表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!  作者: にのまえ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/63

43話

 はじめて見るテントに、ラテは瞳を大きく見開いた。


 僕は入り口を広げ、ポールの周りに食事用のテーブルとクッションを並べる。その横には、押し入れの奥にしまい込んでいた、“人をダメにする”大きなクッションを置いた。


「ラテ、このクッションに寝てみて」


「はいっす。お、おおっ? 体が……沈むっす……」

「どうだ? 気持ちいいだろ。そのクッションを知っちゃったら、もう逃げられないぞ」

「はいっす、逃げられないっす……」


 気持ちよさそうに、クッションに埋もれるラテを見て、僕も魔法で同じものをもう一つ作り、飛び込んだ。中のビーズが僕の体に合わせて沈み込む。


 ……もう動きたくない。けど、夕飯の準備をしないと。


「ラテ、あと一時間だけ休もう」

「休むっす!」


 一時間、ふたりでダメなクッションに沈んでいた。


⭐︎


 辺りが暗くなり、日が暮れてきた。そろそろ、夕飯を作らないと。


「はぁ、お腹すいたね」

「すきましたっす」

「そろそろ、動かないとね」

「そおっすね……」


 今夜のメニューは、焼くだけで食べられるハンバーグをのせたボロネーゼパスタ。サラダは千切りにしたニンジンにマヨネーズを和え、胡麻をかけるだけの簡単なもの。


 アイテムボックスに手を突っ込むと、残り物のキャベツ、ウインナーが出てきた。これでコンソメスープを作ろう。あ、キャベツがあるから、あとで種生成の魔法で種を作っておこう。


「ノエール様、ハンバーグを焼きました」


「ありがとう。ニンジンは千切りにしたし、スープも煮込んだ。パスタも茹でたから……次はお湯を沸かして、ボロネーゼソースを温めようか」


 夕食の準備をしながら、ふと思う。


 ――転生前、スーパーで買って冷蔵庫にしまった食材を、よく忘れていたな。


 一度、アイテムボックスの中も整理しておいた方がいいかも。スープに使った、このキャベツは、キャンプ場近くのスーパーで買って焼きそばを作ったときの残りだ。


 確か、前に干からびた苺もあったはず。


 畑が充実するはいいとして、問題は米だ。米の栽培には水が必要。田んぼを作って水を引くのは、今の場所ではちょっと難しい。


 ……いずれ、米がなくなる前に神様に相談してみよう。


 大皿にパスタとハンバーグを盛り、上からソースをかける。サラダとスープも、それぞれよそった。


「ラテできたよ、食べよう」


 キャンプの中にランタン、ライトをつけて、テーブルに座り、夕飯を食べる。エアーフレームテントもよかったが、座って食べられるこのテントもなかなかいい。


「ノエール様、今日のごはんも、美味しいっす!」


「うん、美味しいね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ