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メイファとの交流

短いです。

 旅は、途中遭遇した魔物を退治し、最低限の休憩を取りながら進んでいたけれど、陽が落ちてくるとキル様の提案で近くにある街に行ってそこの宿に泊まる事になった。

 私はレジーナさんと二人で一室を使う事になり、部屋に入るとお喋りをしながらしばし体を休め、その後は夕飯までヌイグルミ作りに取りかかる事にした。

 倒した魔物の毛を詰めながら、小さなヌイグルミを作っていく。

 合間にチラリとレジーナさんを見れば、何やら植物の葉を千切ってはすり鉢で擦って粉状にしていた。

 錬金術で使う材料のひとつなんだろうか?

 よくわからない。


「ユイさん、レジーナさん。ラオレイールです、失礼します」

「あ、あの、失礼します」

「あれ、ラオ君、メイファさん? どうしたの?」


 ふいに聞こえたノックの音に扉を見ると、次いでラオ君とメイファさんの声がして扉が開き、二人が部屋に入ってきたのが目に入り、軽く首を傾げながら声をかけた。

 ラオ君はシャオ様と同室で、兄弟水入らずで過ごしていた筈だし、メイファさんは……ああ、同室になった美子ちゃんと、何かあったのかな?


「夕食まではまだ時間があるという事なので、ユイさんの側に控えようと思いまして。……それは……何を作っているんですか? ユイさん?」

「ヌイグルミだよ。少しずつでも作ろうと思って。とと、それよりラオ君、私の側に、って、シャオ様はいいの? 時間あるなら、シャオ様とお話ししててもいいんだよ?」

「いえ。兄上とは、夕食後に就寝するまで話せますから。何か、お手伝いできる事はありませんか?」

「あ、あの! 私にもそのヌイグルミの作り方、教えて下さい! 貴女の生きたヌイグルミ、すっごく可愛いし……生きてはなくても、ひとつ欲しいなって思ってたんです! それに、部屋に一人でいるのも、寂しいですし、どうかお願いします!」

「え? 一人でって、美子ちゃんは?」

「あ、あの子は、マノン様が誘いに来て、二人で街へ。私も一緒にってマノン様に誘われたんですが、あの子が、『メイファさんは疲れて動きたくないらしいから』って……私、そんな事は言ってないんですけどね」

「……ああ……。え、えっと、ヌイグルミ、作り方教えますよ! 一緒に作りましょう?」

「! はい! ありがとうございます!」

「なら、俺も。お願いしますユイさん」


 こうして、私はラオ君とメイファさんに教えながら、三人でヌイグルミ作りに没頭し、それを時折レジーナさんに微笑ましく見つめられながら初めての旅の夜を過ごしていったのだった。

 別室で、キル様、シャオ様、ユシャール様が、今日一日の様子を鑑みて、どう美子ちゃんを私に近づけないようにするか、どうマノン様をどこから見ても立派な王子に近づけるかを話し合っているとは、少しも思いもせずに。

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