66:相談
今回のミッションは人探しです。あ、すんなり終わらせるつもりなんて毛頭ないです()
「人探し?」
「そう。探して欲しい子がいる」
そう言うと太田君は一枚の写メを取り出した。女の子が二人写っている。
「左が社長の娘さん。探して欲しいのは右の子だよ」
写真には華美でなく地味でもない格好のちょっと背伸びしてる感じのお嬢さんとイマドキこんなのいるの?って思うくらいの黒ギャルがいた。右にいるのは黒ギャル。
「この子はなんなの?」
「社長の娘を誘拐するのに連れ出した子だよ」
つまりは誘拐の幇助か。
「うーん、あながちそうとも言いきれなくてね。社長の娘さんが言うには一緒に誘拐されたらしいんだけど、助け出した時にはどこにも居なかったんだ」
怪しいと言えば怪しいけど確定ではないのか。
「むしろ同じ様に脅されて先に解放されてるのかもしれないからね」
「協力体制にあったとしても誘拐前からと誘拐後からで違ってくるって事ね」
うわー、これってすっごいめんどくさいやつだ。
「しかも、僕たちでもこの子を探したんだけど見当たらなかったんだよ。ギャルたちに知り合いはそんなに居ないけど、少なくとも社長の娘から聞いた話ではこの夜に初めて夜遊び仲間として知り合ったって」
まあ、この街の繁華街っていうか夜遊びできる所なんて限られてるからね。その辺りでたむろしてたらそりゃ知り合いにもなるか。
「僕たちが調べても良いんだけど、最近はすぐ通報されるから……」
そうだね。道を聞いたら通報とか公園のベンチに座ってたら通報とか何かと世知辛いもんね。
「とりあえずこの子が何者なのかだけでも知りたいし、話を聞けるなら話を聞きたいんだよ。霜月さんにお願い出来ないかな?」
まあ、そういう事なら手伝えるんじゃないかな。情報収集に長けたストー……情報戦のプロが居るし。とりあえず二つ返事で引き受けた。
「という訳なんだよ澪ちゃん」
「……まあお姉様が私を頼ってくださるのはとても嬉しいんですが。でも、また、女を、私以外の女を、探せ、と?」
なんか目が怖い。やばいやばいやばい。
「お、お礼はちゃんとするから、ね?」
「その言葉、しっかり覚えておきます。しっかりとね」
とんでもない空白手形を渡してしまった気もするけど事件解決の為には仕方ない。なんかデザート奢ってあげるくらいで済ませてくれないかなあ。
「それでこの女の子ですか?」
と写メを見る。見事なヤマンバだ。
「そうそう。なるべく早い方が助かる。楓ちゃんにも頼ん……」
「必要ありません!」
ばあんとテーブルが叩かれた。
「あ、いえ、その、彼女を巻き込むのもなんですし、確かに楓は友だちが多いですがこういうギャル系の友だちは少なかったはず」
あー、やっぱり楓ちゃんは友だち多いのか。誰とでもお友達になれそうな子だもんね。……澪ちゃんと違って。
「じゃあどうやって?」
「うちの御庭番に調べさせます。潜入捜査とかはお手の物ですから」
人海戦術か。まあ私もそれを期待してたっちゃ期待してたんだけど。あと、JK同士のネットワークとか。そっちは澪ちゃんには無理そうなんだけどね。
「まあ、私も繁華街をぶらついてみて探して……」
ばあん!
「ダメです、ダメですわ、お姉様! そんな危ない場所に足を踏み入れてはいけません!」
……いや、澪ちゃんと初めて会ったのも繁華街だから初めてではないんだけど。
「ともかく、私たちの方で何とかしてみますから絶対に大人しくしていてくださいね!」
釘を刺されてしまった。でもまあこのままだと暇なんだよなあ。なんか出来ないだろうか。




