62:もちもちぷるんですね(タピオカが)
少しずつ陰謀というか動きを小出しにしてます。暗躍暗躍(笑)
いくら客が居ないからってバイト中の楓ちゃんを拘束する訳にもいかないので澪ちゃんと二人で座った。澪ちゃんはなんか嬉しそうだけど。
「ところでなんで楓ちゃんはアルバイトなんか始めたんだろうね」
「夏休みに向けての資金稼ぎって言ってましたけど」
ああ、そういうことか。まあJKだもんね。楽しめるうちに楽しんどかなきゃだね。
「それで、お姉様はどこがいいですか?」
「何が?」
「ハネムーンの行き先です」
「……一応聞くけど誰との?」
「勿論、私とお姉様とのですわ!」
「本気で言ってるなら帰るけど?」
「八割本気でしたが帰るのはやめてくださいませ。夏休みに皆さんで遊びに行きたくてお誘いしようと思ったのは本当ですから」
あー、まあ、それくらいはね。
「それで太平洋と大西洋とインド洋と地中海がありますがどれが……」
「えっと?」
「ですから、どの海で泳ぎたいかという話でして」
もしかして各海に別荘とかプライベートビーチとか持ってたりするの? ないわー。
「普通に日本の瀬戸内海でいいわよ」
近場だし波も緩やかだしね。
「まあ瀬戸内でも綺麗な所は綺麗ですけど……」
残念そうに言う。まあそんなに沢山仕事休めないしね。盆休みはお盆の間には取れそうもないからずらして取らなきゃだもの。そうだよ、金融機関に盆休みなんてないよ、暦通りだよ! 支店長とかは真っ先にお盆休むもんね……
などと話してたら時間も遅くなった。澪ちゃんは帰らないといけないし、私はこの時間だとタイムセールも大したものは残ってないので軽く食べて行くことにする。ちゃんぽんうまー。なんか、エルフになって肉よりも野菜の方が好きになった気がする。肉は肉で好きだけど。そんな事をぼんやり考えながら食事をしてるとフードコートのタピオカ店、楓ちゃんのお店の辺りがなにやら騒がしくなってた。
「あのー、すいません、私、バイトなんで詳しいことよく分からないんですけど」
「だったら誰か責任者いねーの? ちょっと話聞かせて欲しーんですけど」
「閉める前なので九時半ぐらいには」
「そんなに待てねえよ。今すぐ呼べや」
明らかに脅してるというか絡んでるよね? うん、とりあえず制止しよう。普通に。
「何をやっているの?」
「なんだぁ、アンタ?」
「バイトの女の子にイチャモンつけるのやめなさいって言ってるのよ」
「いや、アンタに関係ねえだろ?」
「関係あるわ。だって彼女は私の大事なお友達だもの」
「あー、そうですかー。まあでも出しゃばると痛い目見るぜ?」
あまり普通の対処は効果無さそうだ。楓ちゃん怖がってないかな……なんで恍惚の表情浮かべてるのかな?
「さっき、警察に通報したからあと五分もしない内に来ると思うけどいいの?」
「うっ、コイツ……」
とりあえずハッタリはかます。こうかはばつぐんだ! 捨て台詞履きながら去っていった。
「何があったの?」
怖かった、と元気いっぱいにしがみついてきた楓ちゃんを引き剥がしつつ事情を聞いた。
「と言ってもほとんど見た通りです。あの人たちが店頭に来て「タピオカあるだけ寄越せ」っていわれたんです」
そりゃあまあなんという無茶振り。どうしようもないわ。
「勿論私は知らないですし、知ってても教えないですけど」
そこで責任者をって話になった訳か。まあ短絡的ではあるが妥当な話だね。ちなみにオーナーさんは和菓子屋の人らしい。お店でタピオカとかクレープ出せないからってこんな店出したんだとか。まあ完全に趣味の世界だねえ。
そして二、三日後、そのフードコートのタピオカ屋は無くなっていた。えっ? 何これ?




