1.プロローグ ーなんの罰ですか?ー
初めまして! よろしくお願いします。
この世界は美しい。
煌びやかなエルフ。
愛らしい妖精。
モフモフの獣人。
美しいもの、小さくて可愛らしいもの、モフモフしたものが大好きな私にとっては、最高の環境だ。それらをぼんやりと眺めているだけで幸せな気持ちになる。
……現実を見なければ。
◇◇◇◇
私の名前はクロキ トワ。
九州の専門学校を卒業して、この春からパティシエとして働く予定だった。
だけど、その夢は信号無視で突っ込んできたトラックによって絶たれてしまった。私は大好きな乙女ゲーム『聖女の行進』に夢中で、トラックの存在に気が付かなかったのだ。
目が覚めると、見知らぬ天井……ならぬ見知らぬ洞窟の中だった。
どうやら私は前世の記憶を持ったまま『異世界』に生まれ変わったらしい。そのことに気が付いたのは、私を抱き上げた父の隣に医者らしきエルフの姿が見えたからだ。
初めて目にしたエルフの美しさに感動を覚えると同時に、私はどうしようもない絶望を味わっていた。
軽々と赤ん坊の私を持ち上げる父。
ただの遠近法だと思っていたが、父の腕が天に向かって伸びた時には、足元のエルフがずいぶん小さくなっていた。
(父、デカい!?)
すらりと背が高そうなエルフの頭が、父の腰辺りに見える。
父、推定4メートル。
「おめでとうございます。トール様。元気な姫様でございます」
「うむ! 巨人族の姫の名に恥じぬよう、大きく育てよ、リリ!」
(巨人族!?)
そう、私の転生先は聖女でも悪役令嬢でも魔王でもなく、ゲームでは存在すら出てこない巨人族の姫だったのだ。
↑リリ姫 イメージ画
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