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快適なエルフ生活の過ごし方  作者: ぺるがもん
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60:雑音と不協和音と

新章開始です。ちょっとだけ社会派目指します!(書けるとは言ってない)

 「おはようございます」

 分厚いドアを開けて店内に入る。

 「ああ、霜月さん、おはよう」

 声を掛けてくれたのはいつも一番に来て掃除をしてる同期入社の太田君。相変わらずふくよかにこにこないい人なんだけどこの所は夏の暑さのせいかボーナス獲得のノルマのせいか、あまり元気はなさそう。ため息をつきながらほうきを動かしてる。

 「ん、おはようございます。なんか元気ないよ?」

 「うん、実は彼女の事でちょっとね……」

 ちっ、リア充め!

 「あ、そうだ、女の人の意見を聞きたいんだけど、霜月さんお昼時間とれる?」

 「あー、別にいいよ。特に弁当とかも持ってきてないし」


 「おはよう、二人とも。相変わらず早いね」

 とか言ってると副支店長が来た。いつもの様にいかにも定年間際というオーラがバリバリ出てる。ちょっと翳りもあるけど。

 「おはようございます。なんか今日は一段と、その……」

 「ああ、別になんということもありません。娘にお父さんの洗濯物を洗濯機に一緒に入れるなと注意されたのが少し悲しくてね……」

 ああ……私も覚えがある。いや、言ってる時は当然の権利だと思ってたけど、世のお父さんってこんなに傷つくんだなあ。

 「無駄話はこれくらいにしときましょう。さあ、準備続けようか」


 しばらくすると先輩も出社してくる。最近は派手さがなりを潜めてる感じがする。豊さんのおかげかな?

 ドライアドちゃんもおはよう。うんうん、こないだはご苦労さま。お高めの養分買ったから後で注入したげるね。

 どんどん支店のメンバーが出てきて最後に支店長が出社。今日は朝礼がある。

 「えー、夏のボーナスシーズンです。目標の数字まであと〜円、渉外、店頭共に未達ですので積極的に声掛けをしていきましょう」

 詳しい金額とかは細かい数字なんで記憶の彼方に消し去ったよ! とりあえず一人頭100万が目標だそうで。大銀行だと大したことないだろうけど、うちは小さい上に田舎。何より店頭に人が来ない。……まあ私はハルに言えば一発で取れるんだろうけどそれは最終手段。何としても店頭に来るお客様から預金を得なくてはいけない。


 「いらっしゃいませ!」

 そのお客様は入ってきてどっちの受け付けに行くか迷ってた様だったが、私とたまたま目が合ったら真っ直ぐに私の所に向かってきた。

 「こんにちは」

 あ、この人三井さんだ。不動産屋さんだ!

 「いや、仕事で来たんですがこんな所でお会いするとは思いませんでした」

 「あ、あははははは……」

 そうだよ、交渉の時ははんにゃとか着けてなかったよ。だってそんなの着けてたらまず怪しい人認定だもん。まああの後のことはバレないと思うけど。

 「あのー、保育園にいたのは飽くまで友人のためで……」

 「ああ、副業禁止ですもんね。仕事とは思ってませんからご安心ください」

 んー、まあそう理解してくれたならそれはそれでいいか。

 「それで、今日はどのようなご要件で?」

 「あ、普通に振込ですよ。振込用紙渡し忘れたとかでこっちに来る用事のあった私がたまたま」

 そう言って振込用紙を差し出す。小切手と振込用紙。宛先は……暗崎興行ねえ。なんかいかにもやくざーって名前。いや、偏見なんだけど。

 「はい、承りました。おかけになってお待ちください」

 当座の残も普通にあったので伝票処理。そのまま確認に回す。処理を終えて控えを返し、三井さんは退場。うん、特に何も無かった。


 渉外の太田君が帰ってきた。

 「お帰り、太田君。お昼どうする?」

 「うん、ちょっと話したいからインド料理にしよう」

 最近店の前に出来たやつで食べに行きたかったやつだ。

 「あ、そうそう、さっき丸角不動産の三井さんが振込に来てたよ」

 「え? 三井さん?」

 情報共有って事で担当者にフィードバック。

 「うん」

 「伝票、見せてくれる?」

 「え? ああ、いいけど……」

 伝票を見て太田君の顔色が変わった。

 「ごめん、ちょっと急用を思い出した。相談はまた今度で!」

 言うが早いかそのまま支店を飛び出して行った。え? 何事なの!?

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