81:嗚呼、妹よ
楓ちゃんの身体能力を見よ! 初めからこの位のことは出来るように設定してるから予定通りなんだよなあ。いくぞ、ひっさつ、楓ぼんばー!(古)
さてと、とりあえず転がってるクズどもを何とかしないとね。財布からお金は抜き取って中学生に返した。まあちょっと多めだったかもしれないけど今までも取ってきただろうし慰謝料的な意味も込めて全額渡してあげた。
「で、とりあえずなんでこんなことしてるんですか?」
弁明は聞いてあげよう。私は何も無秩序な台風ではないのだ。
「ぐ、ぐげっ」
ああ、話せないのか。とりあえずグラビトン解いとくか。重力を元に戻してっと……って!
「このアマ!」
いきなり突っかかってくるなら私も容赦は……
黒い影が踊った。男の画面に二ーパットが叩き込まれそこからそのままの勢いで飛びつきスイング式DDT……いや、下コンクリなんだけど生きてんの?
「か、楓ちゃん、落ち着いて!」
楓ちゃんって結構ワンパクなんだなあって思いました(小並感)まあとりあえず澪ちゃんや豊さんと何とか宥めて私は残り二人に向き直った。残り二人は暴れることも無く……というか呆然とした様子でこっちを見ていた。
「一人は使い物にならなくなっちゃったからどっちでもいいから話して欲しいんだけど……どうですか?」
「だ、誰が話すかよ!」
一人がそんな事を言い出した。
「俺たちのバックに誰がいると思ってんだ? ヤクザも黙るって評判の黒曜蝶だぞ!」
コクヨウチョウ? うちの市の遊園地にいるのはコクチョウだよね。鳥インフルでかなりやられたけど。
「隣の県を制覇した暴走族だよ。県内に敵なんていねえからこっちまで来たって訳だ」
「これで分かっただろ。俺たちに手を出せば黒曜蝶が動く。警察でもヤクザでも止められねえぞ!」
だいぶ読めてきたなあ。
「つまり、あんたらは地元の人間で、そいつらと喧嘩したくなくて傘下に入って上納金を納めている……って事かな?」
「楓、あまりはっきり言うものではありません。殿方のなけなしのプライドが折れてしまうではありませんか」
ひょこっと楓ちゃんと澪ちゃんが顔を出した。あ、治まったのね、良かった良かった。
「あのう、ひとみさん」
「なあに、楓ちゃん?」
「すいませんでした。勝手な真似して……でも、あんな話聞いたら我慢できなくて……」
楓ちゃんも正義感強いんだなあ。これは遺伝かな?
「もうちょい遅かったら僕も飛び出してました。妹を止める立場でありながらすいません」
豊さんも頭を下げる。いや、本当に気にしてないよ? 怪我とかなければ万事オーケーだからね。
まあとりあえずこいつらを何とかしないといけないんだけど、どうするべきかな?
「放して泳がせてもいいのではないかと。いざとなったら処分しますし、それに……」
「それに?」
「あまり考えたくないですが、まだ毒牙にかかったままの人がいるかもしれませんから」
澪ちゃんが唇を固く結んで言った。そうか、他にも被害ある可能性はあるよね。それなら……
私は気絶してる男からスマホを抜き取った。
「あなた達のも出して」
残り二人の携帯も出させた。
「よし、じゃあ被害者の人をここに呼び出して」
「は?」
「早くしなさい。お金とかいいから直ぐに来て欲しいって連絡して」
二人は慌てた様子でメールをしまくって……総勢10名ほどの女子中、高、大学生が居た。殆どが未成年だ。三人は正座させてる。
「すいませんでしたぁー!」
盛大な土下座ショーが開幕した。
まあすぐ終わったけど。私たちで事情を話してお金は今のところは返せないけど二度と近づかないと誓約させた。
とりあえずこいつら三人は澪ちゃんちで預かることにした。なんか薬物使いたくってうずうずしてたみたいだし、この際尋問は澪ちゃんに任せようかな。




