97:思いがけない来客
急展開の様に見えますが、予定通りなんです!
という訳で待て、次回!(明日)
「お母様!?」
バンっと澪ちゃんが扉を開けると食堂にゆるふわなお姉さんか座っていた。
「あらあら〜、澪ちゃん、おっきくなったわねぇ〜」
口調までのんびりだった。
「あの、どうしてここに……」
「あのねぇ、澪ちゃん、お盆までにね、帰るつもりだったのよ〜。そしたらちょ〜と、道に迷っちゃってね。それで近くに別荘あったの、思い出したから〜、ここに居れば澪ちゃんが連れて帰ってくれるかなぁって思って〜」
「そ、そうなのね……」
澪ちゃんが絶句してる。
うん、すごい、この人。
あ、目が合った。
「あら〜?」
「あ、こ、こんにちは、わ、私は……」
「あらあらあらあらあらぁ〜」
戸惑う私を無視してそのまま近寄ってくる。
「あなた、澪ちゃんのお友達?」
ギュッと手を握られた。
「あ、はい、その、霜月ひとみと申します」
思わず丁寧すぎる言葉遣いになってしまった。
私の言葉を聞くと澪ちゃんのお母さんはニッコリと笑って言った。
「私は水無月ほとりと申します。娘がいつもお世話になっておりますようで」
丁寧に礼をされた。
それから各人で自己紹介をして一緒に朝食を摂ることに。
私たちは胃に優しい食べ物を食べたのだけど、ほとりさんは「ガッツリ食べないと。一日のエネルギーは朝食で作られるのだから!」と主張して朝から目玉焼きハンバーグ。
いや、昨日のバーベキューとか晩御飯とか無ければそっちでも良かったんだけどね。
「はー、美味しかったぁ〜。やっぱりみんなで食べるご飯は美味しいわね〜」
ニコニコしながら言うもんだからこちらもつられてニコニコしてしまう。
うん、悪い気はしないよ?
「皆さんはこれからどうするの〜?」
「あ、はい、今日は釣りでもしようかと話してまして……まだこれから決めるところだったんですけど」
「まあ、釣り? 良いわね〜。私もやろうかしら」
とまああれよあれよという間にほとりさんも含めて沖釣りに行くことになりました。
クルーザーに乗って島を少し離れると風光明媚な景色に澄んだ水、下を見ると魚がガンガン泳いでいる。
釣りの仕掛は葵さんが。
食糧難の時は自分で釣っていたのだとか……いや逞しい。
釣り糸を垂れながらしばしゆったりとする。
隣にはいつの間に来たのかほとりさん。
いつもなら隣に必ず居るはずの澪ちゃんがこっちに来ない。
「あの、ありがとうございます」
いきなり礼を言われたがピンと来ない。
「澪はかなりわがままな子でなかなか友達が出来ませんでした。周りとの距離の詰め方が分からなかったんです。それをあなた方が仲良くしてくれて……正直な話、あの子にこんなに友達が居るとは思ってもみませんでした」
「はあ……」
少し微笑みながらほとりさんは続ける。
「この子達もあなたのことは大好きな様ですし」
「この子達?」
澪ちゃん達のことを言うにはかなり変な言い方だ。
「そこでふわふわ浮かんでる精霊さん達のことです」
………………はい?
い、い、い、い、今、この人、精霊って言った?
うそ、うそ、見えてるの?
え?
まさかとは思うけど、
そんな気配全くないけど、
この人もエルフ?
認識阻害魔法でも掛けてるの?
一体、何がどうなって!?




