70:悪意の矛先
本屋さんお仕置き回です。次回はお母さんをお助けする話になります。出てくる本屋さんの名前は実在の本屋とは関係ありません。ええ、関係ありませんとも。
とりあえずそのお店を調べてみることにした。本屋って言ったらTATSUYAか琥太郎本舗よね。朋屋書店もあるけどこの辺りじゃないし、東京都書店は……うん、入ること自体が問題になる本屋だからやめとこう。そういや新しく海賊さんの本屋が出来たんだっけ? でもあれもちょっと遠いしなー。って話が脱線した。よく話を聞いてみると凰鳴館書店らしい。という訳で行ってみた。
まあ見た目は普通の本屋で本とCDやDVDなんかを主に売っている。その関係で万引き防止ブザーが設置されてる。確かこれってイヤホンとかでも鳴ったりするんだよね。コイル状のものに反応するとか。まあわざと鳴らす趣味はないんだけど、中に入るために鳴らしてみる。ちょっと電磁波を出せば……
pipipipipi……
ほら鳴った。
「お客様、申し訳ないですが事務所の方まで来ていただけませんか?」
「よし、釣れた」
「は?」
「いえ、なんでもありません」
トコトコとついて行った。
で、事務所では太っちょで好色そうなオッサンがそこに居た。
「じゃあまず持ち物を見せてもらおうか」
「どうぞご自由に」
バッグを差し出す。しばらくゴソゴソしていたら入れた覚えのないCDを出された。
「いやあ、困りますな、こういうことをされては」
ニヤニヤしながらデブは言う。
「ここでのやり取りはちゃんと録画されてますからこのまま警察に行けばあなたは前科者ですねえ」
「はあ、そうですか」
「なんならこの事をあなたの職場とかご家族の方にお知らせしないといけません。それは嫌でしょう?」
もしかしてこれは恐喝のつもりなのだろうか? いやまあ確かに職場に知られたら厄介だし、家族が聞いたら卒倒するだろう。でも……
「あのー、それを盗ったのが私だという証拠でもあるんですか?」
「おかしな事を言いますね。あなたのバッグから出てきたのだからあなたがやったものでしょう?」
ずっとニヤニヤさせとくのもムカつく。
「なるほど。そうやって優子ちゃんも陥れたのね」
「? なんだ、誰かの知り合いか? 随分居るから誰が誰だか分からんがそんな口聞いてると後悔するぞ」
「後悔?」
「そうだ。何せウチはバックに関西の大組織が居るからな!」
はい、ギルティ! その一言が聞きたかった。それならもう容赦しなくていいってことだよね!
「そうですか。では遠慮なく、敵と認定させていただきます。ちょっと痛いかも知れませんが我慢してくださいね。グラビトン」
重力の比率を変えて相手に掛かるGを増大させる。
「な、なんだ?身体が上手く動かん……」
「先程言ってた関西の大組織っていうのに興味があるんですけど、お話聞かせて貰えませんか?」
「はあ? そんなこと喋るわけが……」
ボリュームを上げるように重力を増大する。
「ぐべっ」
デブ潰れたカエルのように床に這いつくばった。
「運動してないと潰れるの早いですね。ほら、もうちょっと強くするとヒキガエルみたいに潰れちゃいますよ?」
「ぐぶっ、やめ、やめてくれっ」
懇願されたので解いてやる。するとすぐさま飛び掛ってきた。
「このアマ!」
えい。
「ぐべっ」
いや、そんな簡単に解除できるってことは簡単に発動もできるってことなんだけど分かってなかったんだね。ちょっと強めにしよう。
「どうなるか分かった? 素直にしゃべって貰えます?」
デブは必死で頷いた。そのままではしゃべりづらいのでグラビトンは解いてある。まあ指先ひとつでダウン出来ますけど。デブもそれは分かってるのか今までの悪事をしゃべってくれた。男性には金銭を、女性には身体を要求していたらしい。優子ちゃんは店に来た時に陥れる様に命じられたとの事。身体をいただきたかったが上の者に止められたのが悔しいっての迄教えてくれた。
「で、その上役の名前は?」
「黒木竜也って方です。本部のエリートだそうで」
ヤクザにもエリートとかあるんだね。まあこれで次のターゲットというかラスボスが分かったよ。あ、その前に優子ちゃんのお母さんの方も見に行かなきゃね。




