導け、自分の答えを
「俺はコストを支払い「雨降りにさ迷う少女」を召喚! 召喚時効果により、領域カード「雨降りの路地裏」を展開! そしてその領域カードを破棄し、コストを支払い、領域カード「染み渡った晴天」を展開! これにより、「雨降りにさ迷う少女」は「救われし少女」へと変わる!」
ここまでは一連の動作でなんとかなるものの、問題はここからである。 これで戦闘による破壊は免れたが、結局の事、ダメージを食らうことには代わり無い。 ならばここは自分のライフコアを削ってでも召喚をしておくのが得策だろう。 出すモンスターは・・・まずはこいつだな。
「俺はコストを11支払い「エンジェルビー」」を召喚。 召喚時効果により俺はカードをドローする。」
これでドローを重ねる。 引いたカードは・・・
「・・・よし! これなら! 俺はコストを支払いさっき引いた「ドリルクロウ」を召喚! そしてここで染み渡った晴天の全ての効果が発動する!」
これによって俺のフィールドのモンスターは全て攻撃力が5上がり、戦闘では破壊されなくなった。 さらにこれで一番高いコストであるエンジェルビーのコスト分、ライフコアを回復する。
「コンバットタイム! エイリアンインザマンとバンブーナイトでハイプリエステスを攻撃!」
「甘いですよ! コストを5つ支払いインタラプトカード「ブルームーンバリア」発動! バンブーナイトの攻撃を無効にする!」
「そんなのは想定内! 攻撃力が上がってるんだ。 ただでは倒されたく無いだろうな。 だが攻撃を止めるモンスターを間違えたな! エンジェルビーでハイプリエステスを攻撃!」
エンジェルビーの投げた槍が、ハイプリエステスに刺さり、そのままハイプリエステスはやられる。 そしてその槍はハイプリエステスの血液を取っていた。
「エンジェルビーの効果。 このカードが与えたダメージの半分、ライフコアを回復する。」
「何故先にハイプリエステスを破壊したのです。 この中で最も厄介なのは、ザ・ワールド・オブ・キングの筈でしょう?」
「最初のターンスキップと全体攻撃は脅威かもしれないが、それが終われば攻撃力の高いだけのモンスターさ。 それに、別に耐性があるわけでもなさそうだしな。」
「なにを言っているのです?」
「さっきも言ったろ? 攻撃を止めるモンスターを間違えたとな。 ドリルクロウは戦闘した相手モンスターを、戦闘終了時に自身を破壊することで、ダメージ計算を行わずに破壊する効果を持ってるんだ。」
「なに!? それでは・・・!」
「例えどれだけモンスターの体力があろうとも、効果による破壊は免れない。 さらにこれはモンスター効果だから、無効化しなければいけないのはモンスターになる。 行け! ドリルクロウ! ザワールドオブキングに攻撃!」
大きなその杖を振り下ろすキングだが、そのような攻撃はドリルクロウには当たらない。 そしてドリルクロウは回転を加え、キングの体に風穴をあける。 そしてキングの爆風と共に、ドリルクロウは破壊された。
「僕の・・・キングが・・・」
「お前が前のキングに囚われていると言うのなら、お前が新しくキングになればいい。 今国の政権を握っているのは、誰でもないお前だ。 導きな、自分の思うように。」
それで済めばいいんだがな。 ま、簡単なことではないだろうが、やれるだけの事はやってみせてもいいだろう。
「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。 さぁ、どうする? まだ続けるか?」
「・・・いや、キングが破壊された今、僕に勝利の方程式はない。 制約ルール上は劇場を降りることは出来ない。 僕はもう戦意喪失している。 君の手で倒してくれ。 オープニング、ドロー、プラポレーションタイム。 クールタイム、エンディングだ。」
「オープニング、ドロー、プラポレーションタイム。 コンバットタイム。 全てを終わらせよう。 みんな、攻撃をするんだ。」
そうしてみんなの攻撃をして、ライフコアを完全に減らした。
「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。 これで終幕だ。」
『勝者 セイジ ノムラ 制約により、カリオン・ハーレーに対して、命令が執行出来ます。』
あまりにもあっさりとした決着だったが、まあ言おうとしているのは1つだけだ。
「カリオン。 これを命令として言うのは、正直心苦しいんだよな。」
「いや、このような機会が無ければ、先に進むことも出来なかっただろう。 勝者は君だ。 何なりと受け入れよう。」
「そこまでの覚悟があるなら命令してやろう。 お前に対する命令、それは・・・」
「ご主人様、本当に、あれで、良かったの、ですか?」
俺達は今、ハーレーストラの街から離れた所をドーホース達と走らせている。 ちなみに今は夕方だ。
「確かにある程度の命令なら良かったのならば、我々に優位に働く様に命令をしても良かったのでは?」
「それじゃあ俺が戦った意味がないんでな。 それにこの領地の問題点は俺達で無理矢理やるよりは、自らの力で開拓しなければいけないんだよな。 まあ、同盟はとりあえず結べたし、こっちの目的は達成できただろう。」
そう言って俺はあの時の事を思い出す。
あの時カリオンに命令したのは「ハーレーストラ全体に付いている謎の制約の解除と自分達が誤解されている噂についての開示」というものだった。 その命令にカリオンも驚いていたが、そもそもこんな事になったのは前の王様のせいだし、別にその意思まで引き継ぐことはないだろうという話だ。 というかここまでの事をなにも言わなかったカリオンもカリオンなのだから、落とし前やら、街の人の信用やらを、まずは付けるのが先だろう。 ここで責任逃れするようなら、王としての風格はない。
「まあ、これで簡単には戦争とはいかぬで御座ろうて。 橋自体も架ける計画は前々からあったようで御座るし、これで下手にこちらが言うことも無かろう。」
これで少しはハーレーストラも良くなればいいんだがな。 そんなことを考えつつ、俺達はハーレーストラの土地を南下していった。
「しかし本当に良かったんスか師匠? 折角向こうが宿などを提供してくれてたのに、出てきちゃって。」
そして日が沈み、夕飯の準備をしている中、ファルケンからそんな疑問が飛んでくる。 思い当たる節があるようだ。
「と言われてもなぁ。 俺あの国の雰囲気いまいち好きじゃなくてな。 多分宿に行っても馴染めなかった気がするんだよね。 性分的に。」
ハーレーストラとの同盟を結び終えた後、客人としての招きについて不適切であったことのお詫びとして、宿からなにから今回はハーレーストラ側が負担するとカリオンは言ったのだが、俺はそれを拒否し、早々に出発したのだ。 みんな不満も言わずに付いてきてくれたので、特に気にしてはいなかったが、そんなことは無かったようだ。
「良いではないかファルケン殿。 拙者らは元々別国の民。 そのような恩恵にあやかろうなど、考えてはならぬ。 それに向こうとて、険悪な雰囲気からいきなりもてなしの心得など持ち合わせておらぬだろうて。」
「それに急かしても意味はないと言うことは、セイジを見て分かっていることだろう? あの国はあの国なりの歩み方がある。 私達のような他の国の人間が口出しするのは、本来はご法度なんだからな。」
なんだその俺を反面教師かのようにする言い方は。 確かに半ば強引なやり方だったのは認めるが、ああでもしなければカリオンは動かなかったんだぞ?
「次も、同じように、なるので、しょうか?」
完成した料理を運んで来たアリフレアから、不安の声が上がった。
「そうだねぇ 何てったって次の国が次の国だし。 ボクも聞いた時は驚きましたよ。」
そう言って料理を前にして、地図を広げて、みんなでその地図を見る。 ドーホース達もだ。
「今は多分この辺りにいるんだよな。 で、ここに川があって、そこから先が次の国だ。」
指差しながら次の国の名前を呼ぶ。
「アイルメーヌ。 亜人の国の1つだ。 亜人との同盟を結ぶためにも、戦争を仕掛けようとしていたハーレーストラよりも重要な場所だ。」
ようやく亜人の国の話が書ける・・・




