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快適なエルフ生活の過ごし方  作者: ぺるがもん
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84:接・触

探偵パート続き。尾行は探偵のイロハです。

 公私混同という言葉がある。

 自分の目的の為に公的たる自分の職務を利用するという行為だ。

 警察官がパトカーで煽って自分の点数を稼いだり、郵便配達員が手紙の内容を読んでストーカーしたりという感じだ。

 職業倫理という言葉もある。

 しかし、今回はそれを言っててはいけない。相手は犯罪者なのだ。

 警察に言えば時間がかかるが動くであろう案件、そして今、その一刻が惜しいのだ。

 という訳で仕事場で預かって来た通帳の履歴を見る。銀行の中枢ネットワークまで潜ればどこのATMで引き出したかまで分かる。だがそこまでは出来ない。私はハッカーじゃないし、下っ端行員だからお客様の問い合わせでもない限り出来ないんだよね。

 そこで見るのが「店番」だ。

 履歴に印字されてる数字、あれは銀行のどこの支店で取り扱っているかという情報である。コンビニのATMとかの場合もちゃんと割り振られている。

 ちなみにうちの銀行はコンビニとかで引き出すと手数料がかかります。あれ、銀行が全額負担するとかなりな損失になるのでうちの銀行にはそんな余力はきっと無い(確信)

 店番を調べてみると医学部構内のATMであることが分かった。しかも同じ店番が並んでいる。

「あー、まあそうだよね。医大生ならそりゃそうか」

 まあ日付と時間もきっちり履歴で出てくるので確認は出来る。大体水曜日の朝10時過ぎみたいだ。授業前に引き出してるという可能性が高い。

 とりあえず見張ってみよう。その時間だと学生は授業中だからサボらせる訳にはいかないので私が見張る。

 あ、支店長、有給使いますね。


 水曜日の朝10時。私は認識阻害を掛けてATMの近くに陣取った。人もまばらで人影は無い。

 そこに現れたのは一人の女性。スラッとした背の高い女性。迫力はある。さすがにこの人は違うかな?

 そう思って見ていると女性はATMの中に入って行った。普通に考えれば振込とかならかなり時間が経つ。とは言っても10分以上も操作することはほとんど無い。

 これはもしかすると……

 女性が出てきた。彼女は辺りを見回しながらそのまま校門から出ようとする。

 益々怪しい。大学生が授業でもないのにこんな時間にキャッシュコーナーに来るだけで帰るとか不自然だ。

 きっとこの子がクロだなあと思いながら私は彼女のあとをつけることにした。

 彼女はそのまま校門を出るとそのまま近くのマンションに入って行った。

 あ、ここ、オートロックだ。

 ちょっとグレムリンに頼んで弄らせて貰ってオートロックを解除した。エレベーターに乗り込む。見失ったら終わりだと風の精霊に後をつけさせた。

 階数表示を確認して私も隣のエレベーターに乗る。

 うーわ、最上階だよ。家賃高そうだ。


 最上階まで上がるとドアの前に風の精霊がくるくる回ってる部屋があった。

 表札は無い。そのまま開けると明らかに不自然な形になっちゃうので反対側の窓から除き込むよ。


 浮遊の魔法はバランス取るのが難しいけど何とか認識阻害掛けたまま窓まで辿り着いた。ベランダに降り立ち中を伺う。

 中には先程見た女性と大柄な男性が談笑していた。手にはシャンパングラスを持っている。うーん、声が聞こえないな。あ、鍵かかってない。ちょっとだけ開けて声を聞いた。

「あがりはまあまあだな。ん? 入ってないのもあるのか。しくじりやがったか?」

「話を聞いてみないといけないわね」

「ああ、だが直接は拙いから間に何人かかまさないとな。他の奴らは順調みたいだ」

 明らかに怪しい会話だけど決定打に欠ける。ちょっと様子見しよう。


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