

「大丈夫っす。 俺っちも伊達に師匠やベルジア、零斗の練習試合を見てないっすから。 見ててくださいっす。 俺っちのオープニング、そしてドロー! プラポレーションタイム。」


 俺の心配をよそに、ファルケンは自分のプラポレーションタイムに入る。 さて、どう成長したのか、見せて貰おうか。


「俺っちはコストを5つ支払って魔法カード「上空からの援軍」を発動するっす。」


『魔法カード:上空からの援軍 レアリティ 水色 コスト 5

 手札を1枚捨て場に送ることによって、相手のモンスター1体を対象に破壊する。』

「俺っちは手札のWs(ウィンドシューター) パーツレスを捨て場に送って、ドゥーレイを破壊するっす。」


 効果を使用した後、どこからともなくドゥーレイを撃ち抜いた。


「くっ! 俺の奴隷装備が! だがドゥーレイの効果により、俺はディービーストを2体召喚する。」

「それが出来たら十分っす! 俺っちはコストを7つ支払い、「Ws(ウィンドシューター) ガスナム」を召喚するっす!」


『モンスター:Ws(ウィンドシューター)ガスナム レアリティ 紫 コスト7

 種族 鳥獣族

 このカードが召喚される前に魔法カードを使用した場合、カードを1枚ドローする。

 ATK 9 HP 10』


 インコのようなモンスターの手に持っていたのは、小型のマグナム。 武器の大きさによって鳥達の大きさも相応になっているようだ。


「ガスナムの効果によりカードを1枚ドローっす。 そしてこのカードは自分のフィールドにWs(ウィンドシューター)と名のつくモンスターが存在し、更に相手のフィールドにモンスターが2体以上存在する時、召喚コストが1/4になるっす! コストを2支払い、来い!「Ws(ウィンドシューター) ガトリーマ」!」


 よし! ファルケンの低コスト召喚が成功した! ファルケンに取って一番の敵はコストの高いモンスターとの戦闘ではなく、自分のフィールドにWsを残せなかった時のコンボが作れなくなることだ。 そして今回のように敵がWsを奪ってくるような戦術の場合は更にコンボが繋げにくい。 最初の魔法カードはそれの対策だし、ガスナムで手札のリカバリーも出来る。 道は必ずしも1つじゃない。 それを体現してくれたようだ。


「タッグルールによって、最初のターンは戦闘を行えないっす。 クールタイムに入り、俺っちはエンディングを迎えるっす。」

「鳥の癖に猿真似を! 俺のオープニング、そしてドロー! プラポレーションタイム。 俺はコストを9つ支払い「隠密機構 ベール」を召喚!」


『モンスター:隠密機構 ベール レアリティ 桃 コスト 9

 種族 魔法使い

 このカードは効果では破壊されない。 このカードの戦闘で与えるダメージと受けるダメージは2倍になる。

 ATK 14 HP 8』


 なにかに羽織られたモンスターが登場したがその全貌が掴めない。


「更に俺はコストを6つ支払い、装備カード「挑発マント」をベールに装備する。」


『装備カード:挑発マント レアリティ 紫 コスト 6

 相手の破壊する効果が発動された時、その対象を装備したモンスターに変更する。』


 なるほど、安易に他のモンスターを破壊させないのが狙いか。 今回の場合はそれがかなり有効的になってる。 多分何度も同じ場面に遭遇してるのだろう。 手慣れてやがる。


「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」

久しぶりのタッグバトル

今回はさっくり終わらせる予定ですが、尺の都合等は随時考えていく予定です。


現状

おかっぱ頭 ライフコア 98

ディービースト×2


とんがり頭 ライフコア98

隠密機構 ベール 挑発マント


ファルケン ライフコア 98

Ws ガスナム

Ws ガトリーマ


セイジ ライフコア 100

モンスターなし

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