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1.プロローグ
みゆきさんは未来から来たらしい。
どうして、らしい、というフワッとした表現になるかというと、僕はみゆきさんが未来から来た場面に出くわしたわけじゃあないんだ。例えばタイムマシンから顔を出して僕に手を振ったわけでもないし、幻想的な色をして渦を巻いているタイムホールからひょっこり顔を出して挨拶をしてきたわけでもない。ただ、記憶をなくした老人として、僕が勤める介護施設にやって来ただけなんだ。
さらに、みゆきさんと一緒に来たというネコ型ロボットも登場するが、ドラえもんのように未来の道具を出して僕らを助けてくれるわけでもない。口だけは達者なやつなんだ。まったく。
それって、みゆきさんがボケていて、ネコ型ロボットは僕の幻覚じゃあないか、と君は思ったかもしれない。それは否定しないよ。でも、僕は信じているんだ。みゆきさんは本当に未来からやって来た素敵なおばあちゃんだってことを。




