こうなった理由と変えるための
俺達は目論見通り(?)この国の領主と接触出来た。 しかし向こうからの印象は良くないように思える。 それもそうだ。 見知らぬ人間が自分の土地で暴れまわっていたらさすがに警戒もされるだろう。 ここからが俺達にとっての一つの難題である。
「さて、どこから聞いたものか・・・ まずは君達の紹介をしてもらえるかな?」
「それもそうですね。 では僭越ながら自分から。 自分はハーキュリーが国王、ミカラ・ハーキュリアの命につかまつりました。 名をセイジ・ノムラと言います。」
「続いては私が。 私はハーキュリー国内にあります領土、アルフィスト次期領主 ベルジア・アスランでございます。」
「ア、アリフレア・ナルティ、です。」
「リーゼルデ・フォン・フランシュシュ。 長いからゼルダでいいですよ。」
「ファルケン・ライナー・・・です。」
「レイト・コマツバラで御座る。 喋り方は元々故、許してもらいたい。」
「僕はハーレーストラの領主 カリオン・ハーレー。 これで全員紹介は済んだ。」
カリオンは座りながら体勢を変える。 そして先程よりも威圧的になっていた。
「では次だ。 この領地でなにがしたかった?」
訪ねられるとしたら当然そこだよな。 俺達余所者が勝手に戦って、勝ち進んで、あの現状にまでやったんだもんな。
「勘違いをしないで欲しいのですが、別にこの国を乗っ取ろうとかなどとは一切考えておりません。」
「簡単に信用してもらえる程の事はしていないのは、そちらが一番良く知っているはずだが?」
「こうした方が国王と会えると思っただけの話です。」
カリオンの目が俺を捉える。 俺の瞳の裏側を見ようとしているのだろう。 嘘偽りを言っていないかの確認のためだろう。
「・・・本来なら旅人を丁重に扱うような事をせねばならないはずなのだが、今の街はご覧の有り様だ。 これでは迎えることなど出来はしない。」
「現状を無視していたのはそちらでしょう?」
「・・・返す言葉もない。 我々も打開策は無いかと考えていたものだ。」
眉間に皺を寄せ、そう語るカリオン。 意外と厄介なものに携わったか?
「ハーレーストラから出ている橋、あれは隣国オストラレスに対する宣戦布告と噂されていますが?」
「噂は噂。 旅人の君らには教えられない。」
「橋を掛けた経緯は?」
「湖が大きいから渡るために掛けた。 商人ならば必要だと思ったからな。」
「オストラレスへその事を通達すれば、わざわざ領土内などと言う面倒なことをしなくても良かったのでは?」
「・・・もう橋は完成していたのか。」
「知らなかったので?」
「報告が無かったので、認知していなかった。 嘘ではない。 確かに橋の製作を命じたが、報告書は受け取っていない。」
・・・話が噛み合わない? いや、隠しているようにはあまり見えない・・・嘘と本当の境目が分からない。 カリオンはそもそも話の引き継ぎなどはされているのだろうか? どうすればカリオンの真相が分かる?
「どうやらお互いに、話の合点があっていないようだ。 どうだろうか? 一つ君の強さを見込んで、これで試さないか?」
そう言ってカリオンはカードケースを出してくる。 なるほど、確かにここでのルールでいくなら、それで互いの真意に入った方が分かりやすいか。
「いいぜ。 カードに掛ける想いで対話してやろうじゃねぇか。 制約で縛るか?」
「その方が緊迫感は生まれるだろうな。 ではこう言うのはどうだろう。 制約内容は『心身的に負担のかからない命令を一つだけ下せる』というのは。」
ふむ。 制約に具体的な案を出してきたな。 それなら呪いの類いは掛けられないし、肉体的に殺すことも出来ないだろう。
「なら俺はそれに追加の制約をつけよう。 『その命令が物理的に不可能だと判断した場合、拒否権を行使することも出来る。』ってな。」
『制約:命令の行使』
AI領域が展開され始める。 しかし随分と制約が具体的というか保身的だな。 付け加えた俺が言うのもなんだが。
「やはり君なら変えてくれるかもしれないな・・・」
「え?」
「こちらの話だ。 さぁ始めようか。 制約が掛けられている以上は手加減はせんぞ。」
「本気じゃなきゃ、こっちも困るんでね。」
「「さぁ、劇場の幕開けだ!」」
ダイスロールがされて、俺が「46」、カリオンが「69」でカリオンの先攻となる。
「僕のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 僕はコストを7つ支払い、「セブンスチャリオット」を召喚。」
『モンスター:セブンスチャリオット レアリティ 紫 コスト 7
種族 機械族
「戦闘時」相手のライフコアに3のダメージを与える。
ATK 10 HP 12』
出てきたのは戦車。 そして名前から察するに、この世界にあるのか分からないが、タロットカードの暗示のカードだろう。 となると今後はタロット関係が出てくるか。
「更にコストを6支払い、「シックスラバー」を召喚。」
『モンスター:シックスラバー レアリティ 紫 コスト 6
種族 アンチマン
「エンディング時」自分のライフコアを3回復させる。
ATK 4 HP 18』
攻めの戦車、守りの恋人ってところか。 最初らしい最初だな。
「クールタイムに入り、僕はエンディングを迎える。 この時シックスラバーの効果により、ライフコアを3回復させる。」
「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」
前の世界でもタロットをイメージしたカードがあったけれど、こっちは純粋に「そういうものだ」という認識なんだろうな。 じゃあここは本来のタロットの使い方でも教えてあげますかね。
「俺はコストを3支払い、バンブーナイトを召喚。 さらにコストを8支払い、スリーピースブロックを召喚。 コンバットタイム。 俺はバンブーナイトでセブンスチャリオットを攻撃。」
竹の戦士が戦車に向かって突撃をしていく。 とはいえどうなるかまでは分からない。 そしてそのまま戦車に槍が当たる。 どうやらこの攻撃は通すようだ。 下手に残られると厄介なので、ここはスリーピースブロックもチャリオットにぶつけておこう。
「スリーピースブロックでチャリオットを攻撃!」
「破壊はさせない。 僕はコストを5つ支払い、インタラプトカード「変更される運命」を発動する。」
『魔法カード(インタラプト):変更される運命 レアリティ 紫 コスト 5
相手モンスターが攻撃を行った時、その対象を別のモンスターに変更できる。 ただしモンスターのHPが0になる場合は選択が出来ない。』
「僕はスリーピースブロックの対象をシックスラバーに変更する。」
やっぱり変えてきたか。 そう簡単にはやらせてはくれないか。 スリーピースブロックの攻撃はラバーに入っていった。 まあ実際それくらいしてもらわなければいけないもんな。
「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」
「僕のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」
さて、このまま試合を進めるのも悪くはないけれど、俺としては色々と聞きたい部分もあるから、この辺りで会話でも挟むか。
「なぁ、あんた歳いくつだ? 見た感じだと、俺と同い年に見えるが?」
「僕はこれでも20歳だ。 妻子もいない。 それどころではないからな。」
ふむ。二十歳か。 となると引き継ぎの時期が問題になってくるかな。
「僕はコストを8支払い、「セコンドハイプリエステス」を召喚。」
『モンスター:セコンドハイプリエステス レアリティ 桃 コスト 8
種族 天使
「召喚時」自分以外のモンスターはこのターン、相手のインタラプトカードの対象にならない。 また、このカードがフィールドにいる状態で、他のモンスターが破壊された時、カードを1枚引き、モンスターだった場合、そのモンスターのコストの半分のダメージを相手に与える。 その他の場合は自分のライフコアに5のダメージを食らう。 その後、引いたカードは捨て場に送る
ATK 10 HP 15』
ハイプリエステス・・・女教皇だったっけか。 次のターンでハイプリエステスを破壊するのは無理そうだな。
「更にコストを4つ支払い、装備カード「真実の教典」をハイプリエステスに装備。 これによりハイプリエステスがいる限り、魔法カードの使用コストを4減らすことが出来る。」
なるほど。 確かにHP的にも今はハイプリエステスの方がいいわな。 確かに強さと戦略性は十分みたいだな。 しかし俺は話を進めることにした。
「前の国王からの仕事は全部引き継いだのか?」
「確かに引き継がれたが、僕が変わったのは2年前だ。 分からない部分も多い。 今回の橋の事など、作成されるとしか聞かされていないから、用途が分からないんだ。 それは確かに疑心暗鬼になってもおかしくない。 それもこれも僕の父が、余計なことを街の人間に放ったからこうなったんだ。」
街のあの現状は訳アリだというのか。 深掘りしていく必要があるな。
現状
カリオン ライフコア 94
セブンスチャリオット
シックスラバー
セコンドハイプリエステス
セイジ ライフコア 99
バンブーナイト
スリーピースブロック




