87:ふみゅ~ん、私を海に連れてって!
まだ海とは言ってない……(でも多分海)
ざっと黒木さんから聞いた顛末で言うとオトシマエを付けさせられるということで儲けた金を巻き上げられて売春とクスリの売買からは手を引く、クスリの製造方法を提出する、鬼走会を解散する、とまあこんなないようだった。
「黒木さんはクスリ売らないんですか?」
「うちの組はそういうの一切禁止だ。組長の厳命でな」
おお、なかなか話のわかる組長である。
「昔取引の時に現場に来たやつがシャブ食っててマシンガン乱射したからヤク中とは絶対に取引しねえって言ってたなあ」
前言撤回。うん、とっても納得のいく理由だったよ。
「そのレシピはどうするんですか?」
「ちゃんとクスリの成分解析してカウンタードラッグ作るから、その手の中にある火の玉は消してくれ」
カウンタードラッグはそれなりの値段で病院に売るそう。まあそれくらいのシノギは良いよね。人助けだし。
黒曜蝶の方は県西部への足がかりがなくなってだんだん手を引き始めてるらしい。黒木さんの組織が介入したというのも聞こえてるはずだからそこが効いたかな。
豊さんの助けた三人は何度もお礼を言っていた。その中の一人、中心的な人物でかなり可愛い子が豊さんを見る目が熱く潤んでいたように感じられるんだけど……先輩が知ったら発狂するかもだから時期を見て話そう。そんな日が来なければいいなー(遠い目)
残り二人の熱い視線は私が独り占めだよ!
いやー、モテる女は辛いね。
うん、オトコにはモテてないのがちょっと凹むけど。
向こうの方では何故かハンカチくわえてる澪ちゃん。ハンカチ美味しい?というか古典的表現好きだよね、割と。
楓ちゃんは前より更に飛びついてくるようになった。まあ元気が良いのはいい事だ。ドロップキックとか痛そうだからやめてね!
という訳でお疲れ様パーティでパフェを食べに行きました。せっかくなんでハルと葵さんも誘った。
ハルは「なんでそんな面白そうな事に私は絡んでないんだ!」とか言ってたけど知らんがな。
葵さんはニコニコした顔で私たち全員の無事を喜んでくれた。でも、そのジャンボクリームパフェ、三つ目ですよね? お腹大丈夫なの?
タピオカはないけど私はかき氷。アイス付きだから二度美味しい。
「とりあえず今回の件で黒木さん達が夜の街の治安維持に乗り出すって言ってたけど」
どう考えても地元組織とぶつかる構図しか思い浮かばないんだよねえ……
「あーあ、とりあえずどっかに避難したいな」
「でしたらうちの別荘に来られますか?」
「別荘?」
「ええ、国内でも国外でも瀬戸内海でもどこでも大丈夫です!」
ふむ、もうすぐ夏休みだし悪くないかも。うん、お盆休みとかはありませんけど有給休暇はあるからね!
「あ、いーなー。私も行きたーい。旅費とか出すよー」
ハルがニヤリと笑いながら乗っかってきた。
あれ? 今澪ちゃん舌打ちしなかった?
「澪の所なら遠慮なく私も行くよ」
楽しそうに楓ちゃんも便乗する。
「わ、私も行きたいです。良いですか?」
おずおずと葵さんが手を挙げる。ここで断ったら後味悪い仲間はずれになっちゃいそうだしね。
……うん、戦力差考えると山がいーなー




