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家の猫がポーションとってきた。  作者: 熊ごろう


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「312話」

やっぱいちゃこら以外は書きやすい。


「それそうと……無人島のあれなんなんです? いきなり大量の恐竜に襲われたんですけど」


アマツの読んでいるものに一瞬だけ気を引かれたが、表紙のミミズが這ったような文字をみて読めなさそうと判断しスルー。まず無人島での出来事を訪ねる。


するとアマツは俺の話をきいてパンッと手を合わせ嬉しそうに語りだした。



「ああ、あれね! ほら、なんだっけあれ……そう! 吊り橋効果って言われてるやつ、あれを狙ったのさ!!」


「あ、はい」



……とりあえず悪気がないことはわかった。


アマツはアマツなりにデートやら遊びにきた人たちの関係の後押しをしようと、あんなサプライズイベントを用意したのだろう……そこにはおそらく善意しかないが、結果がひどい。


もうちょっと穏便なイベントに出来なかったのだろうかと思わなくもない。

やるにしてもほんとにちょっとしたサプライズで良いんだ、それこそ遥さんの水着がとれたように……色々と言いたいことが思い浮かんでは消えていく。


アマツの凄いでしょ! と言わんばかりの笑顔を見ていると毒気が抜かれてしまった……が。



「無人島に二人でいくとか、もう付き合ってる段階でしょうし、意味ないんでは」


「……それもそうだね! ハハハッ!!」


それでもやはり一言いっておこうかと思ったけれど、さてはこやつ……ぱっと思いついたのを実装しやがったな?


ひっぱたくぞこのやろう。




そんな……すごく、すっごく疲れるやりとりのあと、ぐったりとした俺はとぼとぼと喫茶ルームへと向かっていた。

昨日からの一連の出来事でちょっとばかし疲れたもんで、家に戻る前に休んでいこうと思ったのだ。

ほら、クロに心配させちゃいけないし……生首に揶揄われそうだし。


ああ、アマツの部屋に生首放り込まないと……疲れたし明日でいいか。

とりあえず今は休むとしよう。温かい紅茶とケーキでも頂けばきっと回復するだろうさ。




「ふぃー……ん?」


お高そうな紅茶とケーキを注文し、一息ついたところで喫茶ルームに中村が入ってくるのが見えた。

中村はきょろきょろと室内を見渡し、俺をみつけるとこちらへ向かい歩き出した。


なんぞ用事でもあったのかな?




「爆発四散して塵となれ」


「ひどくね?」


俺の対面にどかりと座り、口を開くや否や飛び出た言葉がこれである。


出発前にメッセージは来ていたけれど、直に言いに来るとはよほどくやしかったに違いない。うはは。



……まあ、こっちもうまくいった! とまでは言えないからそんな笑えないんだけどね。

全てはアマツがアホなことしたのが悪い、アマツが。



それはそうと一応誤解? 解いておこうか。

中村のことだから無いだろうけど、あとで面倒なことになっても嫌だし。


「別に何もなかったぞ」


「はぁああああんっっ!? 無人島で二人きりで一晩過ごして何もないだあ??? んなわけねえべよこの助平野郎がよおぉおお!?」


「声でけえ」


あと顔もうるさい。


なんか情緒不安定なっとらんか、こやつ。

てか助平野郎ってなんだよ助平野郎って、俺はただ純真な気持ちで遥さんと遊んで来ただけなのに。


決して邪な気持ちなんて無かったからね!



「こいつら絶対こうびぁあああああっっ!??」


それ以上はいけない。





「やっと手形とれた……酷い目にあったぜまったくよお」


「声でかい中村が悪い。ほかにお客さんいたらどうすんのさ」


俺のアイアンクローで物理的に黙らせた中村であるが、ポーションを飲んで手形を消した以降はどうにか落ち着いたようだ。




「そりゃ悪かったけど、てかまじで何もなかったの? 二人きりで一晩過ごして? 嘘だろ?? おかしいんじゃね、お前……お前、まさか?」


中村は変な生き物でも見るかのような視線を俺に向けたあと……はっとした様子で自身の体を抱くように腕を回し、俺からさっと距離をとる。


「……」


無言でスッと伸ばした俺の腕が中村へと向かう。

あたりに悲鳴が響き、再び中村の顔に手形がついたのであった。




「ったく」


いきなり何を言い出しやがりますかねこの坊主頭は。

……しかし、やっぱ無人島で二人きりで一晩過ごして何もないってのはちょっとおかしいのか。


まあ、何もないってのは語弊があるな。未遂で終わった、だ。

それに次の約束はしたんだし……うん、とりあえずこの件について考えるのはよそう。


中村には……一応軽く何があったかぐらいは話しておくか。

こいつも何時かあの無人島を使うときが来るかも知れない……低そうだけど可能性は0じゃない。

その時のために知っておいたほうが良いだろう。



「あの無人島さ、夜になるとでるんだよ」


「でるって……これ?」


そういって、幽霊といえばお馴染みのポーズをとる中村。

夜になるとでるって聞くと、まあそっちを想像する……よね? もしそっちが出てたらたぶん俺は遥さん抱えて即退散してたと思う。


実際でたのは別物なんですけどね。



「いや、恐竜」


「は?」


「でるんだよ恐竜が。しかも大量に」


「は?」


俺の言葉をほんとに理解できなかったのだろう。二度首を傾げる中村。


まあそんな反応なるよね。

無人島にデートにいったら恐竜が出てきたとかもう意味不明すぎる。

ガッデムアマツ。



「ええと、つまりいざおっぱじめようってところで恐竜が出てきてお流れになったと?」


「おっぱじめる言うなし。ちょっとだけそれっぽい雰囲気になっただけだよ」


恐竜が出るといっても中々理解しなかった中村へ、軽く順序立てて何が起こったのかを説明するとようやっと理解してくれたようだ。


当然、遥さんの行動については大分はしょって話した。

遊んでご飯食べてキャッキャウフフと過ごしてた、程度である。


「つー訳で、中村も使うときはきーつけてね」


「……おう」


と、いったところで丁度ケーキも紅茶も食べ終えたので、その場は解散となった。

最後に中村の目から光が消えていた気がしなくもないが……まあ、そこは頑張れと心の中で応援しておいた。

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― 新着の感想 ―
恋人とは、居なきゃ居ないで淋しいし、居たら居たでウザいものなんです(ㆁωㆁ*) 1人は楽よ〜(ㆁωㆁ*)
[一言] 大丈夫 あと十年もすれば恋人とかほしいとかけらも思わなくなるから(実体験
[一言] ハリウッドな映画だったら 背景で爆発が起こってたり 死屍累々な戦場であっても それっぽいムードになったら キスできそうではある?w
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