「360話」
風邪が治ったと思ったらインフルをくらい、今度はコロナをくらいそうな予感。
金曜日に隣の人が体調不良で早退したんですよね……(´・ω・`)そして今ちょっと頭痛がきております。
なので短めです。ユルシテ
家に駆け込み、居間へと飛び込んだ俺が目にしたのはソファーで爪とぎするクロの姿であった。
顔を洗い聞こえないふりをするクロに変なものが現れ、どこかに逃げて行ったこと。悪いものかも知れないので念のためダンジョンに逃げ込むことを伝え……一応生首も連れて行こうかと、むんずと掴み上げる。
「ああ、私がここに居るんだよ? 当然じゃないか」
さあ行くぞ。
そう思い玄関に向かおうとしたところで、生首は俺をみて首を傾げ……私が居るから当然?
……よく考えるとあの得体の知れないやつ、家の方をみて逃げて行ったようにも見えたよな。
あれは家ではなく生首を見て逃げていたということか……?
「え、じゃあ、あれ……魔除けの効果? え、まじで??」
アマツが魔除け代わり的なことを言って押し付けてきたこの生首だが、実際に効果があるということなのだろうか。
てっきり生首を身近に置いておきたくないアマツがでっち上げた理由か何かかと思っていたが……しかし魔除けねえ?
……みた感じはただの生首だけどな。
いや、生首って時点で十分あれだけど……ん? そういや生首の位置的に外からは見えないよな。
ご近所さんに見られたら社会的に死にそうなので、生首の定位置は窓から見えない場所だ。
つまりは見て逃げて行った訳ではない。
となると後は……匂いか?
「え、お前そんな臭いの??」
「何でそうなるのかね!? 本当に君は失礼だな! ほら、別に臭くないだろう? 嗅いでみたまえっほらあ!」
「ちょ、腕に髪を這わせるんじゃねえ!? 分かった、分かったから! 嗅ぐから動くなっての」
「どうだね!」
腕をわさわさと髪が這いあがってくる総毛立つ感触に耐え兼ね思わず嗅ぐと約束してしまった。
どこからその自信が来るのだろうか。
ふふんと得意そうに鼻をならす生首苛立ちながらも、おそるおそる生首へと顔を寄せていく……何が悲しゅうて生首の匂いを嗅がねばならんのだろうか。
これがクロだったら喜んで顔を埋めるが、相手は生首だ。最悪だ。
こんな姿誰にも見せたくはない最悪だ……もういい、さっさと終わらせよう。
そういやこいつ、最後に風呂入ったのいつだっけ?
そんな疑問が頭に浮かんだのはにおいを嗅ぐ寸前であった。
「ちょっと…………なんでもない」
「……」
雨に濡れた犬とかそんな感じの匂いがした。
牛乳拭いて放置しといた雑巾じゃないだけまだましだろう。
「ねえ、クロはあれ見える?」
生首はめそめそと半泣きになりながらお風呂に向かった。
俺はクロを抱えてそっと窓から外を覗き……遠くに見える人型を見つけ、そちらを指さしながらクロへと聞いてみる。
クロはしばらく何かを探すように視線をきょろきょろと動かしていたが、やがて一点を見つめ小さく「にゃ」と鳴いた。
「何かうっすら見えると……俺は人型だとはっきり分かるんだけど、そうではない?」
クロはまた小さく「んにゃ」と返すと、飽きたのか俺の腕から飛び降りソファーへと向かって行ってしまった。
クロは俺と違い薄く靄のようなものが見えたようで、注意してみないと雲と区別がつかないとのことだ。
「なるほどなあ……」
なんでそんな差があるのか謎だ。
そもそもなんで急に見えるようになったのかも分からないし……はよ風呂から出てこんかな。
とりあえず生首が色々と知ってはいそうなので、出てきたら聞くとしよう。
俺があれこれ考えたって想像の域を出ないからな。




