08:嵐(タイムセール)の中で輝いて
そうこうしてるともう夕方のいい時間になった。買い物して帰ることにしよう。そう考えて商店街に向かった。
商店街には魔物が棲んでいる
いや、個人的な感想なんだけどね。これから行く場所の事を考えるだけでこう……ね。私も一人暮らしをする様になって驚いたものだ。何がって? 今から説明しよう。
場所:スーパーオーナイン食料品売り場
時間:夕方17時過ぎ
参戦者:近所の歴戦の主婦の方々
おわかりだろうか?
まあ、それでもよくわからない方のために詳しく描写させてもらおう。
獣たちは解き放たれる時を待っていた。
その身に鍛え抜かれたしなやかな筋肉(想像)と数々の編み出された業を持って。奴(店員)が来る。その手には審判のラッパ(半額シール)を持って。今からこの地に起こる光景はまさに混沌と呼ぶにふさわしいものだ。だが、それをわかっていながらも彼らは手をとめない。まるでそれが運命であるかのように……って描写してたらもう半額シール貼られてんじゃん! でーおーくーれーたー!
荒波をかき分けるように人の波をくぐり抜け、目指すはタマゴ!(パック79円)それから半額牛肉切り落とし……は既に売り切れてた。まだ五分経ってないはずなんだけど。あと、良さそうな食材、魚系はさばけないからパスだね。出来合いのお惣菜は嫌なんだよねえ。もやしはかさ増しに必要だから買ってるのであとは豚コマかなあ。魔法で豚を牛に変えるとかは無理そうだよね?
「無理だな」
だよねー……って! なんで答えが帰ってくんの?って思ったら火の精霊が居た。
「オレが居るから魔法維持できてんだよ。つーわけでヨロシク」
はあ、まあ他の人には見えないし、私の耳もあらわにならないで済むから良いんだけど。ビックリはするよね!
レジで買い物を済ませて帰宅。道々で人に会ったけど特に怪しまれては無いようだった。え、スーパー? あそこに居たのはほら、獣だから……。ともかく晩御飯の支度にかかる。ごま油と塩コショウで炒めるかあ、いつものだけど。作業してるとなんかいつもより火の通りがいいような気がする。
「炒めるんだろ? 手伝ってやるよ」
火の精霊! そうか、料理の時にこんな手伝いしてくれるのか。ちょっと便利かも。……代わりに料理してくれるともっと便利なんだけど。お嫁さん欲しい。
「いただきます! あ、これ、よく火が通ってて美味しい!」
「へへへっ」
声に出して褒めると嬉しそうにしていた。やっぱり子ども(?)は褒めて伸ばさないとね。一通り食べてお腹もふくれたので友人に電話をする事にした。私をネトゲに誘った張本人のオタクのひとだ。




