「365話」
花粉にコロサレソウ
「……」
テーブルの端に転がした眼球をできるだけ視界に入れないようにしながら、じーっと並ぶ様々なアイテムをみる。
……何かしらの臓器っぽいのがいくつかあるが、眼球らしきものは見当たらなかった。
アマツの眼球が転がっている! とかそんなサプライズはなかったよ。
そもそも臓器をテーブルに並べるな。
てかこれ、絶対あの男の臓器でしょ……不健康そうな色してるし、間違いない。
「……一つ、質問いいですか?」
「なんだい!!?」
「声でけえ」
そもそもあの男のコレクションや、体の一部を使いたいとは思わない。
これからダンジョン攻略に必要……というか必須ではあるだろうから、結局は何かしら選ぶ必要はあるのだけど。
「アマツさんの混ぜたやつ、仮にそれを選んだとして……今後あの男みたいのを相手にするのに役立ちますか?」
「おおっとぉ!??」
俺にはアマツさんが混ぜたやつを選ぶ選択肢もある。
どう考えても選んで欲しそうだったし、五体満足なアマツさんを見る限り体の一部が入っているなんてことは……ないと思いたい。
信じているぞアマツさん。
「あの男の一部やコレクションより、アマツさんが用意してくれた物のが良いなって」
「……っもちろん役に立つともっ!!! だけど、だけど!! どれが私の用意したものかは言えないっ!! こればかりは島津くんの運が試されるときだよ!!」
「窓にヒビ入ったんですけど?」
近所迷惑にもほどがあらぁ。
ダンジョンの補正がなかったら俺の鼓膜破れてたぞ、まじで。
……まあ、こんだけ馬鹿でかい声出していて隊員さんの一人すら様子を見に来ないってことは、結界的なものを張ってるんだろうけど。
まあ、それは良いとして。
とりあえずアマツさんが用意したものを選べばダンジョン攻略はどうにかなると。
あの箱のサイズ的に中身はあまり大きくは無い。だから武具は除外するとして……アクセサリーとか、何かの素材? 俺としては土蜘蛛みたいに強力なスキル使えるようになると嬉しいな。
土蜘蛛はあたれば何でもぶち抜けるでしょ。となると相手を一時的に拘束できるやつとか……蜘蛛繋がりで糸とか? そんなのだと嬉しい。
間違ってもアマツ柄のシャツとか入ってないよね。
「それじゃ、アマツさんが用意してくれたものにします」
「そうかい! それじゃ、この中から私の……!?」
「これですよね」
「……そ、そうだよ!! よくわかったね!??」
数あるアイテムの中から異彩を放つ箱を手に取り、すっとアマツの前にだすとビクリと身を震わせ、普段から細い目をさらに細めた。
なんでだよ。
反応からして驚いたんだろうけど、普通そこは目を開くところでしょうがっ。
てかあんだけ目立つ箱を用意しておいて、驚く必要なんてなくないか?
わざと驚いている風にも見えない……し?
まさかだけど、もしかしてアマツさん……まさかねえ?
「ご丁寧にレリーフ彫ってありますし……ほら、これ」
「あ」
あ、じゃないよ!
思いっきり忘れとったなこやつ。




